モンスターワールドIV
(セガ)
メガドライブ/1994年4月1日/アクション/8800円
本作はモンスターワールドシリーズの第4弾であるが、
シリーズの系譜は少々ややこしい。
第1作目のアーケード版「ワンダーボーイ モンスターランド」は、
「ワンダーボーイ」の続編であるが、
「ワンダーボーイ」はモンスターワールドシリーズではない。
また、シリーズ3作目「ワンダーボーイV モンスターワールドIII」は、
ワンダボーイシリーズの5作目であるが、
「ワンダーボーイIII モンスター・レアー」はモンスターワールドシリーズではないw
さらに「ワンダーボーイ」のキャラクターを変更した「高橋名人の冒険島」は、
独自にシリーズが展開されており、
それらに言及するとそれだけで長文になるのでやめておこう。
わかりやすく分けると、
強制スクロールの純粋なアクションゲームなのがワンダーボーイの系譜で、
プレイヤーが移動して進行する成長要素やパズル要素の強い方が
モンスターワールドの系譜と覚えておこう。
そういったわけでメガドライブ向けに開発された「モンスターワールドIV」。
開発はこれまでのシリーズ同様にウエストンだ。
メガドライブ向けには2作目になるが、
前作はタイトルで「ワンダーボーイ」シリーズの5作目に数えられていたが、
本作のタイトルからは「ワンダーボーイ」が抜けている。
主人公が“ボーイ”ではないかららしいw
そう、本作の主人公はアーシャというアラビア系の女の子。
宝箱を開けるときにお尻を振ったり、
アニメーションがとてもキュートで、細部に至るまで演出されている。
操作しているだけで楽しいとはこの事だ。
また、アーシャだけのアクションは、
ジャンプ、刀による攻撃、盾防御・・ぐらいのシンプルなものだが、
相棒である“ペペログゥ”を使ったアクションが本作の大きな特徴となっている。
ペペログゥに掴まって滑空したり、二弾ジャンプに使ったり、
投げてスイッチ押させたり、凍らせてブロックにしたり、
噴火口に設置して土台にして飛び上がったり、隠し扉を発見させたり・・
と様々な用途に使ってステージ攻略を進めていく。
シリーズの1作目「ワンダーボーイ モンスターランド」は
アーケードゲームだったので
パズルとしての側面がアーケード向きでなかったり(終盤に辿り着いても詰まる等)、
意地悪な敵の動きで体力を無闇に削られたりしたが、
コンシューマ向けタイトルになった事でシリーズが良い方向にスマートになった。
前置きはこのぐらいにしてプレイを進めていこう。
まずは戦士としての称号を得るため王宮へと旅立つアーシャ。
旅の途中で青い勾玉が手に入るが、これを10個集めると青い体力が1つ増える。
赤い体力は装備を変更する事で増える。
両方合わせて全体の体力となる。
王女に謁見すると、4人の精霊が封じられてしまった事態を知る。
精霊を助け出すために4つのワールドをクリアしていくってわけだ。
まずは「ハンデラ火山」へ。
ペペログゥを抱えた状態だと、上から落ちてくる溶岩もへっちゃら。
岩で塞がっているところは爆弾を仕掛けて切り開く。
続いて「水の神殿」。
水道管に潜り込むアーシャの姿がかわいい。
バケツを入手したら特定の場所で火を消して進む。
3つ目は「ピラミッド」。
氷がテーマのステージで、床が滑って嫌な感じ。
2つのピラミッドをクリアすると、3つ目のピラミッドへ入れる。
それぞれ5種類の像を集めて、
とある場所に決まった順番で並べるとボス部屋が開く構造。
このステージは迷ったなぁ。
ソーサリアンを遊んでる感覚だった。
ちょっとかったるい。(^^;
最終面は「天空の城」。
魔法のじゅうたんで向かう。
おお!城が拡大してくるぜ!
城の中はアクション性が強く、手厳しい。
キャタピラのついたブロック岩にタイミングよく乗ったり、
落ちないように調整が必要なベルトコンベアーを乗り継いだり・・。
ダッシュを上手く使わないと間に合わなかったりして、何度もキレそうになる(^^;
時間制限のあるボタン扉とベルトコンベアーの組み合わせは
いくら終盤とは言っても酷いなーと思った。
体力がいくらあっても関係無いしね。
苦労が報われたときの達成感はわかるが、
「もう二度とやりたくない」と思わせちゃったら行き過ぎだ。
すべての精霊を解放して王宮に戻る。
性格の悪くなった王女とバトルしていると、
でっかくなったペペログゥが!
生きてたんかワレーっ!
いよいよ最終決戦。
王宮の地下深くにある要塞へ。
一本道なれど、その道は長く、これまでのボスやザコが待ち受けているので、
最終ボスのもとへ辿り着くまでに体力が削られる・・。
だがラスボスは適当に攻撃を避けながら上突きしていれば呆気なく倒せる。
本作は「“ペペログゥ”を使ったアクションが本作の大きな特徴」と書いたが、
なぜか最終ステージになるとそんなペペログゥと離れ離れとなり、
シンプルなアーシャアクションだけで進める事になる。
なぜこうしたのかわからない。
ペペログゥアクションの全てを駆使して切り抜けるステージ構成だったら
まとまりが良かったと思うが・・。
一作目のモンスターランドは敵とのバトルが苦戦するゲームだった。
敵がジャンプのタイミングを外してきたりとか、
ダメージで吹き飛んだ先で攻撃されたりとか。
だが本作は敵とのバトルはヌルい。
パターンさえ読んでしまえばほとんどの敵はノーダメージで倒せる。
ボスもパターンはシンプルだ。
それとは引き換えにマップ構成とパズル要素で難易度を高く設計している。
シリーズを重ねる上でその方がシリーズ向きという判断になったのたろう。
ただそれによって、装備を整えて戦闘がラクになっても、
ゲーム進行自体はラクにならず、
アクションRPGとしての側面はオマケ程度になっている。
世界観を変えて様々な機種で派生作品を生んだモンスターワールドシリーズだったが、
本作だけはリメイクされていない。
キャラクターデザインがシリーズ屈指の魅力で仕上がっているだけに、
ビックリマンや西遊記のキャラにはのせ替え難かったのではないだろうか?w
DIRECTOR
R.NISHIZAWA
PROGRAM
H.TOHYAMA
ART DIRECTOR
M.OHZORA
MUSIC
JIN W.
CG DESIGN
K.KOHYAMA
M.MORIOKA
T.SEKIYAMA
K.SAITOH
SPECIAL THANKS
MIE
YUI
MANUAL WRITER
Y.HIRATA
MODELER
H.NAKAJIMA
PHOTOGRAPHER
N.SUZUKI
SUPERVISOR
M.ISHIZUKA
PRODUCED BY
SEGA
WESTONE