わが青春のPCエンジン(4)「THE 功夫」


THE 功夫
(ハドソン)
1987年11月21日/横アクション/4900円

NECとPCエンジンを共同開発したハドソンにとっては、PCエンジンの性能を世の中に知らしめるタイトルを投入する必要があった。
そのベンチマークとも言えるタイトルで最もわかりやすいのが本作だろう。
巨大なキャラクター同士がブラウン管を占めて格闘する。
ファミリーコンピューターでは出来ないこと」をわかりやすくアピールするのにこれ以上のものは無かった。
(CD-ROMROMでは「NORIKO」あたりがその役目を負っていた)
 
ゲームは「スパルタンX」をよりシンプルにしたような感じ。
自動的に画面右へと進んでいくブルース・リー似の主人公。
1ボタンはパンチ、2ボタンはキック。
方向ボタンの上でジャンプ。下でしゃがみ。
しゃがむとスクロール(前進)を止める事ができる。
これらの組み合わせで敵の間合いをはかって攻撃を当てたり避けたりする。
しばらく進むとボスが登場し、勝つと次のステージへ。
 
キャラクターを大きくしたのはいいけど、それの犠牲としてキャラクターのパターンや種類は極めて少ない。
人間のザコはフードをかぶった手も足も出さない体当たりだけの1種類のみ。
あとは虫みたいな細かいものが飛ぶだけ。
これが色替えで各ステージに配置されており、どんなに進んでも変化が無いように感じる。
(ボスですら色替えで何度も出る)
 
ボス戦でのみ必殺技が使えるが、ボスから連続で攻撃を受けないと出せないという特殊な設計。
ただでさえ消耗戦のゲームであり、たまに出る烏龍茶でしか回復しないので、この設計はどうかと思う。
ちなみにステージクリアしても体力は回復しない。
 
キャラクターはカンフー映画で見たことのある面々をモデルにしている。
ステージ1のボスはおそらく映画「バトルクリーク・ブロー」に出演したハードボイルド・ハガティだろう。
他にもジャッキー・チェン似、酔拳の師匠似などがボスとして登場する。
 
とにかく「家のゲーム機でデカいキャラが動く」というだけのソフトであるが、PCエンジンの凄さを体感できるという意味はあったように思う。
当時もそれなりに盛り上がれた気がするし。
まず最初に「THE 功夫」でダイナミックな画面を体感したあとに本格的に「ビックリマンワールド」で遊ぶ・・的なスタイルだったと記憶しているw

PCエンジンのハドソンタイトルにはナンバリングがされており、本ソフトは「Vol.1」となっている。
が、本作はPCエンジン本体同時発売には間に合わず、ロンチタイトルはVol.2の「ビックリマンワールド」とVol.4の「上海」のみであった。
(ちなみにVol.3は1987年12月28日発売の「ビクトリーラン」だ)