やっぱりセガが好き第26回「シャイニング&ザ・ダクネス」

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シャイニング&ザ・ダクネス
(セガ)
1991年3月29日/RPG/8700円

 

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このゲーム登場時の印象は
メガドライブにも垢抜けたゲームがついに出るんだなぁ~」
だった。
RPGと言えば当時コンシューマ市場の花形だったが、
メガドライブのRPGと言えば
ファンタシースターシリーズ」とか「ヴァーミリオン」とか、
良くも悪くもセガセガしい臭気のあるゲームであったw
そこに王道感のある本作が登場。
本作を開発したのはクライマックス
クライマックスはドラゴンクエストスタッフを中心に設立した会社だ。
本作のプロデューサーとシナリオは
ドラクエIV」でプロデュース補佐だった高橋宏之さん
ディレクターは「ドラクエIII」と「ドラクエIV」で
チーフプログラマーだった内藤寛さんが務めた。
つまりどういう事かというと、
ファミコンでメガヒットタイトルを作っていたクリエイターが、
「ついにメガドライブでメジャータイトルを生み出す」
という期待を背負ってやってきたのである。
ついでに言うと本作のキャラデザは玉木美孝さん
俺様は玉木美孝さんの大ファン。
玉木美孝さんのタッチはデジタルゲーム向きで、
俺様の中では鳥山明先生と双璧だと思っている。
事実、玉木さんのタッチは本作から世に広まったと思う。
本作より前にエニックスのパソコンソフト
「ファングス」や「プラジェータ」なども描かれており、
俺様はその頃から玉木さんに着目していた。

加えてこのゲームはBGMも素晴らしい。
高揚感ハンパない王道ファンタジーの雰囲気がプレイを盛り上げる。
担当したのはゲームアーツ「ファイヤーホーク」の吉村政彦さん

 

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~ストーリー~
ここはストームサング。
雨と大地の恵み豊かなこの国は、かつて大暗黒時代を経験していました。
その長く苦しい抗争の間に、人々は互いに協力することを学び、
今ではストーム王のもとで平和に暮らしています。
そんなある日、年に一度の、平和と豊作を祝う祭りの日がやってきました。
祭りの日には、いにしえの神殿に穀物を祭り、髪に祈りを捧げます。
今年はストーム王の代役として、クリア王女が祈りを捧げることになりました。
そして護衛には、王宮ナンバーワンの騎士・モトレードが任命されました。
しかし、いつまでたっても王女は神殿からもどってこないのです。
いったい、何が起きたのでしょう?
心配になったストーム王は、部下をともない、神殿に向かいました。
そこには……なんということでしょう!
祭壇は荒らされ、兵士たちはことごとく殺されていたのです。
でも、王女とモトレードの姿は見当たりません。
失望にうちひしがれて引き上げ始めたとき、
ストーム王は何者かに取り囲まれていることに気づきました。
それは、もう何年も前にストーム国から追い払ったはずの闇の魔物たちだったのです。
命からがら逃げ帰ったストーム王たちは、
あの大暗黒時代が再び訪れるのではないかと怯え始めました。
国中が悲しみにくれる中、ひとりの少年が王の前に願い出ました。
彼はモトレードの息子で16歳になります。
「今回の事件は、父モトレードが同行しながら起きたこと。
父にかわって事件の真相を解明したいのです!」
こうして少年は、冒険の世界へと旅立ったのです。

 

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ゲームがスタートすると語り部のおじいさんが登場。
この人がセーブデータの選択や名前入力を案内する。
これがとても雰囲気が良くて、
その後のシャイニングシリーズでも受け継がれている。

 

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ゲームの舞台は城、町、ダンジョンという3箇所というシンプルな構成。
場所を選択すると回転しながら拡大!
色々と魅せようというサービス精神が素晴らしい。

 

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町に入ると360度の円周上に施設が配置されている設定で、
左右ボタンで少しずつスクロールさせて施設を巡る。
このゲームのこういう舞台劇的な場面構成は思い切りがいい。

 

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施設に入るとやはり主観視点で玉木さんキャラがお出迎え。
なるべくシステムまわりをシンプルに整理しているのは好感なのだが、
装備品の売り買いについては不便だったなぁ。
武器を選ぶまではそのキャラが装備できるものかどうかわからないし、
買ってから装備してみないと、
現在装備しているものより上なのか下なのかも比較できない。
また、持ち物がいっぱいのときに旧装備を下取りに出す事も出来ない。
なので一度店の外で装備を確認してメモを取ってから店に入り、
先に必要の無いものを売る・・という事をしなければならなかった。

 

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酒場は賑やか。
このカウンターにいるハッシュという狼族の男。
実は“灰色の悪魔”と呼ばれ恐れられる戦士。
のちに玉木さんがゲーム雑誌「メガドライブFAN」に連載していた漫画
「ドゥーム・ブレイド」の主人公である。

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玉木さんファンの俺様は今でも切り抜きをとってあるのだが、
この漫画は単行本化されていない。
作品の画集化などには消極的な玉木さん。
この貴重な作品の単行本化は人類の使命だろ、と思う。


…話をゲームに戻そうw

 

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ゲーム本編は3Dダンジョン探索である。
こちらもシンプルにまとまっている。
コマンドメニューが上下左右のアイコンに集約され、
方向ボタンで選択できるようになっているのもシャイニングシリーズの発明だ。

 

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ダンジョン内には水たまりやランプなどが設置されていて、
迷ったときの目印として機能している。
このゲームにはオートマッピング機能は無い。
それが「とっつきにくさ」と批判される事も多い本作だったが、
そもそもオートマッピングが一般化されたのはこれよりもっとあとの時代だ。
これまでの3Dダンジョンゲームは、
ゲームをプレイしながら方眼紙にマップを書いて冒険する・・
というのも遊びの一貫だった。
確かにオートマッピングがあればラクだが、
それによって失われた“遊び”がある事も忘れてはならない。
そもそもオートマッピング画面を見て探索できるなら、
3D画面いらないし、
それはもはやトップビューRPGではないか?という矛盾がある。


…話をゲームに戻そうw

 

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ダンジョンを探索していると、通路の角からカニさんが横歩きで登場!
こういうビックリする演出も魅力の一つ。

 

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仲間になるマリーンとビルボ。
戦士、僧侶、魔法使いの3人パーティで進める事になる。
魔法の種類も最低限で、それらのレベルが上がって強化される形。
覚えやすい。

 

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宝箱を開けると中からモンスターが這い上がってくる事も!
ミミック的な存在だね。

 

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ワールドマップからダンジョンに入ると最初に「古の神殿」というところに入る。
そこを経由して4つの洞窟(力、勇気、真実、英知)へと移動し、
それぞれスピリットというものを手に入れるのが当面の目的だ。

 

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真実の洞窟が見つからずに迷った。
とある行き止まりで「真実の玉」というのを使ってみると、
壁がモンスターの姿を現した!
西洋のぬりかべだ!

 

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クレア姫発見!
牢に囚われている!
とあるアイテムで仕掛けをはずすと・・

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ニセモノかーい!

 

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途中、NPCが戦力に加わる事がある。
戦闘中ときおり加勢してくれるが、町の施設に戻ると離脱してしまう。

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こういうちょっとしたイベントでのお芝居もホッコリするぜ。

 

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あるとき酒場に戻るとマリーンの母親とビルボの父親が待っていた。
とつぜん冒険に出たマリーンの尻を叩くマリーン母w

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冒険も中盤に差し掛かると「万屋」がオープンする。

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ここでは高価な装備品を購入できるだけでなく、
探索で拾ったミスリル銀などを加工したり、
壊れた装備品を修理したりしてくれる。


後半戦は神殿の上階へ向かう。

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後半になってくると落とし穴があちこちに仕掛けられていてイヤラシイ。
ロープ入手後は天井の穴から上へ登れたりもする。
これを利用しないと先へ進めない箇所もあるぜ。

 

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洗脳されていた騎士とのツラい戦いの末、
クレア姫の救出に成功!
いよいよメフィストとの戦いを残すのみ!!

 

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メフィストの待つ最上階へ向かう途中、
泉の精トレビーに「シャイニングナイツ」へと強化してもらう。
(シリーズの転職システムはこれが始まりだろうね)
シャイニングナイツはメフィストの力を弱体化するほか、
この泉に戻ってくると全回復してくれるようになる。

 

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いざメフィスト戦。

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メフィストは第二の姿に。

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第二の姿になるとさすがに強い。

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大ダメージを受ける全体攻撃などを毎ターン使ってくるので、
こちらも毎ターン、ビルボに回復魔法を唱えさせる。
つまりは消耗戦。
メフィストの体力か、ビルボのMP。
先に尽きた方が負ける・・。
結果、ビルボのMPが尽きた(^^;

これはもっとレベルを上げてから来る必要があるな。
そう考えた俺様は全回復できる泉まで戻り、その周辺でひたすらレベルを上げた。
同じ事を延々と繰り返すと眠気に誘われる。
レベルが60を超える頃にはほぼ意識不明の状態でゲームを進めていた。
「今日はもう寝よう。明日はメフイスト攻略でエンディングだ・・」
そう決めて電源を落とした俺様。

何をどう間違えたのか・・。
翌日に本作を起動すると・・。
セーブデータが消えていた・・・・・・。
うわ~ん!!!(TOT)

 


今回は未攻略で終わってしまったが、
エピローグは皆さんが実際にプレイして確かめて欲しい。
冒頭にも書いたが、本作は
メガドライブユーザー=ゲームマニア」という定説に惑わされる事無く、
実に丁寧に「ダンジョンRPGの入門編」として気を使った作品に仕上がっている。
それでもなお、「3Dダンジョン」というジャンル自体を普及させる事は難しく、
シャイニング&ザ・ダクネス」というタイトルの続編は作られず、
シリーズの続編は“シミュレーションRPG”という別のジャンルに移行したのだった。
それがまた傑作だったんだから、当時のクライマックスの勢いはハンパ無かった。

(そんな強力な援軍があってもスーパーファミコンに勝てなかったメガドライブ・・)