88ゲーム回想録(37)「ペンギンビレッジ」


発売元:ポニカ
発売時期:1984年3月
定価:2800円
機種:PC8801

 


オリジナルはMZ-2000で、
第2回PONYCAオリジナル・プログラム・コンテスト「最優秀賞」受賞作品。
作者は北川陽一さん。
少年ジャンプで連載していた鳥山明の人気ギャグ漫画をゲーム化。
コンテストに漫画原作のゲームを応募するとは妙だ。
最初から「Dr.スランプ」を使ったゲームという募集要項だったのか?
それとも入選したオリジナルゲームに
Dr.スランプ」のキャラクターをはめ込んだのか?

 


ゲームがスタートするとまっすぐな青い道が表示される。
ここはゲームのタイトルにあるように「Dr.スランプ」の舞台であるペンギン村らしい。
ペンギン村と言えば、鳥山明先生のセンスによる
個性的で魅力的なデザインの建物や風景が印象的だ。

だがそんなぺんぎん村の片鱗は一切無い。
1984年のパソコンゲームでは無理もない?
とは言え、同じ年に「ウイングマン」や
機動戦士ガンダム」が発売されていた事を考えると、
もう少し頑張れる気もしないでもない。

ゲームの目的は鳥山明先生に会うこと。
鳥山先生を目指してこの青い道をひたすら探索する。
テンキーの8が前進、7で左に行く、9で右に行く。
最初は何もヒントが無いので適当に進もう。

 


探索していると、青い道にキャラクターが登場する。
このときマニュアルを見る必要がある。
画面にはコマンドのようなものは一切表示されない。
キーボードのどのキーが何のコマンドを表しているのか
マニュアルに書かれているのだ。
コマンドはコチラ。

Aキー:鳥山さんちに行くにはどういったらいいか?
Bキー:ワーッ!
Cキー:大人しく道をあけたら無事な体でいられるで!
Dキー:キャンディやるから通してくれ。
Eキー:ボールをかえてくれ。
Fキー:セブンと会いたい。
Gキー:大人しく出すもんを出したら無事な体でおられるで!
Hキー:大人しく道を教えたら無事な体でおられるで!
Iキー:こんにちわ、鳥山さん。
Jキー:ゴルフの試合をして僕が勝ったら道を教えてくれ。
Kキー:野球の試合をして僕が勝ったら道を教えてくれ。
Lキー:ボクシングの試合をして僕が勝ったら道を教えてくれ。
5キー:殴る、蹴る。

取り留めのないコマンドである・・。
ウルトラマンに素直に「鳥山さんちに行くにはどういったらいいか?」と聞いたら、


「真っ直ぐだよ」
と教えてくれた。このように適切なコマンドで正しい道を案内して貰う。
素直に教えてもらった道を進もう。

 


オオカミさんにはゴルフ対決で勝つと道を教えて貰えた。

 


キツネさんにはキャンディを貰った。

 


城みたいな建物に辿り着いた。

 


どうやら鳥山先生の家らしい。
Oキーで扉を開ける。


中から鳥山先生が出てきた。
何のメッセージも表示されずにゲームクリア(^_^;

 


ぶっちゃけ、意味不明だ(爆)
これゲームなんだろうか?
キャラクターの会話は最低限。
ただ適当に進む方向を決めて、正解のコマンドが当たるまで試して、
言われた通りの道を進んだらゲームが終った・・。
なお、このゲーム。
クリアできるかどうかはゲームスタートごとにランダムで決まっており、
ランダムにハズレると必ずゲームオーバーになるように出来ているらしい・・。
これをコンテストで「最優秀賞」に選んだ審査員の話をじっくり聞きたい。(^_^;

仮にこれは原作ファンに向けたキャラクターアイテムだとしても、
原作を再現されたシーンがあまりに少な過ぎる。
原作の主人公である則巻アラレはタイトル画面にしか出ないし、
その他、ガッちゃんや千兵衛さんなどのお馴染みの登場人物は一切出ない。
最後に鳥山明が無言で立ってるだけ。

もう一度言うけど、同じ年にエニックスから「ウイングマン」が出てるからね!