2021年は家庭用ゲーム機戦争終結の年?

2021年もコロナウィルスによって静寂の1年となったように思う。
2021年を振り返って何が最も印象に残っているのか?
俺様にとってそれは
プレイステーション5が歴史的な失敗をした」事である。

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プレイステーションの最新機種である「プレイステーション5」(以後PS5)。
PS5は2020年11月12日に発売された。
異変は直後に起こった。
その本体がまったく手に入らないのだ。
転売ヤーが横行して欲しい人のもとに届かないと言われていたが、
それにしても1年以上経過しても、まったく手に入る雰囲気が無いのは異常だ。

PS5は日本で累計約100万台しか売れていない。
この数は過去のゲーム機で言えばゲームギアより売れていない。
ゲーム機戦争で早々に陥落した3DOと似たような数字だ。

だが、PS5は過去の大失敗ハードのように
「買い控えられて数がいかない」という事情とは違う。
そのハードスペックはとても魅力的なもので、
後方互換されているPS4からの買い替え機としてだけでも価値があるものだ。
だから「誰も欲しがらずに売れない」のではなく「欲しい人が買えない」のだ。
ではなぜそうなるのか?
生産量が少ないからだ。
(転売ヤーがいくら横行しても、ちゃんと大量生産していればこうはならない)
この原因は「世界的な半導体不足」からだと言われているが、
正式な発表はされてはいない。

さて、そうなってくると問題は深刻だ。
この状態がずっと続くと、PS5は商品価値を失っていく。

まずPS5用のゲームソフトが出ない。
100万人ぐらいのユーザー数では、ゲームソフトを売っても開発費を回収できない。
どんなに高いスペックがあっても、それを使ったゲームが出なければ意味が無い。
PS5は主砲を積まない弩級戦艦になってしまう。

次にスペックだが、当然ながら時間とともにそれはハイエンドでは無くなっていく。
現時点ですでに1年前のスペックだ。
仮にPS5が今後爆発的な普及をしたとして、それが4年後であれば5年前のスペックだ。
そのときのゲーミングパソコンに大きく劣るゲーム機となってしまう。

最後にPS4の急激な存在感の喪失だ。
これまでPS4はハイエンドなゲームソフトが遊べるゲーム機として
存在感を示していた。
だが、PS5の登場によって「古いスペックのゲーム機」という立場に移行。
そうなるとPS4の新作ソフトの買い控えがおこる。
買い控えた人達がPS5版を買えばいいが、PS5は本体が買えない。
そうなるとプレイステーション向けのゲーム市場自体が喪失した事になる。

プレイステーション市場がこの世から無くなるとどうなるか?
ハイエンドゲームを遊ぶゲーム機がこの世から無くなるという事だ。
現在最も好調なゲーム機はNintendoSwitchであるが、
Switchは残念ながらハイエンドなゲーム機ではない。
最先端のスペックを使ったゲームは登場しにくいのが現状だ。
また、プレイステーションのライバル機とも言える
マイクロソフトXBOXシリーズはどうか?
Xbox Series X/Sの日本での販売台数は15万台弱。
もはや日本で市場を作る気がない。
(売りたいけど生産できないPS5とは勝手が違う)
ハイエンドなゲームを遊ぶにはもはやパソコンしかないが、
パソコンはまともにハイエンドゲームを遊ぶ環境を揃えるのに20万~30万かかる。
一般的に普及するゲームの選択肢とはならないように思う。

この状況は何を意味するのか?
「家庭用ゲーム機戦争の終結である。
ユーザーの棲み分けが進み、
任天堂のゲームとカジュアルなゲームが楽しめるNintendoSwitch、
コア層がハイエンドなゲームを遊ぶゲーミングPC、
課金ビジネスを中心とした幅広い層が遊ぶスマートフォン・・
といった色分けでデジタルゲームは構成されていくのでは無いだろうか?
(残念ながらアーケードゲームはほぼ死に体だ)

2021年は
ファミコンブームから長く続いてきた
ゲーム機市場にとって
大きな分岐点となった年・・

と言えるかも知れない。


できればプレイステーションには死んで欲しくないけどね。
気軽にハイエンドゲームが出来ない世の中じゃポイズンだぜ。