昔はミステリーゲームが大好きだった。
(今も好きだがそもそもそういうタイトルの新作がほとんど存在しない)
リバーヒルソフトやシンキングラビットに代表されるそれらのゲームは、
探偵や刑事となって難解な事件を推理とひらめきで紐解いていく。
また、そういったゲームは大人の雰囲気が漂っており、
なんだかカッコ良かった。
俺様はそういう雰囲気を感じるゲームを次々と遊んでいた。
このゲームもそんなアンテナに引っかかったものの一本だった。
豪華客船に乗り込んでいた名探偵とその助手。
そこで起きた殺人事件。
きっとその卓越した頭脳で惚れ惚れするような事件解決を演出するのだろう。
そう思っていた。
ゲームがスタートし、探偵は助手とともに事件の匂いを嗅ぎつけて部屋に入った。
扉を開けると、部屋の奥からナイフが飛んできて額にサクッ。
ゲームオーバー。
え!?
何が起こったの!?
推理する間もなく探偵は死んだ。
何かの間違いに違いない。
再スタートした俺様は再び豪華客船内を探索する。
先程とは別の部屋へ。
扉を開けて中に入ると、床に落とし穴。
探偵は落とし穴の下へと落ちていき、ゲームオーバー。
まだ事件起きてないのに・・。
俺様は静かにそのカセットをファミコン本体から引き抜いた。
ミステリーどうしたんだ、と。
そのときの無念をTシャツにしてみた。