やっぱりセガが好き第65回「マイケルジャクソンズ ムーンウォーカー」

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マイケルジャクソンズ ムーンウォーカー
セガ
1990年8月25日/アクション/6000円

 

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世界のトップエンターテイナーだったマイケル・ジャクソン
マイケル・ジャクソンセガのゲームが大好きだった。
彼の自宅にはセガ体感ゲーム筐体が設置してあるほどだった。
マイケルは来日したときに東京ディズニーランドを貸し切りにした事は有名だが、
同じテンションで大鳥居にあったセガ本社にも遊びに来ていた。
開発中のゲームを試遊させたりと、国賓級の扱いだったという。
そんなマイケルが
「ボクが主人公のゲームを作ってみないかい、ポゥ!」
セガに提案し、セガ・オブ・アメリカが契約を結んだ。
セガ・オブ・アメリカは開発を日本のセガに依頼、
アーケードゲームメガドライブ向けゲームの2本を作る事になったのだが、
どんなゲームを作るが全然決まっていないのにすでに契約は締結していたという。

 

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アーケード版もメガドライブ版も世界観は
1988年に公開されたマイケル主演映画「ムーンウォーカー」を引用された。
アーケード版とメガドライブ版は同時開発された都合もあり、
ゲーム内容はまったくの別物になっている。

 

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大観衆を前に、ステージ狭しと歌い、踊り、愛と平和のすばらしさを訴える男---
彼の名はマイケル・ジャクソン。今世紀最大のスーパースターだ。
マイケルの名は世界中の人々に知られ、だれもが彼の歌に、踊りに魅せられた。
しかし、彼の本当の姿を知る者はだれもいなかった。
彼の私生活は、まさにミステリアスな伝説に包まれていたのである……。

ムーンウォーカー」--それは、無限の宇宙を包み込む大いなる愛の使者。
そして、それこそが、マイケルの真の姿だった。
彼は、愛を踏みにじり、平和を乱すすべての悪と闘うため、
銀河系に派遣されていた。
そしてミュージシャンという仮の姿で、活躍していたのである。
そんなある日、何人もの子供たちが誘拐されるという事件が起きた。
おそらく世界制覇をたくらむ暗黒組織のしわざにちがいない。
組織のボス「ミスター・ビッグ」は、かねてから、マイケルを狙っていたのだ。

悪の組織とそのボスをたたきつぶすため、マイケルの闘いが始まった。
宇宙空間では最高のコスモパワーを発揮できる「ムーンウォーカー」。
しかし地球上で最大限のコスモパワーを発揮できるのは、
流れ星が頭上を横切ったときだけだ。
そして、子供たちの“純粋な愛の心”しか、
マイケルに愛のエネルギーを補給できないのだ。
マイケルは秘められたパワーに望みを託し、
子供たちを救出するために、立ち向かうのだった……。

 

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空に飛び出したスーパーカーのシルエットがマイケルに変わる。
ムーンウォーカーの世界では全てのマシンはマイケルの変身した姿なのだ!

 

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ラウンド1の舞台は「CLUB 30」。
マイケルが入ってきてジュークボックスにコインを弾き入れると、
店内の照明がついてBGM「SMOOTH CRIMINAL」が鳴りだす。
か~~こいい~っ!!

 

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ジャンプ、アタック、マジックというボタン設計。
アタックを押すとマイケルがダンスのような動きを見せるのだが、
そのときにキラキラとオーラのようなものが体から放出される。
これで妨害者は吹き飛んでいく。
しゃがみ中、ジャンプ中、斜め上になども放出可能。
アクションのたびにマイケルの声で「アオッ」「ポゥ」と奇声を発するのもステキ。

 

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マジックはボタンを押す長さによって効果が変わる。
その場でターンしたり、ハットをブーメランのように飛ばしたりする。
そして最も長くボタンを押すと始まるダンス!

 

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敵がマイケルの周囲に集合して一緒にダンス!
これ最高。
まさにマイケル・ジャクソンMVの世界だ。
ただしマジックを使用するとライフを消費するので、
無闇には使うとやられてしまうので注意。

 

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他にもBボタンを押しっぱなしで移動するとムーンウォークをしたり、
階段の手すりを滑り降りるなど、マイケルの挙動はいちいちスタイリッシュ。
おそらくゲームにスタイリッシュという概念を取り入れたのは本作が初かも知れない。

 

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ゲームの目的はステージ内にいる少女を全員救出すること。
(残りの少女の数はステータス欄に表示されている)

 

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少女は扉の中などに隠れている事もあるので、
開けられるところは片っ端から開けて探索しよう。
ただし、扉の向こうには敵が待ち受けていたり、爆弾が仕掛けられていたりするぞ。
少女を救出するたびにライフが回復するので、
救出する直前にマジックを使って敵を一掃しておくのも良いかも知れない。

 

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全ての少女を救出すると猿のバブルスが登場して肩に乗る。
バブルスの指差す方向にゴールポイントがある。
バブルスとは当時マイケルが飼っていたペットのチンパンジーだ。
余談だが、2017年までは存命である事が確認されている。

 

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ゴールポイントまで行くとボスのミスター・ビッグが登場。
ミスター・ビッグとの直接対決ではなく、
毎回手下に後を任せて去っていく。

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手下を倒すとステージクリアとなる。

 

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ラウンド2の舞台は「STREET(街)」。
BGMは「BEAT IT」。

 

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ケンカっ早そうなゴロツキ達ともダンス。
ダンスのモーションも「BEAT IT」のものに変わっている。

 

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後半は立体駐車場に。
車のトランクの中に少女が隠されているぞ。

 

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犬も踊るw
さすがマイケル。

 

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ラウンド3の舞台は「WOODS(森)」。
BGMは「ANOTHER PART OF ME」。
森というより墓場だ・・。
実はこのステージはMV「スリラー」をイメージして作られたらしい。

 

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ゾンビとのダンスもスリラーのものだ。
ところがスリラーの楽曲使用許可が降りず、
BGMが差し替えられた様子。
ちなみに差し替えられたあとの「ANOTHER PART OF ME」という曲は、
ディズニーランドのアトラクション「キャプテンEO」向けに作られた曲だ。
夢のコラボw

 

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ゾンビは胴体が千切れて浮遊し、手首をたくさん落としてくるw
ムチャクチャすんなぁ~(^^;

 

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ラウンド4の舞台は「CAVERN(洞窟)」。
BGMは「BILLIE JEAN」。

 

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このステージは奥面の穴に入ると、別の部屋に入れるのが特徴だ。

 

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ラウンド5の舞台は「THE ENEMY HIDEOUT(敵のアジト)」。
BGMは「BAD」。
シャッターを開けて少女を探す。
壁面に電気が流れているので注意。
2拠点をワープする転送装置や、
天井に設置されたレーザー発射機などもある。

 

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いよいよ最終決戦。
マイケルの顔色に変化が・・

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マイケルがロボットに変身。
群がる敵達をレーザー光線で瞬殺しまくり。

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こんなぶっとんだ演出してマイケルに怒られないの?
と思われるかも知れないが、心配ご無用。
このギミックは映画「ムーンウォーカー」に忠実なのだww
(ちなみに特定条件を満たすと他のラウンドでもロボットに変身可能だ)

 

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CONGRATULATIONS,YOU'VE DEFEATED ALL OF MR. BIG'S HENCHMEN,
YOU'VE ESCAPED FROM THE TRAPS MR. BIG SET FOR YOU.
YOU RESCUED ALL OF THE CHILDREN MR. BIG KIDNAPPED.

NOW IT'S TIME FOR THE FINAL CHALLENGE.
YOU VERSUS MR. BIG!!!

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マイケルは宇宙船に変身して逃げたミスター・ビッグを追う。

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そして突然始まる主観視点の疑似3Dシューティング。
逃げ回るビッグをレーダーで確認して画面中央に捕えて射撃を当てる。たぶん。
このシューティング、マニュアルに操作方法が書かれていない。

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敵の攻撃の判定がわかりにくく、みるみる体力が減ってしまう。
そしてあっという間に残機が無くなりゲームオーバー。
コンティニューできる回数は2回しかない。
がんばれ俺様!

 

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PLANNER
KOI

PLANNER ASSISTANT
CAPTAIN ELF

DESIGNER
DOYDOY
CHIE SAMA
JIYNA

PROGRAMMER
EKAS
MT.BOOK
610

PROGRAMMER ASSISTANT
NAS ATAGAN

SOUND COMPOSER
JIMITA

SOUND ASSISTANT
MIDDLE VILLAGE
IAGAN

SOUND ADVISER
BO

SPECIAL THANKS
AL NILSEN

GAME CONCEPT AND DESIGN BY
MICHAEL JACKSON

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俺様は当時、「スリラー」のMVをビデオテープがすり切れるほど見ていた。
マイケルのパフォーマンスが大好きだったのだ。
そんなマイケルのゲームが出ると知って俺様の胸は踊ったし、
スタイリッシュな本作のマイケルは期待通りのマイケル体験だった。
名曲をBGMにして遊べる効果も絶大だったな~。
(世界中でメガヒットした曲でゲームが遊べる奇跡)

アーケード版の「ムーンウォーカー」は、
クォータービューで斜めに操作する感覚が難しくてあんまり馴染めなかったけどね。

 

ところで気になる事がある。
世界トップクラスのスーパースターであるマイケル・ジャクソン
おそらくはまともにギャラを支払ったら、
メガドライブ版とアーケード版の売上を全部渡しても足りないんじゃないだろうか?
(ハッキリ言ってどちらも大ヒットとは言えない結果だったし)
マイケルとの契約はどんなものだったのか?
マイケル自身が提案した経緯もあって、
出演料や版権使用料は破格(もしくは無料!?)だったのではないかと推測する。
情報によれば、アーケード版のロイヤリティは
価格16万円のうち5千円ぐらいだったという。
つまり売上の3.1%がマイケルの収入。
メガドライブ版も同じぐらいの契約とすれば、
1本あたり180円のロイヤリティだな。
世界で10万本売れていたとしても、1800万円。
マイケルにとっては微々たる収入だろう。
それよりも「自分を題材にしたゲームを大好きなセガが作ってくれる」という事の方が
マイケルにとってはボーナスのような存在だったのかもね。