ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(24)「餓狼伝説 宿命の闘い」

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餓狼伝説 宿命の闘い
(SNK)
1991.11.20発売/21800円/格闘
集え!最強のファイター達。

 

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カプコンで初代の『ストリートファイター』を作り出した西山隆志さんらのチームが、
SNKに移籍して生み出した格闘ゲームである。

まだ世の中に格闘ゲームはそれほど溢れていない時代のゲームである。
格闘ゲーム=対戦”の概念も確立されていない頃なので、
このゲームの対戦要素は主軸ではない。
2Pが乱入すると、まず2人で1人のCPUキャラを襲うという変則仕様。
その後、2人で対戦して勝った方がゲームを継続できる。
これはこれでなかなか面白い。
プレイヤーが選択できるのは、
テリー・ボガードアンディ・ボガード、東丈の3人のみなので、
対戦の組み合わせもこの3人でしか実現しない。
つまりそれ以外のキャラクターはCPU専用である。
相手をCPU専用にした事で実現している
ストーリー仕立ての演出も効果的に施されている。
(第2ラウンドでロジックが変化したり、ステージが変わっていったり)

さらに、時代を先取りして奥行きの概念を持たせているのも注目。
このゲームでは、奥と手前の2ラインが戦闘フィールドになっており、
キャラクターが奥と手前を行き来する。
(ただしプレイヤーは任意でライン移動はできない)

本作にはまだ連続技の概念は無く、
“CPUキャラの動きを呼んで超強力な必殺技を当てる”というゲームだった。
そのため必殺技を出すコマンド自体が難しく、練習を要した。
そのぶん、自在に必殺技が出るようになると
ゲームの難易度が急激に下がり気持ち良かった。

 

当時は、『ストリートファイターII』の二番煎じだと揶揄されながらも、
しっかり独自性を打ち出した快作である。
とにかく、ここまで大きなキャラが家庭で遊べるハードはネオジオだけだった時代、
それはユーザーの心を躍らせるのに十分だったのだ。
その後、本作のキャラクター達の活躍ぶりを見れば、
本作が残した功績は偉大なものであった事がわかるだろう。

 

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登場キャラクターMEMO

テリー・ボガード
のちにSNKの顔となったキャラクター。
格闘ゲームの主人公なのに赤いキャップ、赤いジャンバー、デニムジーンズという、
格闘家とは思えないラフなスタイルがカッコ良かった。

アンディ・ボガード
テリーの弟。骨法使い。
骨法の道着のようなものを着ていて、テリーとはキャラが異なる。
“斬影拳”という技がめちゃめちゃ強い。
さらに打ち込むときの声が「アイーーーン」に聞こえるw

東丈
ムエタイ使いの日本人。
アニメで佐竹雅昭が声を担当していたのが印象深い。

マイケル・マックス
ボクサー。印象薄い。

ダック・キング
マーシャルアーツ使い。モヒカン頭のインパクトが強い。

タン・フー・ルー
カンフー使いの老人。
ダメージを一定量受けると筋肉を膨張させる。
亀仙人がモデル。

リチャード・マイヤ
カポエラ使い。
天井の柱につかまったり、ステージギミックを利用して攻撃してくる。
このステージで流れるBGMがカポエラソングになっている、大好き。

ホア・ジャイ
中ボス。ムエタイ使い。試合中、酒を飲んでパワーアップする。

ライデン
中ボス。巨漢覆面レスラー。
プロレスラーのビッグ・バン・ベイダーがモデル。

ビリー・カーン
中ボス。棒術使い。
棒を手放すと気弱になるw

ギース・ハワード
最終ボス。古武術使い。
金髪のアメリカ人だが道着に袴というスタイルで、当て身投げを使ってくる。
強くて存在感のあるボスとして大きなインパクトを残した。
最後にビルから落下する名シーンは広く知られている。