ランパート
(テンゲン)
1992年12月11日/シミュレーション/6800円
「ランパート」は1991年にアタリがアーケード向けにリリースした
いわゆる“ゲーセン洋ゲー”である。
海外のアーケードゲームが日本のゲーセンで成功する事は稀である。
日本では受け入れられにくいセンスだったり、レベルデザインだったり。
それはインカムという形ですぐに現れるので、
長く筐体が設置されている事は少なかった。
本作もひっそりとゲーセンに登場し、ひっそりと撤去されていた印象だ。
そんな「ランパート」だが、日本ではファミリーコンピューター、
メガドライブ、ゲームボーイの3機種に移植されている。
ファミコン版はコナミが販売と開発を行い、
メガドライブ版とゲームボーイ版はアタリが開発したものを
それぞれテンゲンとジャレコが販売している。
俺様はこの「ランパート」が大好きだった。
ファミコン版はファミコンらしいデフォルメな世界観にコナミがアレンジ。
メガドライブ版はオリジナル版に近いグラフィックでリリースした。
(ゲームボーイ版は未プレイのため不明)
このゲームはシリアスな世界観の方が合っていると思ったため、
俺様はメガドライブ版を選択して遮二無二遊んだものである。
このゲームは今で言うディフェンスゲームの元祖だ。
まず候補の中から陣地となる城を選択する。
すると選択した城のまわりに壁が出来る。
壁の内側が自分の陣地というわけだ。
ここに砲台を設置する。最初は2台置ける。
制限時間になると戦闘が始まる。
敵は海から船でやってくる。
照準を動かして砲撃ボタンを押すと設置した砲台から照準の位置に目掛けて
砲弾が弓なりにゆっくり飛んでいく。
最初は2台の砲台があるので、2発一度に発射される。
設置した砲台の位置が遠いほど着弾までの距離が長いってわけだ。
発射した砲弾が着弾するまで次の弾は撃てない。
敵の船も動いているので、距離や時間を計算して確実に当てていく必要がある。
同じように敵側も砲弾を射ってくるが、これは回避する手段は無い。
敵の数を少なくしていけば攻撃の数も減っていく。
敵の船は3種類あり、
砲弾を撃ってくるだけの茶船。
接岸して兵士を上陸させる黒船。
火弾を撃って領地に火災を広げる赤船がある。
一定時間が経過すると戦闘終了。
敵の砲撃が命中した壁は破壊されている。
この壁を修復するわけだが、このとき設置するのが
テトリスのブロックのような形をしたもの。
この形でハマる隙間に次々と設置する。
上陸した兵士のいる場所は邪魔になってその上には壁は設置できない。
また火災の起こっている場所にも設置できない。
規定時間内に城を隙間なく囲み治せないとゲームオーバー。
余裕があれば、壁を分厚くするのも良し、
領地を広げるのも良し。
修復時間が終わると追加で砲台をする。
ちなみに最初に選ばなかった城を囲むとそこも自軍の領地となり、
一度に設置できる砲台が増える。
つまりターンを重ねるごとに砲台は増えていくわけで、
敵への攻撃を激しくする事が出来る。
領地が広い方がたくさん砲台が置けるわけだが、
領地が広ければそれだけ修復も困難なのでそこは駆け引きだ。
こうして攻撃と修復を繰り返し、得点が一定に達するステージクリア。
このクリア条件はわかりにくくてイマイチ。
敵の船の全滅とか、一定数破壊すると退却するとかだったら良かったのにね。
このゲームで一番驚いたのは、
テトリスブロックの応用だったこと。
テトリスの亜流ゲームはたくさん登場したが、
領地の確保に使うなんて発想がぶっ飛んでる。
なるほど籠城戦をゲームシステムとして噛み砕くにあたり、
なんとも有効な手段を見つけたものだ。
そしてこのメガドライブ版。
なんて無骨なデザインなんだ・・。
キャラクターの顔一つ描かれていない。
コナミがファミコン版に
デフェルメされたキャラやストーリーを採用した気持ちは分からなくもない。
しかしこの地味がゲームがゲーセンに並んでいたかと思うと
昭和ってステキって思えるよな。
ちなみにこのゲームは対戦プレイも出来る。
お互いの領地を1つのマップに持ち、撃ち合いと修復を繰り返す。
これまた熱い対戦が出来るのでオススメなのだが、
本作は日本ではマイナーな部類で、あまり普及していない。
世界では様々なゲーム機に移植やリメイクがなされ、
世界大会まで開催されるほど人気なのだが。
この温度差はやはり地味だからか?