発売元:マイクロキャビン
発売日:1983年7月
定価:3800円
機種:PC8801、X1、MSX
メディア:テープ
ジャンル:アクションゲーム
標準モード:V1Sモード/4MHz
(高く設定しても遊べるが、尋常じゃないスピードになる)
とても可愛い忍者くん、どうしても最上階へ行かなければならない。
しかし、七人の恐ろしい役人が、すきあらばと、忍者くんを狙っているのだ。
斬られずに無事、最上階へ到達できるかどうかは、君の腕次第!
プレイしている人も、見ているだけの人も、思わず声を上げてしまう程、
実に面白くスリリングなゲーム。
(パッケージ解説より)
このゲームはUPLがリリースした『忍者くん 魔城の冒険』とは違う。
関連性も無い。
マイクロキャビンが1983年7月に
PC-8801、X-1、MSXの3機種でリリースしたアクションゲームである。
ちなみに『忍者くん 魔城の冒険』は1984年のリリースだから、
むしろこっちの方が元祖であり、
タイトルをマネたとすればUPLの方だから勘違い無用である。
作者はM.TSUNEKAWAさん。
彼がどのような人物なのかは謎である。(何か情報があれば頂きたい)
彼が“忍者くん”である。
色白の好青年だ。
名前の通り彼は忍者である。
彼の能力それは…
“画面を左右に横切るだけ”である。
他にアクションは何もない。
手抜きゲームではない。
あえて狙ったシンプル・オブ・ザ・ベストなゲーム性なのだ。
その証拠にパッケージの裏には
『忍法“反射神経”』とうたってある。
“忍者くん”にかかれば、反射神経も忍法なのだ!!
[こんなゲームだ!]
これが『忍者くん』のアクション画面だ。
ゲームスタート時に最下層の左側に待機している“忍者くん(NINJA KUN)”。
吹き抜けになっている部分で上下に動いているのが“役人(YAKUNIN)”である。
吹き抜けが7箇所あるから、全部で7人。
つまり“七人の侍”である!(ムリヤリ拡大解釈)
この“役人”に当たらないように逆側へ走り抜ける。
これが一筋縄ではいかない。
それぞれの役人の移動スピードが違うからだ。
七人全ての動きを読んで飛び出すタイミングを計るのが
このゲーム最大の攻略ポイントなのである。
[レッツ!プレイ]
それでは改めてゲームをプレイしながら解説をしよう。
タイトル画面に簡単なストーリーが説明されている。
俺様の拙い英語力で翻訳してみると、
お前は忍者だ。
忍者の親分のために“SHADOW PRISON”(影の刑務所)に忍び込め!
という事になる。
おそらく最終地点に親分が捕まっており、
役人に捕まらないように辿り着けば良いのだろう。
忍法“反射神経”でな。
[攻略]
それでは『親分救出』の一大プロジェクトを実行する前に、
スコアについて触れておこう。
このゲームでは、以下のような“お宝アイテム”が登場する。
このゲームにはルート分岐の概念が無いので、
最終地点まで辿り着ければもれなくこれらをゲットする事になる。
一階層ごとに以下のようなタイムカウントが始まる。
“×100”から始まり“×10”で止まる。
アイテムを取ったときにここの表示分だけ得点が加算される仕組みになっている。
このゲームではアイテムを取ったときにしか得点が加算されない。
つまりは、この“ADDポイント”が高いうちに
階層を賭け抜ける事がハイスコア狙いのポイントとなる。
これが曲者だ。後で詳しく攻略するが、
このゲームの肝となるポイントは“スタートするタイミング”にかかっている。
なので得点狙いであわててスタートすると、ミスを誘発する事必至だ。
力押しの通用しないこのゲームでは、堅実に階層を登っていく事が重要なのである。
ただし、それでもハイスコアを狙いたいという人にワンポイントアドバイス。
ADDの倍率は、アイテムを取った時点の数値で加算される。
もしアイテムがスタート地点のそばにあるなら、
“先にアイテムを取っておいて即座にスタート地点に戻る”
という方法を使えば、高得点を取りながら慎重にゲームを進める事が可能である。
さて、ではゲーム本編に触れていこうか。
前述したように、このゲームはテンキーの
“6”右へ進む
“4”左へ進む
という操作しかない。
一度押すと一定スピードで進み、逆方向を押すと方向転換する。
その場に止まるという操作は無い。
7人の役人にぶつからないように
逆側のはじっこへ移動できると上の階層へ自動的に移動する。
ゲーム&ウォッチの『ヘルメット』に近いゲーム性だ。
(あれほどデジタルな動きではないが)
再びゲーム画面を見ながら考察を進めていこう。
1ステージに10階層あり、
最後の階層を走り抜ける事に成功すると次のステージへ挑戦となる。
7人の役人は、吹き抜けになっているポイントを縦に動いている。
役人のスピードはそれぞれ違う。スピードの速い役人と遅い役人がいる。
役人の移動する通路が吹き抜けになっている事でどういう事が起こるのか?
第1階層(及び第10階層)を移動する場合、
上(もしくは下)からやってくる役人を気にすればいいから楽である。
だが、第2階層~第9階層の場合、
通過後に走りぬけようとしても、
折り返して再び障害となるまでのタイムが短くなる。
特に難しいのが第5、第6階層で、
上下に対して第1階層と半分のスピードで役人が襲い掛かってくる事になるのだ。
忍法“反射神経”。
そのようにパッケージ裏に書かれている事は冒頭で書いたが、
実際のところ、このゲームで必要なスキルは反射神経ではない。
このゲームのアタリはシビアである。
キャラクターのアタリに遊びは無く、
1ドットでも触れると血をまみれになって死亡してしまう。
このゲームは、反射神経を使って役人を避けるゲームではない。
7人の役人の動きを一度に把握し、
飛び出す絶好のタイミングを見定める。
それこそこのゲーム攻略の真髄なのである!
後ろに戻れるのだから
役人一人ずつタイミングを見てクリアーしていけばよいではないか
と思われるかも知れないが、さにあらず。
役人にぶつかるからと道を戻ると、その手前の役人に瞬殺される。
実はこのゲーム、この死に方が一番多い。
見計らって進むが、動きの遅い敵にはばまれる。
少し戻って通過するのを待とうとすると、
動きの速い手前の役人の餌食となってしまう。
「手間:速い役人/奥:遅い役人」の組み合わせは要注意だ。
スタートダッシュする前に遅い役人のタイミングは厳重に見定めておく必要がある。
もう1つ注意が必要なのは、役人が3人以上同じスピードで並んでいるときと、
逆に同じスピードだが向きがまったくの逆のとき。
前者は駆け抜けるまでに役人が往復してしまうスピードである場合が多いし、
後者は1人目を避けられたとしても、
2人目に迎撃されてしまうタイミングとなってしまう場合が多い。
(特に上下の幅に差があるとき→第2階層、第9階層など)
とまあこんな感じでこのゲームはスタートタイミングが命なのである。
正確な計算が直感的に出来る能力、それこそがこのゲーム攻略に必要なのだ!
このゲームの攻略は一言であらわす事が出来る。
“待てば海路の日和あり”
である。
7人の動きを観察し続けろ!
そしてどのタイミングで飛び出せは生き残れるのか心眼で見極めろ!
さらに言おう。どんなタイミングで飛び出しても絶対に死ぬ場合がある。
その場合は待て!ひたすら待て!
実は役人達は、待っていると役人それぞれのスピードが変化する。
変化した事によって通れなかったものが通れるようになっているかも知れない。
それでも無理なら次の変化を待てばいい。
“待てば海路の日和あり”だ!
とにかくこのゲームは難しい!
このゲームで攻略記事を書こうと
10数年ぶりに掘り出してプレイしてみたものの、
いっこうに先に進む事は出来ない。
このゲームを手に入れた当時は
第2ステージまで進めた記憶があるが
果たしてステージがいくつあるのだろうか?
このゲームにはコンティニューなんて生温いものはない。
5つの残機が尽きるとステージ1の第1階層からやり直しである。むごい。
ステージ1をクリアーすると、3000点のボーナス獲得。
ステージ2ではなんと…下の一段が無くなっていた。(^^;
もしかしてこのまま1段ずつ無くなっていき、
10ステージまであるのでは無かろうな?(泣)
果たしてこのゲームをクリアーできた人はいるのだろうか?
攻略ページなのだから、“親分”を救出していないとウソである。
とりあえずここでは未完としておき、チマチマと挑戦を続けていこうと思う。
いつか“親分”に逢える日を願いつつ…。
未完