わが青春のPCエンジン(139)「モトローダー」

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モトローダー
(メサイヤ)
1989年2月23日/レース/5200円

 

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メサイヤ日本コンピュータシステム(NCS)という会社が使っていた
ブランド名である。
そんなメサイヤがPCエンジンに参入してリリースした第1弾タイトルは、
「ガイアの紋章」というシミュレーションゲームで、
同社のパソコンゲームを移植したものだった。
そして第2弾はメサイヤのPCエンジンオリジナルゲームをリリース。
それが「モトローダー」だ。

 

モトローダーとは……
時は西暦2015年。いくつもの新技術開発によって、
過去数千年にわたって人類を悩ませた戦争や貧困、人口問題などは一挙に解決された。
全ての生産活動はハイパーコンピュータのもとで効率よくオートマチック処理され、
歴史史上初めて人類全てが王侯貴族の生活を
手にいれることができるようになったのだ。

しかし、その楽園社会においても、人間の本能がすべて満たされたわけではなかった。
多くの若者達は、スリルのない平和な生活に次第に飽きていった。
そして、自ら改造したレーシングカートを持ち寄りレースを始めた。
いつの頃から「モトローダー」と呼ばれるようになった彼らは、
原始的であるが極めて大出力のガソリン・エンジンを搭載した
レーシング・カートで
サーキットを疾走した。
荒々しいエンジンの爆音は、平和だが余りに平穏すぎる暮らしの中で、
忘れ去られていた「闘争本能」を再び蘇らせるのだ。

 

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タイトル画面直後にプレイヤーエントリー。
最大5人まで参加可能。

 

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ギャルが登場。

 

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このゲームはトップビューのレースゲーム。
まずはヘリコプターがコースを一周する。
このゲームはレース中に先のコース形状がわからないので、
「ここで覚えろ」というわけである。

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続いてマネーを使って自車をパワーアップする。
初期マネーは$5000。
ラインナップは以下の通り。

TIRE
高いヤツほどグリップがよく、安定する。
RADIAL($700)
RADIAL+1($1300)
HG-TIRE($3250)
HG-TIRE+1($7680)
HG-TIRE+2($11900)

BODY
高いヤツほどスピードup。
BODY($1780)
BODY+1($2950)
BODY+2($5260)
BODY+3($8700)
BODY+4($10820)

BRAKES
タイトコーナーでモノをいう。制動力up。
DRAM($1200)
DISK($2850)
DUAL-DISK($4500)
DUAL-A.V.D($7500)

HANDLE
高いモノほど早く回ることができる。
HANDLE A($0)
HANDLE B($0)
HANDLE A+1($150)
HANDLE B+1($150)
HANDLE A+2($200)
HANDLE B+2($200)

ENGINE
速くなるケド燃費に注意!
1200CC($2000)
2400CC($4750)
3000CC($7600)
4800CC($11500)

TURBO
スピートup!でも、加速曲線が変化してしまうゾ。
NON-TURBO($0)
TURBO($10000)
HI-TURBO($22000)

SPECIAL
スペシャルアイテムはレースを楽しませてくれるだけでなく、
持っているとなかなか便利なスグレモノなんだ。
レース中一度も使わなければ、次のレースに持ち込むこちもできるんだ。
決められた使用回数内で、有効に使おう。

WARPER($3700)
画面前方へワープ!最後にゴール直前でコレをつかうと……?
GAS TANK($250)
燃料補給。ガス欠もこれで安心だ。
TURNER($2560)
方向転換。困った時はコレ一発。
NITRO($5350)
ニトロブースト!驚異的な加速。
GRENADE($1100)
前方へ手榴弾を発射!けちらせ、けちらせ!!
BOMBER($1350)
後方へ爆弾発射!使いすぎると、キミはもうブラック魔王だゾ。
HOPPER($2800)
ジャンプする。高い障害物もひとっとぴ。

 

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IIボタンがアクセル。
Iボタンがアイテム使用。
方向ボタンを入れた方向に曲がるラジコン操作。
最初は頭が混乱して操作がおぼつかないが、
慣れると向きたい方向を押せば良いので直感的に感じてくる。
それでも違和感が拭いきれないという人は心配ご無用。
タイヤをBに買い換えれば向いてる方向に対して左右で操作可能だ。

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車同士は接触する事は無いのだが、
スピードが落ち、画面から外れそうになると強制的に画面内へと弾かれる。
このとき減速しちゃってるから、何度も弾かれ続ける(^^;
弾かれるとガソリンをより多く消費し、無くなるとゲームオーバーとなる。

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ようするにコースアウトをしないように走れって事だ。
トップで走っているとすぐ先のコース形状が見えていないので、
コース形状を覚えている事が重要となる。

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最初のレースは何とか1位入賞。
貰った賞金で自車を強化。
次のレースへ向かう。
これを8レースまで続ける事になる。

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先に進んでいくと、ジャンプ台、水たまり、
スピンする泥たまり・・など障害が増えていく。

 

数レース進んだ頃、
他車にスピードで勝てず、
ミス無く走っていても画面に弾かれるようになってきた。
そうだ。
ただミス無く走るだけでなく、
的確に自車を強化していかないとジリ貧になる。
そして・・

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ちゃんと走っても勝てないので理不尽に感じてしまうゲームだが、
1人プレイは本作にとってオマケだ。
このゲームは5人で遊ぶ事に意義がある。
当時、PCエンジンはマルチタップという周辺機器によって
5つのコントローラが接続できる事を売りにしていたが、
本作が発売されるまで
5人同時で遊ぶゲームなんて一本も無かった。
本作はそんな「PCエンジンならではの体験」を提供する
ドンピシャなタイミングのゲームであった。
(「ダンジョンエクスプローラ」が発売されるのは本作の1週間後だ)

5人を同一画面でプレイさせる事を実現させるために、
本作は割り切った設計がなされているわけだが、
5人で遊べるレースゲームなんて他に無かったし、
それに特化したからこそ、ユーザーに本作の魅力が響いたんだと思う。


ちなみに本作のマシンデザインは、
(勇者シリーズなど)ロボットアニメの第一人者となる大張正己さんである。

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