わが青春のPCエンジン(100)「ときめきメモリアル」

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ときめきメモリアル
(コナミ)
1994年5月27日/恋愛SLG/8800円
SUPER CD-ROM2専用

 

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2016年5月16日から連載を開始した「わが青春のPCエンジン」。
4年6ヵ月ちょっとでやっと100本目到達である。
記念すべき100本目は特別なタイトルがいいなぁって事で、
今回選出したのがときめきメモリアルである。

 

本作はコナミからリリースされた恋愛シミュレーションゲームだ。
当時、「グラディウス」などの硬派なゲームで多くのファンを集めていたコナミが、
突然に美少女ゲームを出した事でコナミご乱心」とまで言われた(^^;

 

雑誌で本作を見たとき「これは来るな」と思った。
というのも、俺様はパラメータ管理型のシチュエーションSLGを作っていた。
このブログでも過去にご紹介した
「幕府の改革」「アイドルクエスト」「受験戦争」等だ。
ターンごとに行動を決めてパラメータを増減。
そのパラメータによってイベントが発生したり、失敗成功の判定に使ったり。
この仕組みを利用すれば、どんな題材でも構成しやすい事はわかっていた。
なのでいつかそういうゲームがメジャーシーンに登場してくると思っていたのだ。

最初に目に止まったのは本作ではない。
ガイナックスパソコンゲームとして
1991年5月24日にリリースしたプリンセスメーカーだ。

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これは孤児の少女を自分の娘として育て上げ、
最終的にプリンセスとなる将来を目指すというもの。
信長の野望」のように基本的には数値だけの変化でありながら、
その対象が国ではなく女の子という点が
俺様の作った「アイドルクエスト」に類似していた。
そしてもう一本はエルフが1992年12月17日にリリースした「同級生」だ。

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これは高校生の主人公が、夏休みの間、日ごとに町のどこに行くかを決めて、
そこで出会う女の子とのエピソードを広い集める18禁の恋愛ゲームだ。
シチュエーションとしては「ときめきメモリアル」に近いイメージがある。

「プリスセスメーカー」のシステマチックにまとめた点と、
「同級生」のシチュエーションの
いいとこ取りしたようなゲームが「ときめきメモリアル」であり、
それがコンシューマでリリースされた事が革命的であった。

 

では久しぶりにプレイをしていこう。
実は俺様は当時、一度もメインヒロインの「藤崎詩織」エンディングを見た事が無い。
難易度がめちゃめちゃ高かったので、数度の挑戦で断念していた。
片桐彩子」推しだったしw

 

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オープニングはボイス付き主題歌と気合の入ったアニメーションで構成されている。
なお、アニメ原作などではないオリジナルの世界観で
主題歌付きのオープニングをつけたのは本作が初めてではない。
1992年6月19日にメガCDで発売された「魔法の少女シルキーリップ」が印象強い。
タイトル画面でオリジナルの主題歌を初めて鳴らしたのは
PCエンジンの「コズミック・ファンタジー」が濃厚である。

 

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最初に自分の名字、名前、あだ名、生年月日。
そしてヒロインである藤崎詩織の生年月日を決める。
藤崎詩織の生年月日によって彼女の選ぶ部活動が決まる。

 

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ゲームは高校入学初日の教室から始まる。
藤崎詩織は幼馴染だ。
隣のグイグイ入ってくるガサツそうなやつは早乙女好雄
以後、こいつからデートスポットや女の子の情報を入手する、いわゆる情報屋となる。

 

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システム面では「プリンスメーカー」に比べて
コマンド設定やパラメータなどがシンプルで、
コンシューマーユーザーにも遊びやすく配慮されている。
反面、操作はイマイチ。
本作はPCエンジン用マウスに対応しており、カーソルでコマンドなどを選ぶのだが、
コントローラでは逆に遊びづらい操作設計になってしまっている。

 

ゲームは月曜から土曜の行動と、日曜の行動を決める。
好雄に情報を聞く、女の子に電話してデートの約束をする、デートする・・
といった事は日曜にしかできない。

ゲームの目的は、3年後の卒業の日、意中の女の子から告白されること。
主人公は、どんなに好きでも自分からは告白しない受け身野郎なのだ(^^;
藤崎詩織から告白を受けるにはパラメータを以下まで上げる必要がある。

「体調」30以上、「文系」「理系」「芸術」130以上、「運動」110以上、
「雑学」120以上、「容姿」「根性」100以上、「ストレス」50以上。

とにかく最初はパラメータを合格ラインまで上げるようにするぜ。
藤崎詩織一筋なので他の女の子とはなるべく仲良くならないようにするぜ。
(本当は極力出会わないようにした方が良い)

 

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誕生日に渡したプレゼントは喜んでくれたのだが、

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「一緒に帰ろう」と誘っても断られる・・。
一緒に帰ったところを友達に見られても恥ずかしくない人間になってやる!(血の涙)

 

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体育祭では一緒に二人三脚で走ったぜ!
藤崎詩織で一緒に走れて嬉しいぜ!

 

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藤崎詩織と同じ文芸部に入部したぜ。
部活動で親密な関係になってやるぜ!

 

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藤崎詩織に気に入られる容姿を身につけるため、
容姿ばかり気にして勉強はまったくしていなかったため、
期末テストの成績は散々だった。
早乙女好雄も相当バカだぜw

 

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突然女の子がぶつかってきた。
彼女の名前は鏡魅羅
お嬢様っぽいキャラクター。
だが俺様は藤崎詩織一筋なので以後、あまり関わらないようにする。

 

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夏合宿の恒例行事と言えば、そうだね、風呂覗きだね。

 

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校庭で突然テニスボールに強襲された。
彼女の名前は古式ゆかり
おっとりしたしゃべり方だな。
だが俺様は藤崎詩織一筋なので以後、あまり関わらないようにする。

 

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朝、ランニングしていたら女子に話しかけられた。
彼女は清川望
まずいなぁ、女の子との接触が増え始めた。

 

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藤崎詩織の方からデートの誘いが!
まいったなぁ、やっと俺様のカッコ良さに気づき始めたか。

 

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野球部のマネージャーである虹野沙希から勧誘された。
すまん、俺様は藤崎詩織と同じ部活じゃないとダメなのだ!

 

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図書室で落とした本を渡してあげた如月未緒

 

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最近では藤崎詩織も一緒に帰ってくれるようになった。
ラブラブと言ってもいいだろう。

 

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元旦。初詣に藤崎詩織を誘ったら一緒に行ってくれた!
だいぶ親密な関係になってきたぜ、デヘヘヘヘ。

 

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2年生に進級。
早乙女好雄の妹の早乙女優美が入学してきた。

 

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科学部の紐緒結奈に変な薬で眠らされて拉致された。
変なやつと関わっちまった。

 

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中庭で絵を描いていたら片桐彩子と知り合ってしまう。

 

 

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藤崎詩織とプールでデート。
水着を褒めたら頬を赤らめちゃって。
カーッ、なんて幸せな学園生活!

藤崎詩織とのアツアツラブラブな学園生活も3年目を迎えた。
これで付き合ってないって方が不自然なほど親密だ。
だが、そんな幸せ生活が音を立てて崩れていった・・。

 

女子達の間で俺様の嫌な噂が流れたり、
藤崎詩織以外の女の子を俺様が傷つけたなんて話が流れたり・・。
そんな噂が藤崎詩織の耳にも入ったのか、
突然、藤崎詩織の態度が急変していく・・。
遊園地で藤崎詩織と一緒にアトラクションに乗ろうとすると・・

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すっごい嫌な顔されてこんな事言われる。
いったい俺様が藤崎詩織に何をしたというのだ・・。

早乙女好雄に女の子からの俺様の評判を確かめると、
爆弾マークがたくさんついている。
実はこのゲーム、出会った女の子の機嫌を常に良くキープしていないと、
勝手に傷心になって悪い噂をバラまく。
するとその話が他の女の子にも伝わってみんな機嫌悪くなるのだ・・。
女子怖え~(T_T)
なんでたいして仲も良くない女子に勝手に嫌われて、
こっちの恋愛をダメにされなきゃいかんのだ・・。
(しかも仲良くなり過ぎると藤崎詩織以外から告白されてしまう・・)

とにかく爆弾マークを処理していかなければならないが、
一人の女子の機嫌をとるためには、
早乙女好雄に相手の電話番号を聞くのに1週間、
さらに相手に電話するのにもう1週間かかる。
その間に他の女子の機嫌も悪くなっていき・・。

 

高校三年の1年間は苦痛の1年であった。
すれ違った女子全員から蛆虫を見るような目で見られ無視。
藤崎詩織に電話してもずっと怒っているし。
期末テストは学年トップだったし、一流大学にも合格したが、
何も満たされない鬱々とした日々だった。

 

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卒業式の日、早乙女好雄紐緒結奈と付き合ってるという報告をしてきた。
知らねーよ、バカ。

 

こうして、俺の高校生活三年間は幕を閉じた。
思えば、クラブにばかり出ていた気がするなぁ。
なにはともあれ、無事卒業できて本当に良かった。
一流大学に合格もできたし、何も言うことはないな。
でも、俺の高校生活、本当にこれでよかったのかな…。
この学校の伝説も俺にとっては無用の長物だったみたいだ。
なにが永遠の愛だよ。くそっ、馬鹿にしやがって!
はぁ…。もう一度、やり直したいなぁ…。

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高校二年までは楽しかった。
藤崎詩織との交流を深めていくと、
呼び名が変わっていったり、表情が変わっていったり、
どんどん二人が親密になっていく感じはまさに恋愛疑似体験だ。
しかし結局、今回も藤崎詩織から告白される事は出来なかった。
そう、このゲーム、藤崎詩織でエンディングを迎えようとすると
めちゃめちゃムズいんだ。
ただ、ゲームとはいえ、ここまで好意を寄せているのに、
まわりの噂を聴いて一方的に態度を急変させる藤崎詩織もどうかと思うぜ。
また、その他の女子も人間性を疑う。
俺様がヒドい事をしたのならともかく、
ただ相手をしなかった(デートなどに誘わなかった)というだけで勝手に心を痛め、
まわりに俺様の評判を落とす噂を広めるなんて、陰険過ぎるぜ。
こんなにつらいなら、愛などいらぬ!(血の涙)

このゲームは藤崎詩織を狙わず、
出てくる女の子全員とイチャイチャしながら、
難易度低めの女子と少しだけ親密になるようにプレイすると、
快適にその女子とのハッピーエンドを見られる調整がされている。
今回のプレイが散々だったからといって
バランス破綻ゲームでは無いので誤解無きよう。

 


本作によって「恋愛シミュレーションゲーム」というジャンルは広く知れ渡り、
多くの派生作品を生む事になる。
そして本作は硬派だったコナミという会社の方向性すらも変えていき、
やがてゲームに登場する制服や体操服まで売るようになるのである(爆)