発売元:エニックス
発売時期:ドアドア/1983年2月、ドアドアmkII/1985年2月
定価:ドアドア/3800円、ドアドアmkII/5800円
機種:PC8801、PC-6001mkII
(そのほかFM-7、X1、パソピア7、PC60、MSX、MZ-1500、PC80、ファミコンなど)
~紹介~
当時、アーケードゲームを家で遊ぶというのはゲーマーにとって夢であった。
まだまだ表現力においてパソコンもコンシューマ機も貧弱であり、
ゲーマーは記号のようなキャラクターを動かし、
“アーケードもどき”のようなゲームでその想いを晴らしていた。
そんな中でPC8801という機種において
“アーケードゲームにも劣らないオリジナルゲーム”
という未踏の地へ最初の一歩を印したのが、
第1回エニックスプログラムコンテスト優秀賞を獲得した『ドアドア』だったのだ。
これによって8801という機種が注目を集めたといっても過言ではなく、
SR登場まではパソコンアクションゲームの代名詞的存在となっていた。
さて、そんな『ドアドア』だが、
中村氏自らが「パックマンを超えた」と自負しているほど
不朽的なゲームとは思えない。
限定されている移動ルート、主人公と敵との性能差、
ドアに閉じ込めるというアクションに要求される工程の手数の多さ、
といった要素がこのゲームをとても難解なものにしている。
当時のパソコンユーザーは寝食を忘れて本作に熱中したようだが、
それは時代的状況がそうさせたのでは無いだろうか?
それよりも、
丸っこくてカワイイキャラクターで統一されたグラフィックイメージに
人気を得た秘密があるように思える。
もしかしたらパソコンゲームで初めて
“ちゃんとしたキャラクターデザイン”がなされたゲームなのかも知れない。
この『ドアドア』は、
PC6001に移植するときに『ドアドアmkII』として生まれ変わった。
それが88用に逆移植されたのが『ドアドアmkII』である。
『ドアドアmkII』は不条理だった前作の難易度が見直され、
様々な改良が加えられている。
まず全体的にキュラクターが大きくなった。
それにより移動が楽になったのだ。
そしてステージもチュートリアル的なステージから始まり、
だんだん難しくなっていくような構成に調整されている。
また、ただ簡単になっただけでなく、
ジャンプする敵が新たに登場したりと、
“敵のアルゴリズムを読む”部分は洗練されたものになっている。
『ドアドアmkII』をもとに発売された
ファミリーコンピューター用ソフト『ドアドア』は、
記念すべきエニックス初のファミコン作品となった。
~ストーリー~
かわいいチュン君は、各々の頭脳を持った「ナメチャン」達に追いかけられています。
チュン君は、彼らをうまくだましてドアの中に閉じ込めたいのです。
道には釘やキャンディが落ちていたり、もう大変です。
~解体~
画面は横から見たもので、床と床がハシゴでつながっている。
画面にはドアがいくつか設置されており、
取っ手のある方向から移動するとドアが開く。
敵はジャンプで避ける事も可能。
ドアの中に敵を追い込んで、出てくる前にドアを閉めると排除できる。
全ての敵を排除するとステージクリア。
『ドアドア』は全20面構成、『ドアドアmkII』は全100面構成になっている。『ドアドアmkII』は、起動直後に音源設定(PSG音源orFM音源)、
残機設定(0-255)、開始ステージ設定(1面からor51面から)が出来る。
ステージ設定や音源設定はいいのだが、
残機設定はハイスコア狙いが燃えなくなるので蛇足かなと思う。
~攻略研究~
『ドアドア』は、最後の1匹になると
高速で(プレイヤーの3倍ぐらいの速さで)追跡してくる。
近くにいるとまず逃げられないので、
最後の1匹を残すときは、離れたところで処理しよう。
また、ドアに入った敵が復活する時間は思いのほか早い。
手間取ったら早めにあきらめるのが肝心だ。
~MEMO~
・このゲームの主人公チュン君という名前は、チュンソフトの社名の由来でもある。
・何が凄いって『ドアドア』のBEEP音を駆使したサウンドが凄い。
・ちなみに『ドアドアmkII』の移動音(FM音源版)はパックマンそっくりである。