餓狼伝説3 遥かなる闘い
(SNK)
1995.4.21発売/32000円/格闘
進化した伝説が、今ベールを脱ぐ!!
前作「餓狼伝説スペシャル」から17ヶ月ぶりに出たシリーズ4作目。
「餓狼伝説スペシャル」は「餓狼伝説2」を元にした
スペシャルバージョン的な作品なので、
本作は本来の時系列に沿った「餓狼伝説」の正統ナンバリングタイトルとなる。
これまでネオジオ格闘ゲームのセオリーでは、
前作の操作キャラクターは据え置きで、そこに新規キャラクターを追加。
既存キャラクターファンも維持しつつ、底辺を広げていくスタイルだった。
だが本作では思い切ってキャラクターの半数を一新。
継続キャラはテリー、アンディ、ジョー、舞、ギース。
そこにホンフゥ、マリー、双角、ボブ、フランコの新規が合流。
キャラクターの人数も「餓狼伝説スペシャル」の15人から10人にスケールダウンした。
COM専用のボスキャラは山崎竜二、秦崇秀、秦崇雷の3体。
各バトルではS~Eのランク判定がされ、
ボス戦が始まるまでのランク結果によって、
登場するボスキャラの人数やエンディングが変化する。
弱パンチボタン、強パンチボタン、弱キックボタン、強キックボタンという構成。
ライン移動のシステムは大幅に変更。
奥または手前に「オーバースウェー」と「クイックスウェー」という仕組みが働く。
(前作のように通常の戦闘ラインが複数あるというものでは無い)
「オーバースウェー」は移動というより避け行動のような感じで、
スウェーした直後に攻撃に転じたり、また相手をライン側に吹き飛ばす、
ライン側の相手に攻撃する・・といった攻防が楽しめる。
「クイックスウェー」は上半身だけ一瞬ライン側へ避ける動作を見せ、
そこからクイックスウェー専用の技を出す事が出来るというもの。
CPU戦では相手がたくみにスウェーを利用するので、
対処法を知っておかないと苦戦する。
特定のボタンで連続技が繋がる「コンビネーションアーツ」、
必殺技を出す素振りだけ見せる「フェイント」、
超必殺技が低い確率で強力に変化する「潜在能力」、
といった新システムを意欲的に盛り込んでいる。
いずれも有効に利用するには相当な習熟が必要で、
「潜在能力」に至っては、1024回に1回しか出ない低確率で、
駆け引きに利用できるようなものではなかった。
餓狼伝説のキャラクターでの王道格闘ゲームとしては
「キング・オブ・ファイターズ」シリーズが担う空気感で、
本作は新規キャラクターや新システムで開拓の道を選んだのだと思う。
だが、本作はあまりに玄人向けに尖り過ぎていていた。
コマンド技は全体的に難しくなっているし、
新システムは盛り込み過ぎてついていけず、
前作のキャラファンをバッサリ切った上で追加した新規キャラも
(一部を除いて)たいした人気にならなかった。
「餓狼伝説」シリーズは本作を最後に
「リアルバウト餓狼伝説」というリニューアルシリーズへと移行。
正統ナンバリングであるはずの本作は、
どこか外伝っぽい隠れた作品になってしまった。
【選択キャラクター一覧】
ギース・ハワード
正史として改めて「ギースは生きていた」事とされた。
ホンフゥ
新規参戦キャラ。香港警察の刑事。タンクトップにヌンチャクというスタイル。
おそらくはジャッキー・チェンをイメージしていると思うのだが、
博多弁を話すのとヌンチャクを使う事から、
「刑事物語」の武田鉄矢もちょっと入ってる。
ブルー・マリー
新規参戦キャラ。乳揺れキャラ第二弾として売り出されたマリー。
(意外にも餓狼伝説では二人目の女性キャラ)
「ドラゴンボールの人造人間18号にそっくり」と話題だったw
その容姿で使う格闘技はコマンドサンボというのが渋い。
(余談だがコマンドサンボという名称を考えたのは前田日明である)
望月双角
新規参戦キャラ。編笠を被った僧兵スタイル。雷神を召喚する技を使う。
不知火舞
コスチュームの露出度が下がっている。
ボブ・ウィルソン
新規参戦キャラ。1作目に登場したリチャード・マイヤの弟子でカポエラ使い。
フランコ・バッシュ
新規参戦キャラ。オーバーオールを着た巨漢ボクサー。
ボクサーキャラは人気が出ないという定説の通り。(^^;