やっぱりセガが好き第62回「サンダープロレスリング列伝」

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サンダープロレスリング列伝
ヒューマン
1992年3月27日/プロレス/7400円

 

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ヒューマンのヒットシリーズ「ファイヤープロレスリング」。
この頃、PCエンジンでは2作目まで、
そしてスーパーファミコンに1作目が登場していた。
本作はそんな3本のあとにメガドライブに登場したシリーズ4作目である。
だが本作は謎の多い一本だった。

まずファイヤープロレスリングシリーズなのに
「サンダープロレスリング列伝」というタイトルに変更が加わっている。
という事はファイヤープロレスリングとは異なる
システムのプロレスゲームになっているのだろうか?
あと“列伝”ってなに?
この言葉は「複数の人々の伝記」という意味だが、
登場レスラーに異なるストーリー演出があったりするのだろうか?
とにかくプレイを進めてみよう。

メインのモードとなる「WORLD CHAMPIONSHIP」を遊んでみる。
使えるレスラーは12名。
モデルとなっているレスラーは一緒でも、
ファイヤープロレスリング登場時となぜか名前を変えている。
また、そこに表示されるグラフィックは、
モデルレスラーと全然似ていない。

 

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グレート花形
モデル:アントニオ猪木
ファイプロでの名前は「ビクトリー・武蔵」。

 

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エンペラー健
モデル:長州力
ファイプロでの名前は「ハリケーン・力丸」。
長髪でも無いので全然似ていない。小橋建太なのかと思った。

 

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マスクド・ヘル
モデル:獣神サンダー・ライガー
ファイプロでの名前は「スーパー・カイザー」。
なんかトゲが痛そうだなw

 

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ミスター横綱
モデル:天龍源一郎
ファイプロでの名前は「サンダー・龍」。
マゲしてるし、顔も似てない。(武藤みたいな顔だw)

 

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セニョール・キング
モデル:ジャンボ鶴田
ファイプロでの名前は「トミー・ボンバー」。
日本人でも無くなっちゃってる(^^;
ハーリー・レイスかと思った。

 

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マスクド・タイフーン
モデル:スーパー・ストロング・マシン
シリーズ初登場。
初登場なのにこんな似ても似つかないマスクにされて可愛そうなマシン・・。

 

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バスター龍牙
モデル:前田日明
ファイプロでの名前は「冴刃 明」。
なんだこのボーッとした人相は・・。

 

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ビクトリー・ジャンキー
モデル:スタン・ハンセン
ファイプロでの名前は「スター・バイソン」。

 

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ラルフ・パンサー
モデル:ハルク・ホーガン
ファイプロでの名前は「アックス・モーガン」。
本作の中ではマシな方だけど、せめて口髭描いた方が・・。

 

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張秀明
モデル:クラッシャー・バンバン・ビガロ
シリーズ初登場。
やっとシリーズに登場したビガロだが、韓国人という設定(^^;

 

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ストーム大介
モデル:佐々木健介
シリーズ初登場。
変えようが無かったのか、健介は健介らしい。

 

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ミスター・ボンバー
モデル:ビッグバン・ベイダー
ファイプロでの名前は「ヒットマン・セイバー」。
まあ、似てる。

 

 

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PCエンジンのときと同じく前田日明を選択してプレイを進める。

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WORLD CHAMPIONSHIP」はシングルマッチのみ。
(ワンマッチのモードではタッグマッチや1vs2ハンディキャップマッチも出来る)
ゲームのクオリティとしてはPCエンジンの1作目に近い。
ゲームのシステムもほぼ同じで、
組んでしゃがんだ瞬間に技コマンドを入れるのが主軸のゲームだ。

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唯一違う点は大技は画面下のメーターが溜まらないと使えない点。
(メーターは時間でたまり、相手の技を受けると早くたまる)
PCエンジンのときは強い技を連続で当てて一方的に瞬殺できたが、
そういうハメプレイを防ぐ意味合いもあったのだろう。
だがファイプロと違うのはそれ一点であり、
“サンダー”と名前を変えるほどゲーム性が違っているとは思えない。


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11人の選手に勝利したら突然ゲームオーバーになった。
オプションで難易度を「BEGINNER」に設定してプレイしたのだが、
どうやら「BEGINNER」でクリアするとクリア演出が見れない設計らしい。
(たまにこういう設計のゲームあるけど、誰が得するんだろう?)

あとストーリー演出は何一つ無かった。(^^;
「列伝」の意味は最後までわからず。

プロレスファンとしては健介、マシン、ビガロで遊べる・・
という点のみが本作の価値であった。


本作の前に発売されたシリーズ作の
スーパーファミコン版「スーパーファイヤープロレスリング」は、
収録された選手が25人と増大していたり、
サイズの大きな選手にも対応し、ジャイアント馬場の再現が可能になったりと、
ファイプロシリーズの進化を感じられるものに仕上がっていた。
だが本作の収録選手はPCエンジンの1作目より少なく、
必殺技ゲージシステムもハメ防止ぐらいの意味合いしかなく、
今までと違う面白さを提供できてはいない。
また、メガドライブならではのグラフィックを生み出す事が出来ず、
周回遅れで初期のファイプロが移植されたようなショボさ。

おそらくはスーパーファミコンで進化に成功した後で登場した本作を
シリーズ最新作としたくは無かったのではないだろうか?
なのでタイトルを「サンダープロレスリング」として黒歴史したと。

そして似てないレスラーにした理由だが、
これは「スーパーファイヤープロレスリング」での事件が影響していると思われる。
どうやらその頃、プロレス団体からクレームが入ったらしい。
(そのためジャンアント馬場に似た選手はしばらく出せなくなった)
なのでモデルと似ても似つかないものにせざる得なかったと推測する。

だけど、実在のレスラーになってプロレスを楽しめる事がファイプロの魅力。
あえて似てないレスラーにしてしまった本作は、
作品の存在意義をも削いでしまったように思える。