ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(39)「ビューポイント」

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ビューポイント
(サミー工業)
1992.12.11発売/25000円/シューティング
衝撃を迎え撃て!

 

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このゲームを開発したのはエイコムだが、
少しだけこのエイコムという会社について解説しておこう。
エイコムというのはサミー工業の子会社で、
ファミコンで「ボンバーキング」を下請け開発したり、
PCエンジンに「P-47」「武田信玄」「天聖龍」をエイコム名義で移植したりしていた。
そんなエイコムだが1992年頃にサミー工業に吸収され消滅。
その頃開発されていた「ビューポイント」がサミー工業から発売される流れとなった。
そのあと元エイコムの社員が独立して「エイコム」という会社を設立。
さらにそのエイコムはSNKの子会社となるにあたり名称を夢工房に変えている。
(そしてSNKの経営悪化とともに「夢工房」も消滅するのである・・)
つまり旧エイコムと新エイコムは別会社であり、
本作は旧エイコムが開発したタイトルという事を覚えておくと良いだろう。

本作の特徴はなんと行っても
クォータービュー(斜め見下ろし視点)で構成されたビジュアルだろう。
今となっては珍しくないかも知れないが、
3DCGで立体的なステージを組んでアクションさせる事は難しかったし、
何よりネオジオで3Dゲームを実現させるスペックは持ち合わせていない。
(1992年と言えばアーケードでやっと「バーチャレーシング」が登場した頃である)
では本作はどうやってこのビジュアルを実現させたのかというと、
一度3Dのワイヤーフレームで作成したものをプリンターに出力し、
それを見ながら
手作業でスプライト(いわゆるドット絵)にトレースしていったのである。
考えただけでも気の遠くなるような作業である。
また、クォータービューというだけでゲーム開発の難易度は高い。
真横視点や真上視点のゲームに比べて斜めから見た絵を成立させるには
グラフィックパターンがより多く必要となり、様々な点で制約は多い。
また、疑似3Dなので、キャラクターの表示優先度なども
立体に見えるようにウソをつく必要がある。
さらに斜めにスクロールするゲームはキャラクター操作が通常のゲームより難しい。
そこに配慮したレベルデザインを成功させる必要がある。
・・といった具合。
ドット絵時代にクォータービューで成功したゲームは数えるほどしか存在しない。
そんな高いハードルを乗り越えた先に目指すものは、
クォータービューでしか実現できないビジュアルインパクであり、
本作はその一点を目指し、そして成功したと言えるだろう。
俺様自身も当時、
洗練されたデザインに雷に打たれたような感覚を味わったものである。

 

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ショットボタンは通常ショットとタメ撃ちによる波動砲を使い分ける。
それとボムボタンという構成。
一撃で即死。死ぬと再開ポイントからやり直し。
クォータービューである事の操作難は解決されておらず、
かと言ってそれに合わせて難易度が抑えられているわけでも無く、
激烈な難易度でゴリ押しも許されない厳しいゲーム
となっている。
2人同時プレイ可能であり、そのときはその場に復活する。

全6ステージだが、このゲームの難易度で俺様が先の方まで到達できるわけもなく、
ステージ2ぐらいまでしか自力で見る事は出来なかった。

 

余談ではあるが、前述したエイコムの顛末により、
本作の続編が作られる事は無かったが、
1999年頃、ニンテンドウ64向けに「VIEW POINT 2064」というタイトルで
サミー工業からシューティングゲームが発売される予定だった。
ゲームは「シルフィード」のような画面奥へ進む3Dゲームだったようだ。
遊べるプロトタイプまで進んでいたらしいが、結局は発売されなかった。
開発はラクジン。
ラクジンは「天外魔境真伝」でデビューしたデベロッパーで、
ボンバーマンランド」シリーズなどを開発した会社。
2000年に会社の綴りを「Racdym」から「Racjin」に変えており、
2023年現在も現存している。

 


GAME DESIGN
NENKO
MORII
TERASAKA
MOKICHI
AKAHOSHI
RUN

PROGRAM
S.KINJO
M.TANI

SOUND
SIZLLA
MASAKI KASE
MEGUMI M.

POLYGONIZER
N.YAMAGUCHI

GRAPHIC
ASHIN
H.TAKEUCHI
YURI TOMURA
MAXMA
MIYAKI
KEN KATOKU
CHIRICO

BG
HIROPPI.T
K.NISHITHUKA

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