ファイターズヒストリーダイナマイト
(データイースト)
1994.4.28発売/28000円/格闘
闘いのビッグネーム、いま新たなる舞台へ!
「ストーリートファイターII」が生み出した格闘ゲームブーム。
ネオジオはアーケードゲームがそのまま動く家庭用ハードという特性を活かして
格闘ゲームブームに乗っていった事はこれまでもお伝えしてきたが、
当然、ネオジオ以外でもこのブームの乗ろうという動きは
他のメーカーからも生まれていた。
そんなタイトルの一つにデータイーストの「ファイターズヒストリー」があった。
「ファイターズヒストリー」がアーケードに登場したのは1993年3月。
ジャンプの人気漫画「魁!!男塾」の主人公、
剣桃太郎に類似したキャラクターである溝口誠が印象的なゲームだったが、
のちにボタン構成が「ストリートファイターII」と似ているという事で
カプコン社に訴訟される事件が起こり、違う意味で有名になった。
そんな「ファイターズヒストリー」の二作目を、
データイーストはネオジオをプラットフォームに選んで続編をリリースした。
それが本作「ファイターズヒストリーダイナマイト」である。
データイーストとしてはネオジオ参戦第3弾であり、
ネオジオのメインジャンルである格闘ゲームに
自社の大本命タイトルをリリースするという
データイーストが勝負を賭けたタイトルであった。
選択できるキャラクターは前作の9人に、柳 英美、ザジィ・ムハバの2人を加え、
前作でCPU専用だったクラウン、カルノフを加えた13人となっている。
キャラクターは全体的にアクが強く、好みがクッキリと分かれる。
(キャラが苦手だからやらないという人もいた)
全ての試合を無敗で勝ち進むと、最後に隠しキャラクターの「牛」と対戦する。
この「牛」は同社のアーケードゲーム「空手道」のキャラクターであるw
前作で訴訟を受けた際、データイーストは
「そもそも対戦格闘ゲームの元祖はうちの『対戦空手道 青春美少女編』だもん!」
と反論しており、本作の「牛」登場は
訴訟トラブルへのアンチテーゼなのかも知れない(爆)
弱パンチ、強パンチ、弱キック、強キックというボタン構成。
(前作は6ボタン構成で中パンチと中キックが存在した)
前作のシステム的な特徴だった「弱点システム」は継承。
これはキャラごとに弱点が設定されており、
そこを3回攻撃すると気絶するというもの。
また、新システムとして弱攻撃を当てた直後に強攻撃をすると、
弱攻撃の隙をキャンセルできるという「ワンツー攻撃」が実装された。
また、全体的に前作よりもテンポやゲームスピードが増している。
CPUは必殺技とかをガンガン使って前へ前へ出てくる感じ。
CPUがあまりにアグレッシブ過ぎて、キャラクターの研究するヒマが無い。(^^;
必殺技での攻防を覚えるより、
効率の良い通常技で削る方を余儀無くされるゲームだった。
(※ヌルゲーマー個人の感想です)
鳴り物入りでネオジオに登場した本作であるが、
他のネオジオ格闘ゲームよりも地味、CPUが強過ぎる、
と言った理由でそこまでのヒットにはならなかった。
俺様のまわりはネオジオユーザーが多く、
格闘ゲームの新作が発売されるたびにプレイ熱を帯びていたが、
本作は購入した者がおらず、当時ゲーセンで少しだけ遊んだ記憶しかない。
市場的にも思ったほどの成果は得られなかったのか、
続編はネオジオではなく、スーパーファミコンでのリリースとなった。
本作の海外タイトル名は「KARNOV'S REVENGE」。
前作でボスキャラとして登場したカルノフの逆襲ってわけだ。
海外でのカルノフ知名度が日本より高い事が伺える。
【選択キャラクター一覧】
劉 飛鈴(リュウ・フェイリン)
中国人。京劇の女優で螳螂拳使い。
嘉納 亮子
柔道家の田村亮子(及び「YAWARA!」の猪熊柔)をモデルにしている。
そのため「ワールドヒーローズ2」のリョウコと丸かぶりしており、
印象が打ち消されてしまっている不憫なキャラだ。
マットロック・ジェイド
イギリス人。ロックミュージシャン。
サムチャイ・トムヤンクン
タイ人。ムエタイ選手。
トムヤンクンてタイ語で「エビを煮て混ぜる」って意味だけどねw
李 典徳(リー・ディエンドウ)
中国人。八極拳使い。
溝口 誠
「魁!!男塾」の主人公、剣桃太郎がモデル(?)
シリーズの顔とも言えるキャラクター。
「タイガーバズーカじゃ!」というボイスも有名。
ジャン・ピエール
フランス人。体操選手。
マーストリウス
イタリア人。プロレスラー。ブルーザー・ブロディ系のワイルドな風貌。
柳 英美(リュウ・ヨンミー)
新規参戦キャラクター。韓国人。女テコンドー使い。
クラウン
前作のCPU専用キャラから昇格。サーカス団長も務めるピエロ。ゲイ。
カルノフ
前作のCPU専用キャラから昇格。
1987年にデータイーストが開発したゲーム「カルノフ」の主人公。
ナムコ販売でファミコンにもリリースされていたから知っている人も多いだろう。
主人公なのに太ったハゲのおじさんというデコ色強めのキャラクターで、
前作の最終ボスとして採用され、本作ではついに操作キャラクターに。