MSXとはMSXの事である 第36回「ジャッキー・チェンのプロテクター」


ジャッキー・チェンのプロテクター
(ポニーキャニオン)
1985年/MSX(ROM)/アクション/4800円

 


ポニーキャニオン(ブランド名:ポニカ)は、
パソコンゲームジャッキー・チェン映画のゲーム化を多数行っている。
中でも力を入れていたのはMSX向け。
「プロテクター」はジャッキーがアメリカに進出して撮った映画の第2弾だ。
(第1弾は「バトルクリーク・ブロー」)
日本で公開されたのは1985年6月15日。
公開年にMSX向けに発売されたのが本作である。
鉄は熱いうちに打てだ!
作者は映画観ないで作った可能性あるけどw
なお本作の作者は88版「プロジェクトA」と同じT.OTSUKAさんだ。

本作はゲーム中にあらすじのようなものは表示されない。
いきなり倉庫みたいなところに放り出されて謎の悪漢と戦わされる。
これじゃあんまりなので映画の内容を軽く説明しよう。

主人公はニューヨーク市警の刑事ビリー(ジャッキー)。
とあるファッションショーを警備していたが、主催者の娘ローラが誘拐されてしまう。
ローラの行方を追って相棒のガローニとともに香港へ。
香港マフィアのボスのコウが黒幕である事を探り当てる。
・・といった内容。
きっとこのゲームのステージはコウのアジトで、
悪漢達はコウの手下に違いない。
そしてもしかしたら、ステージの最後にはコウが待ち構えていて、
倒すとローラを助け出すエンディングがあるかも知れない。
知らんけどw

 


88版の「プロジェクトA」と比べるとかなりゲームらしいビジュアルになっている。
ジャッキーもスキンヘッドじゃないしw
ジョイパッドで操作できる。
方向ボタンの左右で前後移動、下でしゃがみ、上でジャンプ。
ボタンはキックとパンチに分かれている。

 


ステージはサイドビューの一画面固定で、
画面内の悪漢を全員倒すとSCENEクリア。
悪漢はナイフを投げる奴、鈍器で叩いてくる奴、荷物を投げてくる奴がいる。
ナイフと荷物はキックやパンチで打ち落とす事が可能。
荷物はドンキーコングの樽のように足場を乗り越えて落ちてくる。

 


トランポリンみたいなのに乗って上ボタンを押し続けると、
ジャンプするごとにジャンプが高くなっていく。
ジャンプ中に左右ボタンで足場へと乗り上げる事が出来る。

 


ジャンプが届けば天井のフックにも掴まれるぞ。

 


敵の攻撃を食らうと画面下のPOWERが一つ減る。
5つ全て無くなるとミスとなり残機を失う。
残機が失くなるとゲームオーバー。

 


SCENEクリアすると残りのパワーがスコアに還元され、
全回復した状態で次のSCENEへ進む。
SCENEが変わると足場のレイアウトが変わる。
どういうルートで攻略していくか考えよう。

 


ピストルを撃ってくるトレンチコートの男が登場。

 


このステージはどうやって上に行けばいいんだよと思ったが、
ビリーは助走をつけてジャンプすると
思いのほか遠くまで横ジャンプが届く。
ここから画面右下にあるフックに飛びつく事が可能。

このようにちょっとしたパズル的な部分もある。
ちなみに左上にいる水色のやつはダイナマイトを投げてくる奴。

 


SCENE9がこのゲーム最大難度と断言できる。
画面右下の二人が立つ足場。
ここへは左の足場から助走ジャンプしても届かない。
ではどうするのか?
このゲームは画面左右端にジャンプでぶつかると三角跳びになる。
これを利用して右最上段足場から二段目三段目に乗り移る。
これがなかなか成功しない!シビア過ぎる!

 


SCENE16をクリアすると・・


SCENE17からはSCENE1と同じレイアウトになった。


ここからは敵キャラにヘリコプター追加。
足場関係なく蛇行しながら飛び回る。
触れたら一気にPOWERが削られる。

 


SCENE33から再びSCENE1と同じレイアウト。
つまりこのゲームは16面をループして繰り返す構成なのではないだろうか?
ボスのコウも出てこないし、
ローラ救出のエンディングも無いものと判断してプレイ終了。

 

思ったよりちゃんとしたゲームになっていて驚いた。
普通に面白く遊べたし!
88版「プロジェクトA」と比べるともの凄い進化だ!
これでちゃんとエピローグが用意されていたら、
MSX史に名を残していたかも知れない。

さて、そんな本作であるが、1987年に「タケル伝説」という名前になり
グラフィックを和風のオリジナルのものに載せ替えた生まれ変わった姿で
ブラザー工業から再リリースされている。

どういう経緯なんだろう?
「タケル伝説」にエンディングがあるかどうかは
所持していないので検証不能だ。