ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(104)「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー ウルトラ電流イライラ棒」

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ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー
ウルトラ電流イライラ棒
(ザウルス)
1997.8.25発売/価格不明/アクション

 

テレビ朝日系列で1995年から2000年にかけて放送されていた
視聴者参加型バラエティ番組、
ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」
一般参加者や芸能人がとあるチャレンジをし、
成功したら100万円がもらえるという内容。
司会はもちろんウッチャンナンチャン
この番組の中で「電流イライラ棒」という当たり企画があった。
金属製のフレームでコースが組まれており、
コースの形状に沿って電極棒を周囲のフレームに触れないようにゴールへ進ませる。
触れると電流が流れて失格。
神経を集中させる緊張感と、失敗したときのリアクションのわかりやすさで、
バラエティ番組の題材としてウケが良かった。
そしてこの「電流イライラ棒」はゲーム化も想像しやすい題材だった。

 

タカラから「電撃イライラ棒」というアナログゲームが発売された。
これは番組で使われているものと同じコースをミニチュア化したもので、
指で摘むくらい小さなイライラ棒で遊ぶ。
番組での名前は「電流イライラ棒」でこのゲームは「電撃イライラ棒」。
何か権利関係が解決しなかったのかわからないが、
このゲームもちゃんと番組名の入った関連商品である。

 

ニンテンドー64向けにハドソンから
ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー 電流イライラ棒
というタイトルでゲームソフトも発売。
番組のコースがCGで再現されており、
アナログスティックでイライラ棒を動かして進む。
このゲームの最も特徴的なのは、番組と同じく、実況アナウンスがされること。
当時テレビ朝日に在籍していた辻義就アナがプレイを盛り上げてくれる。

 

そしてやはり電流イライラ棒の仕組みを体験するのに最も適しているのはゲーセンだ。
ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー ウルトラ電流イライラ棒
という名前で、
ゲーセンにそのままイライラ棒コースを設置したような巨大な筐体で登場した。

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こちら開発はSNK。

 

さらにプライズゲームがNMKから発売
ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー 電撃イライラ棒チャンス」
というタイトル。
触れるとミスになる鉄製フレームでコースが組まれている事は一緒だが、
イライラ棒は自動的に上昇。
プレイヤーはコースに合わせてハンドルで左右にイライラ棒を動かす仕組み。
こちらはゴールに到達すると景品が貰えた。
原作はゴールすると100万円が貰えたわけで、
その点で原作の要素を踏襲したゲームだろう。

 

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そして今回ご紹介するMVS向けのタイトルが本作
ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー ウルトラ電流イライラ棒」である。
こちらは完全にテレビ画面内で完結したイライラ棒で、
トラックボールを操作する事でアナログ感を再現している。
SNK開発の大型筐体版を導入出来ない店舗向けに作ったタイトルだろうか?
ぶっちゃけ実際に電流棒を操作するのとは全然ゲームが違うので
代用品にはならなかった気がする・・。

 

最初に男女のプレイヤーキャラどちらかを選ぶのだが、
これがなぜかアメコミ調。(^^;

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ゲーム中のボイスも「レディ~~ゴーッ!!」みたいな外国人の声だし、実況も無い。
最初から番組の雰囲気を再現をする気がないタイトルになっている。

ゲーム内容はシンプルなので、まあそれは普通に面白い。
だがここにも一つ問題がある。
MVS筐体はある程度普及していたものの、
トラックボール付きの専用筐体を追加導入する必要があるタイトル。
導入しているゲーセンを見かける事はほとんど無く、
また設置していたゲーセンからも早いうちに無くなっていった。
アーケードに登場した「3タイトルのイライラ棒」の中でも
最も存在感の薄かったゲームであった。

 

余談であるが、今回紹介したイライラ棒ゲーム。
タイトルに「ウッチャンナンチャンの~」とついているのに、
どの作品にもウッチャンナンチャンの似顔絵一つ登場しない
大変珍しいタイアップゲームであった。