ファイトフィーバー
(ビッコム)
1994.6.28発売/58000円/格闘
当時、SNKはネオジオをアジア市場にも広めたいと画策していた。
そんな戦略の一つが韓国のゲーム開発会社との業務提携で、
その相手がビッコム社であった。
そしてビッコム社が開発した最初のゲームが
格闘ゲーム「ファイトフィーバー」だった。
登場人物全員がテコンドー使いであり、
テコンドー世界一を目指す事が目的である。
選択キャラクターは8人だが、主人公のハン・ベーダル以外は
ほとんどテコンドー使いとは思えないコスチュームとファイトスタイルである。
テコンドーと言えば華麗で独特な足技が中心の格闘技であるが、
ハン・ベーダルを含み、
誰もテコンドーらしい技を使うキャラはいない(^^;;
COM専用キャラクターは中ボスのマスター・タエクックと、
最終ボスの空手健児。袴を履き、上半身は裸に裃という変態っぽい容姿。
プレイヤーがマスター・タエクックを倒すと、
「KARATEというFIGHTERが君の前に立ちはだかっているぞ!」
という自作自演の手紙を送ってくるw
本作開発前にSNKの開発にビッコムのスタッフが研修に来ていたらしく、
なんとか格闘ゲームを模倣しようとはしているものの、
格闘ゲームの構造はシンブルではないため、模倣し切れず、
結果とても遊びづらい格闘ゲームになってしまっている。
例えば対戦で相手と同じタイミングで必殺技を出そうとすると、
先にコマンドを入れた側が技を出すまでコマンド入力を受け付けかったりする。
また、ガード中に上段と下段を切り替える事が出来ず、
上段ガード中に下段に切り替えられると確実に食らってしまう。
・・などと、色々とおかしい。
SNKと業務提携していたため、
「餓狼伝説」や「龍虎の拳」の効果音やフォントなどが積極的に使用されている。
業務提携ってそういう事じゃないから!(^^;;
ボーナスステージで瓦割りや板割りなどを行うのだが、
なにかの事情なのか、瓦を割るのはハン・ベーダル固定であるww
そしてエンディングでは、
スタッフロール全てがハングル語という珍しい光景も見られる。
のちのちネタゲーとして一部で盛り上がりはしたが、
グラフィックのショボさも相まってリリース当時はまったくインカムが伸びず、
家庭用ネオジオへの移植もされずにMVS専用タイトルとして終わった。
また、その後に開発された続編も発売中止。
韓国では3DO向けゲームとして
「The Eye of Typhoon 極超豪拳」の名前でリリースした。
(よりによって3DO・・)
SNKが画策したアジア市場開拓。
その目論見は見事に成功し、ネオジオタイトルはアジアで絶大な人気を獲得。
今でもアジア圏には根強いファンが多い。
余談であるが、ビッコム社の社長の名前はキム・カッファン。
餓狼伝説に登場するキム・カッファンのネタ元である。
さらにもう一つ余談。
本作を起動すると“100メガショック”のロゴが表示されるが、
本作の容量は98メガである(^^;
連載100回目にして
最も100メガショックの夢を見たゲーム
が紹介できた事は幸いであるw
【選択キャラクター一覧】
ハン・ベーダル
韓国出身のテコンドー使い。主人公。
ミユキ
日本出身のテコンドー使い。
ブラのズレが気になるらしく、試合中何度もレオタードの胸元をずり上げるw
ロッペン・ハイマー
ドイツ出身のテコンドー使い。
マジックダンカー
アメリカ出身のテコンドー使い。バスケ選手の格好をした黒人。
ゴルリオ
ブラジル出身のテコンドー使い。ブランカ枠?
キム・フーン
メキシコ出身のテコンドー使い。
チンタオ
中国出身のテコンドー使い。少林寺の僧侶のようなコスチューム。
ニック・コマンドー
アメリカ出身のテコンドー使い。ホッケーマスクに軍服という出で立ち。
必殺技では手榴弾を投げてくる。もはやテコンドー世界一とか関係無い(^^;;