クラックダウン
1989年リリース
このゲームをゲーセンで目撃したときはビックリした。
「こんな地味そうなゲームがなぜアーケードゲームに!?」と。
真上から見た視点のマップ上と
アーケードとは思えないチマチマしたキャラクターで構成されている。
それは1988年11月に既に登場していた「ゲイングランド」でも見られた手法で、
セガにチマチマゲーム好きがいるんだろうなと思った。
21世紀初頭、人工生命体が開発された。
ところが、彼らを率いて世界征服を企む者がいた。
連邦政府は2名の特務機関員に指令を下した。
新型時限爆弾による敵施設の破壊、である。
画面上部に全体マップ。
画面下部に2枚のプレイ画面が表示されている。
1人のプレイヤーが操作する画面が狭く、
まるでパソコンゲームのような画面構成だ。
マップで記された複数の箇所に向かい、爆弾を設置して脱出するのが目的だ。
4方向移動の他、ショットボタン、スペシャルアタックボタン。
そして壁方向へ移動すると、壁に貼り付いて敵の弾を回避する。
(アタリが小さくなるだけで無敵ではない)
このゲームは敵を倒す事が目的ではなく、
爆弾を仕掛けたて脱出する潜入ミッションだ。
そのためには
「なるべく敵に見つからない」
「正面から撃ち合わずに背中を見せている敵を始末する」
といった危険を避ける行動が重要となる。
メタルギアのようないわゆるステルスゲームに似た構成であり、
アーケード向けタイトルとしては非常に珍しい、戦略性重視のゲームになっている。
最初から2人分の画面が設計されている事からも分かるように、
このゲームは2人で遊ぶ事に主軸が置かれている。
例えば一方で敵の注意をひきつけておいて、一方が背後から撃つなど、
チームプレイでの潜入を楽しむ事が大きな売りである。
先に進むと開閉扉、ベルトコンベアー、電流の走るパイプなど、
様々なギミックが用意されており、単調にならないステージ設計がされている。
特定のポイントでは攻略法を思いつかないと進めないようになっており、
試行錯誤している間に無駄に100円が消費される。
このあたりもアーケード向きではない。
そして最後に狂気の科学者ミスターKを倒すとエンディングへ。
ミスターKが製造していた悪魔のような巨大人工生命体を爆破して脱出。
できればこの悪魔に爆弾を仕掛けるシーンはアクションで体験したかった(^^;
何度か書いているように、本作はアーケードゲームとしては異質で、
まるでパソコンゲームのようだ。
(「テスタメント」とか「スーパーランボー」とか)
システムとしてはオリジナリティがあって良いのだが、
ビジュアルまでパソコンゲームっぽいのは大きく印象を悪くしていたと思う。
実際、当時俺様のまわりでは
「小さい画面でチマチマ操作するゲームをわざわざゲーセンで遊ぶか?」
というイメージを持っていた人が多かったように思う。
ビジュアルイメージにもう少し気を使えば
だいぶ評価が変わったんじゃないかな。
例えば1人プレイのときは2プレイヤー用の画面スペースを1Pに解放して
画面を広く使うとかね。
本作は日本よりも海外での評価の方が高く、
本作にインスパイアされたようなゲームが
今でも海外インディ作品に多く見受けられる。