源平討魔伝
(ナムコ)
1990年3月10日/アクション/6800円
1986年10月にアーケードで稼働した「源平討魔伝」。
このゲームの存在は衝撃だった。
圧倒的に独特な世界観とオンリーワンのゲーム構成。
記憶に刻まれるゲームボイスと高品質のBGM。
まさに当時のAAAタイトルであった。
そんな本作が家庭で遊べるというのは全人類の夢であったに違いない。
その夢が叶えたられたのは1988年4月。
電波新聞社からX68000向けにアーケードと遜色ない移植度でリリースされた。
源平討魔伝はX68000の売り上げに貢献したとは思うが、
それにしてもそこに辿り着いたのは一部のエリートだけだ。
源平討魔伝をどうしても遊びたいファミコンユーザーは、
コナミの「月風魔伝」を代替品として飢餓状態を晴らしていたw
1988年10月にやっとファミコンで「源平討魔伝」が登場。
これでやっと民間人の元にAAAタイトルが降りてきたと思ったら、
ゲーム内容がガラリと変わり、
まさかのボードゲームだった・・。(^^;
「妖怪道中記」「ドラゴンスピリット」「ギャラガ'88」など
PCエンジンでアーケードの高再現を次々と実現していたナムコが、
ついにPCエンジンタイトル10作目にして「源平討魔伝」を移植。
4年目にしてついに念願が叶ったのである。
その後、プレイステーションの「ナムコミュージアム」に収録されるまで、
源平討魔伝はPCエンジン以外には登場していない。
ゲームをスタートさせると、三途の川の安駄婆からの激励。
このスタート演出もインパクト抜群だったよね。
ばばあ、よくしゃべるし。
主人公は源氏に滅ぼされた平家の平景清。
まずは地獄から脱出する。
源平討魔伝というゲームは、
サイドビューモード、ビッグモード、トップビューモードがステージごとに変わる。
この構成が冒険を起伏に富んだものにしていて楽しい。
地獄から出ると日本地図で次の土地へ。
サイドビューモードやトップビューモードでは、
出口の鳥居が複数あり、入る鳥居によってルートが変わってくる。
竹やぶを抜けた鳥居。
和の美しさと禍々しさ。
本作で最も印象深いのが弁慶戦だろう。
この巨大キャラとの対決がPCエンジンで実現できるなんて!
ボーナスステージでは観音様のばら撒く玉を掻き集める。
気持ちいい~。
このゲームで最も重要な要素が「剣の値」。
いわゆる攻撃力なのだが、敵を斬るたびに消費していき、
0になると刀が折れてしまう。
つまりこの値を高く保つ事が定石なのだが、
むやみにガードの堅い敵を斬りまくるとあっという間に減少してしまう。
的確に弱点を斬る、ときには斬らずに逃げる・・
としながら節約していく事が大切だ。
谷底へ落下すると、普通のゲームならミスとなるのだが、
このゲームでは「地獄へと落とされる」。
地獄をクリアすると再び地上に戻る事ができる。
いわゆる敗者復活戦だ。
このあたりも他のゲームには無いオリジナリティの部分である。
ダジャレの国。
開発スタッフの似顔絵とダジャレが表示されるという、
世界観無視の楽屋落ち的なネタ。
なんだか開発が楽しんで作っているのが伝わってきて、
マイナスには感じなかったね。
ゲーム中のどこかで入手できる三種の神器。
この3つのアイテムを集めないとクリアが出来ない。
攻略本を見なければほぼノーヒント。
どんなにアクションを上手くできても、
ゲームをやりこんで三種の神器の場所を発見しなければクリアできないという、
「ドルアーガの塔」のような謎解き要素が強いのも本作の特徴だ。
京都では迷路のような都の建物が。
そこに登場する平安京エイリアンw
三つ首竜との戦い。
日本神話のような光景。
これを倒すとその先に三種の神器の「草薙剣」がある。
これを取ると以降、敵を斬っても「剣の値」が減らなくなる。
今まで節約しながら斬っていた分、
いくらでもザクザク斬れるようになる解放感がたまらん。
駿河で富士をバックに。
いよいよ目的地の鎌倉へ。
いざ鎌倉。
源頼朝登場。
頼朝は2回変身するが、特に攻撃が激しくなるわけでもない。
ここに来るまで「剣の値」が高くなっていれば、
ザクザク斬るだけで倒せる。
なんとか頼朝を討ち取るものの、
目的を達成した平景清の体も消滅するのだった。
悲しい・・。
神様は死んだ
悪魔は去った
太古より巣喰いし
狂える地虫の嬌声も
今は、はるか
郷愁の彼向へと消去り
盛衰の於母影を
ただ君の
切々たる胸中深くに
残すのみ
、、、、、、、、、、、、、、、
神も悪魔も
隆立たぬ荒野に
我々はいる
監修
じぇい じぇい
たっきい
制作
やっぴい あさきち
しるきい
美術
はろ七〇〇〇
た~き~おはる
音響
あらびん
かげきよし
おまけ
あなぼう
うみ たいちゃん
アーケード版と比べたら、
描き込みが省略されていたり、
処理落ちやボイスのカットなども当然あるのだが、
それらが気にならないくらいリッチに感じられる移植だった。
PCエンジンユーザーは幸せ者だった。
本作でエンディングまで到達するのは難儀なのだが、
それはアクションの難易度というよりも、
やり込んで攻略ルートを編み出さなければクリアできないというだけで、
それらの正解を見つけられれば、強くなった景清に素直に斬られてくれる敵ばかり。
そういう意味ではアーケードよりも、
家庭用の方が向いているゲームだったのかも知れないね。
諸行無常。