“ウルヴァリン”とは
ウルヴァリンとは、マーベルコミックにより生み出された
スーパーヒーローの一人である。
主な登場作品に『X-メン』がある。
ハリウッドで映画化された『X-メン』では、
ヒュー・ジャックマンが彼を演じていた。
映画はシリーズ化され、ウルヴァリンを主役にしたスピンオフ作品も制作された。
その映画とのタイアップで作られた同名タイトルのゲームが、
本作『X-Men Origins: Wolverine』なのである。
(日本では『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』というタイトルで公開)
ウルヴァリンの魅力はその獰猛な性格と、
鋭いツメによる妥協なき攻撃性にあると言えるだろう。
このゲームでも、ウルヴァリンは容赦なく敵を切り裂く。
この残酷表現は日本の市場では販売許可が下りないのではないかと思う。
また、残念ながら、欧米ほど日本でアメコミヒーローの人気はない。
アベンジャーズのようにヒーロー大集合映画で初めて興行が成り立つぐらいだ。
本作のように単体ヒーローのみ登場するゲームは
なかなか日本販売まで辿り着かないのである。
概要
X-Men Origins: Wolverine
2009年5月発売
Activision
XBOX360用ソフト
三人称視点のアクションゲームだ。
プレイヤーはウルヴァリンを操作して
ストーリーに沿ってアクションを体験していく。
基本的にウルヴァリンはツメで攻撃する。飛び道具はない。
ツメで相手の腕や首を斬り落としたり、ツメを貫通させたり、
様々なツメアクションが詰め込まれている。
ボタンの組み合わせで発生するコンボのみならず、
メニューボタンで発動する必殺技や、
R1ボタンでロックオンした敵にL1ボタンで飛びかかったりも出来る。
壁渡りや綱登りなどを利用してルートを開拓する
『トゥームレイダー』風のアクションパズルになるシーンもある。
ウルヴァリンにはレベルの概念がある。
敵を倒したり、死体のタグを奪う事で得るEXPが集まるとレベルアップだ。
レベルアップで貯まったポイントを使って
スキルに割り振ると性能が向上する仕組みである。
ストーリーの基本設定は映画と同じだが、展開が同じなのは最初と最後だけで、
パラレルワールドと思って良いだろう。
ミスティークが絡んできたり、センチネルとの対決があったり、
ほぼオリジナルストーリーと言っても良いだろう。
ちなみに映画と同じキャストは俳優の顔を再現したものになっている。
ヒュー・ジャックマンなどはかなり似ていて気持ち悪いぐらいだw
なお、本作はマルチプラットフォームで製作させていて、
PS3版、Wii版、PC版、DS版もあるようだ。
DS版てどんな内容なんだろ?(^_^;
魅力と欠点
魅力はウルヴァリンのアクションそれに尽きる。
このゲームの部位欠損描写は凄まじいが、
ウルヴァリンのキャラを再現し切れているためか、
残酷表現が気分の悪いものに見えない。
アクション表現にこだわり過ぎると、
ゲームとしての操作感が失われがちになる。
プレイヤーが操作しているというよりも、
アクション再生ボタンを連打しているような気分になる。
が、本作は地に足のついた操作感をビジュアルと同時に実現させており、
とても優れたものになっている。
特にロックオンした敵に飛びかかるアクションは、
ウルヴァリンならではの発明と言っても良いだろう。
(余談だが、このゲームの主人公を南斗水鳥拳のレイにしてプレイしたいw)
欠点はとにかく“長いこと”だ。
ウルヴァリンのアクションは素晴らしいのだが、
そのアクションだけでは興味が持続しないほど長い。
後半はほとんど嫌気がさしていた。
アクションに変化が無くても
ステージ構成で新しいものを提供してくれれば良かったのだが、
アイデアは前半部分に登場したものの流用ばかり。
特にジャングルでの回想シーンが何度も何度も繰り返されるのは間が悪過ぎ。
無理矢理プレイ時間を引き延ばしているとしか思えない。
また、ゲームの盛り上がりとして考えても、
センチネルとの超空中決戦をファイナルバトルにした方が
納まりが良かった気がする。
逃げるガンビットを延々と追いかけるステージとか、
映画と同じ展開を物凄いはしょり方で駆け抜けたラストとか、蛇足に思える。
蛇足と言えば、激しいアクションが魅力のゲームなのに、
じっくり考えさせる『トゥームレイダー』もどきのパズルステージが
突然挟まるのも蛇足だろう。