わが青春のPCエンジン(81)「パワーリーグ」

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パワーリーグ
(ハドソン)
1988年6月24日/野球/4900円

 

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当時の家庭用ゲーム機の価値基準の中で
「定番の野球ゲームを生み出せているか」という点が存在した。
ファミコンでは初期に「ベースボール」がリリースされ、
その後、ナムコから発売された「ファミリースタジアム」は
一大ブームを巻き起こした。
余談だがMSXには「激突ペナントレース」という定番野球ゲームがあった。
(メガドライブは定番野球ゲームの生み出しに失敗している(爆))
1987年10月30日に発売されたPCエンジン。
そろそろ定番野球ゲームが欲しい頃合いであった。
そうして生まれたのがこの「パワーリーグ」である。
だが実はこの「パワーリーグ」がPCエンジンの野球ゲーム第一弾ではない。
なんと本作の2ヵ月前にナムコから
ファミスタのクレードアップ版「プロ野球 ワールドスタジアム」が登場していた。
これがまた完成度の高いゲームだったんだ。
ファミスタシリーズのブランド力も加わって、とても太刀打ち出来ない。
だが本作はシリーズとして何とか生き残る事に成功した。

 

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かわいいデフォルメキュラクターだったワールドスタジアムに対して、
本作はリアル描写の野球ゲームであり、ギリギリ差別化が出来ていた。
またファミスタシリーズはその後、
ファミコンゲームボーイなど他のプラットフォームでもリリースされており、
“PCエンジンの定番野球ゲーム”というイメージにはならなかった。
その点、本作は5作目までPCエンジンでシリーズを重ね続け、
PCエンジン野球ゲームといえば「パワーリーグという印象付けに成功した。

 

ゲームモードはプレイヤー同士の対戦ができる「VS MODE」、
CPUと一試合だけ行う「OPEN MODE」、
全球団総当り戦の「PENNANT MODE」、
CPU同士の試合を観戦する「WATCH MODE」、
チームの打順などを変える事ができる「EDIT MODE」の5つ。

 

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球団は日本のプロ野球をイメージした12球団。
今回は「OPEN MODE」で伝統の巨人阪神戦を遊んでみよう。
俺様が読売ジャイアンツだ。

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巨人のスターティングメンバーは、
ミソタン(???)
コウヤ(???)
クラマティ(クロマティ?)
パパラ(原?)
キチムラ(吉村?)
キネヅカ(篠塚?)
マカハタ(中畑?)
ヤマクリ(山倉?)
クワチャ(桑田?)

 

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バッティング時はバッター後方視点だが、
ヒットした後は真上からの視点に変わる。
真上からだから捕球しやすいように感じたが、
実際試合をするとやたらと難しい。
俺様が攻撃のときは凡打が多いのに、
COMはガンガン野手の間をライナーで抜きまくる。
フライも落下地点がわかりにくい。
また、例えば1塁に送球したとして、
その球筋に別の野手が立っていてボールを取ってしまうという事が乱発。
結果・・

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「0対20」という大惨敗(^^;;;
慣れが必要な野球ゲームだなw

 

本作はハドソンが毎年行っていたゲームキャラバンの第4回タイトルとして発表され、
ファンをザワつかせた。
というのも、それまでのキャラバンは
スターフォース」「スターソルジャー」「ヘクター87」といった
シューティングのハイスコアを競い合う大会であり、
急に直接プレイヤー同士が対戦する野球ゲームが題材というのは突飛すぎた。
しかも2人1組のチーム戦という誰得ルール
そもそもキャラバンは毎年やってるんだから、
キャラバン向けにホームランコンテストモードとか計画しときなさいよ・・。(^^;
結果、やはり評判が悪かったのか、
パワーリーグ自体はシリーズを重ねるが、
その後キャラバンタイトルに採用される事は無かった。

 

余談だが「パワーリーグ」はなぜかX68000向けに移植されており、
「アウト」「セーフ」といったボイスをなぜか高橋名人が担当している。

 

本作はファミコンで「忍者ハットリくん」や「ファザナドゥ」を作った
ハドソンの奥野仁さんの作品である。