わが青春のPCエンジン(108)「大旋風」

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大旋風
(NECアベニュー)
1990年12月14日/縦シューティング/7200円

 

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1989年に東亜プランがアーケードでリリースした
縦スクロールシューティングの移植。
移植を担当したのは、「センターテック」
大旋風は半年前にメガドライブにも移植されていて、
そちらの開発は東亜プランが行っている。
「センターテック」がどんな会社だったのか残念ながら情報無し。
(知っている方がいたらコメント欄によろしく)

 

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多くの縦シュー同様に本作もオリジナルの縦長画面から、
6:4の横画面で再構成されている。
ちなみにIボタンを押しながらソフトを立ち上げると、
縦画面モードで遊ぶ事もできる。

 

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自機は旧日本軍の「鍾馗」がモデルだが、ストーリー的には架空の戦争を描いている。
敵は全て地上の戦車。
攻撃は正面へのショットのみで、パワーアップアイテムを取ると、
ショットの横幅が広がる。
最大までパワーアップするとかなりの横幅になって、ちょっと気持ちいい。

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このゲームにはショットボタンの他にヘルパーボタンというものがある。
これを押すと6機の支援機が飛んできて自機のまわりでフォーメーションを組む。

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支援機に敵の弾が当たるとその機体は特攻する。
さらにフォーメーションを組んだ状態でもう一度ヘルパーボタンを押すと
全ての支援機が特攻していく。
なんという哀しきシステム!!
フォーメーションを組んだ状態で弾を避け続けるのは不可能なので、
特攻するために出動したのも同じという支援機。
支援機を呼べるのは初回では2回のみ。
このカウントはなかなか増えないので、ゲーム中に使う機会はほとんど無い。

 

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本作にはステージの概念がなく、ときおり登場するボス級の敵が区切りとなっている。
だが、このボスを倒さないと先へ進めないわけではなく、
しばらく攻撃に耐えているとスクロールが進んでやり過ごす事が可能。

 

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このように超がつくほどシンプルなゲームで、
そんな一切の無駄の無い淡麗系のプレイが魅力のタイトルになっている。
あまりにシンプルなので「タイガーヘリ」などと同様に
東亜プランの初期作だと思われがちだが、
本作は究極タイガー」や「TATSUJIN」よりも後の作品だ。

 

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最後の巨大戦車との戦い後にエンド画面がメッセージのみで表示。

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直後に2周目が始まる。
エンドロールは無し。

 

本作から約8ヶ月後。
「大旋風カスタム」というタイトルでロムロム向けに再びPCエンジンで登場。
「大旋風カスタム」はBGMがCD音源版になった以外に、
ステージクリア形式の全7ステージ構成となり、新しいボスも追加されている。
(定価はこちらの方が400円安い)

カレー番長への道 ~望郷編~ 第301回「CLOVE」

明後日15日、いよいよ新宿の「紀伊國屋ビル地下名店街」が改装工事で閉鎖される。
新宿のソウルフード「モンスナック」が無くなってしまう事は以前にお伝えした通り。
覗いてみたらやはり「モンスナック」前は長蛇の列だったし、
「モンスナック」以外の店も列が出来ている店が多かった。
昭和の味を舌に記憶させようと滑り込みセーフを求めて来ているのだろう。
そんな俺様が入った店はこちら。

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スタンドカレーの「CLOVE」
実はこの店、改装工事が開始されても営業が続く店舗である。
ここまでやってきてこの店に入るのは俺様くらいで、
客は俺様しかいなかった。(^^;

 

この店のカレーは4種類。
「タマネギ丸ごとスパイシーカレー」「ラム仕立てのオニオンカレー」
「ホクホクのひよこ豆カレー」「いろどり野菜を食べるカレー」
俺様は「ラム仕立てのオニオンカレー」ライス大盛りで注文。
950円を先払いしてカレーを待つ。
やがてカレーがやってきた。

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カレーを口に入れてビックリ。
カレーが甘い!
ヨーグルトが入っているらしい。
そこに玉ねぎの甘みとラム肉の独特な香りが加わってこの甘さになっている。
他では食べられない独創性のあるカレー。
スタンドカレーでこういうカレーがあるのはビックリした。

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勉強になるなぁ。
ラムの味もしっかりするので、ラムが苦手な人には向かない。
今度は「タマネギ丸ごとスパイシーカレー」を食べてみようかな。

やっぱりセガが好き第32回「ファンタシースター」

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ファンタシースター
(セガ・エンタープライゼス)
セガ・マークIII/1987年12月20日/RPG/5000円

 

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セガが家庭用ゲーム機「セガ・マークIII」向けに開発した
初のオリジナルRPGである。
時代背景を少しだけ補足しよう。
ファミリーコンピューター
ドラゴンクエスト」1作目が発売されたのが1986年5月27日、
そして「ドラゴンクエストII」が1987年1月26日。
1987年はパソコンでは
イース」「ソーサリアン」「ハイドライド3」が発売されており、
家庭用ゲーム市場には“RPG”という大きな波が押し寄せてきていた。
家庭用ゲーム機を販売するメーカーであるセガも、
この波に乗らざる得なくなっていた。
だがセガアーケードゲームで最新基盤を使って
バリバリのアクションゲームを作る会社である。
アーケードゲームには存在しない“RPG”というジャンルは、
まったくの畑違いであり、ノウハウも皆無だった。
そんなセガが手探りで生み出したのが本作「ファンタシースター」なのである。
ちなみに本作発売の2日前にファミコンで「ファイナルファンタジー」が発売し、
翌年の2月には「ドラゴンクエストIII」が発売している。

余談であるが、本作が「セガが開発した初のRPG」と言うと間違いで、
1987年3月にSG-1000向けに移植された「ザ・ブラックオニキス」、
同年10月にマークIII向けに移植された「覇邪の封印」はセガ開発である。
(いずれも原作となるパソコン版はセガ開発ではない)

 

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AW 342年 春
パルマ星 カミニート居住区

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ラシーク様の事をこそこそと嗅ぎ回りやがって。
これからはせいぜい大人しくしている事だな。

兄さん。なにがあったの。
しっかりして。

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アリサ。聞いてくれ。
ラシークはこの星に巨大な災いを招いてしまった。
世界は破滅に向かっている。
俺はラシークが何を企んでいるのか探っていたんだ。
けど、俺一人ではどうする事もできなかった。
旅の途中、タイロンという強い男の噂を聞いた。
彼と一緒ならラシークを倒し、平和を取り戻す事ができるだろう。
アリサ。俺はもうダメだ。
お前一人を残していく俺を許してくれ。

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アリサは兄さんの命を無駄にしないために戦いに行きます。
きっと見守っていてね、兄さん。

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と、こんな感じで物語は始まる。
主人公はプロローグで死んだ男の妹アリサ
どうやら国を支配しているラシークというのを倒すのが目的のようだ。
このゲーム最大の特徴は、剣と魔法が存在するファンタジー要素がありながら、
スターウォーズのようなSFの世界観で構成されている事だ。
ロボットや宇宙船が登場するような独特の世界観は、
ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」とは
はっきりと差別化されたゲームとなっていた。

 

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町やフィールドはトップビューで表現されている。
フィールドを歩いているとモンスターが出現。

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モンスターとはコマンドバトルで戦う。
勝利すると経験値やお金が手に入り、
レベルアップや装備の購入で強くなっていくというオーソドックスなスタイル。

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またプレイ中にどこでもキャンプ画面を開く事ができる。
ここではキャラクターの強さを見たり、アイテムを使ったり装備したり、
その箇所を「調べる」したりする。
鍵を使って扉を開けたり、乗り物に乗り降りしたりするのもこの画面で行うのだが、
いちいちアイテムリストを開いて選ぶのは面倒臭い。
入手してたらどうせ使う場所は決まっているのだから、
カギやマシンは「持ってたら自動的に使う」で良かったように思う。

 

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ダンジョンの中に入ると3Dマップに切り替わる。
これが高速でなめらかに動いており、
マークIIIなのにここまでキレイに動くなんて凄い!」
と見るものを驚かせた。
ダンジョンはシンプルな構成のものが多いが、マッピングしないと迷う。

 

冒険を進めていくと、マスコット的な生物ミュウ、
ゴリマッチョな戦士タイロン、魔法使いのルツが仲間になり、
4人パーティとなる。

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それぞれ装備できる武器や防具が違うので、
計画的なお金を貯めて装備を充実させていこう。

 

このゲームは体力回復に病院を利用するのだが、
普通に利用しているとかなり高額。
一人ずつしか回復させてくれない上に減った体力や魔力の分だけ値段が高くなる。
なので病院を利用する前に回復魔法で全員の体力を全快させておき、
魔力の減っている仲間だけ回復させると安上がりだ。

 

本作はバッテリーバックアップに対応しており、
キャンプ画面でどこでもセーブ可能だ。
このゲームはパーティが全滅するとタイトル画面に戻ってしまう。
なので抜け出せないピンチのシーンでセーブしてしまうと、
ハマってしまう危険がある。
複数セーブが出来るので、
別スロットで町の前でセーブしておくなどの保険をかけておこう。

 

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ゲームが進んでくると、水上を走行できるロームーバー
砂漠のアリ地獄の上でも走行できるランドマスター
氷の壁を粉砕できるアイスデッスーなどが手に入る。

また、スペースシップが手に入ると、
バルマ星、モタビア星、デゾリス星という
3つの星を行き来する事ができるようになる。

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なんだかスケールのデカい冒険をしている気分になれる。
このアイデアは素晴らしい。

 

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なんやかんやあって、ラシークのいる浮遊城へ。

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半年前に発売された「イース」以来、
ゲーム業界は空に浮かぶ城や大陸が大ブームにw
おそらくは本作もそのブームに乗ったクチであろう。
(そんなイースは「天空の城ラピュタ」から着想を得たようだが)

 

ラシークの城は思ったよりシンプルで、道なりに進んでいけばいい。
ダンジョンの複雑さで言えばこの城に向かう前の
「バヤマーレの塔」がピークだったね。

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そしてなんとかラシークを撃破。
討伐を報告するため提督府へ。
すると提督が悪の精神体ダークファルスに憑依されていた!

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魔力が尽きるギリギリで撃破に成功。

 

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TOTAL PLANNING
OSSALE KOHTA(林田浩太郎)

STORY BY
APRIL FOOL

SCENARIO WRITER
OSSALE KOHTA(林田浩太郎)

ASSISTANT COORDINATORS
OTEGAMI CHIE(青木千恵子)
GAMER MIKI(森本三樹)

TOTAL DESIGN
PHOENIX RIE

MONSTER DESIGN
CHAOTIC KAZ(柴田和幸)

DESIGN
ROCKHY NAO(大島直人)
SADAMORIAN(貞森康毅)
MYAU CHOKO(川口貴子)
G CHIE
YONESAN

SOUND
BO(上保徳彦)

SOFT CHECK
WORKS NISHI

ASSISTANT PROGRAMMERS
COM BLUE
M WAKA(若山雅弘)
ASI

MAIN PROGRAM
MUUUU YUJI(中裕司

PRESENTED BY
SEGA

 


昔のゲームにしてはそれほどレベル上げも苦労せず、
順を追って進めていけばレベルが足りずに進行が止まる事も無かった。
魔法や装備の種類は少なく、プレイに選択肢が生まれない。
戦闘で使うべき魔法も決まってくるので単調だ。
(ボス以外はほぼ連打でいける)
間違えると進行不能になる箇所もいくつかあり、
全体的に一世代古い完成度のRPGという印象だった。
このあたり、RPG開発のノウハウに欠けるセガの苦悩が伺える。
本作の価値はマークIIIなのに遊べるRPGという点にあり、
セガハードでしか遊べないからこそ語り継がれるゲームになったと思う。

 

さて、本作を再プレイするにあたり、
Switchでリリースされた「SEGA AGES ファンタシースター」を使った。
これが神移植
ただ当時のゲームプレイを再現しただけでは無かったからだ。

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プレイ画面のサイドに追加でオートマッピング画面と
パーティの体力と魔力、所持金が常時表示されており、
これがプレイをめちゃめちゃ向上させている。
特にオートマッピングの存在はクリティカル。
原作では紙にマッピングしながら進めていたわけだから、
その便利さは理解できるだろう。
また、ポーズ画面では魔法やアイテムのリストが見る事ができ、
買い物時や魔法を使うときなどに重宝した。
ここまで快適だともう原作版は面倒臭くて遊べない。(^^;

プロレス回顧録(09)「'90スーパーファイトIN闘強導夢 ラリー・ズビスコvsマサ斎藤」

生観戦した中でマサ斎藤のベストマッチは何だろうと考えた。
マサさん自身の大一番は巌流島決戦なんだと思うけど、あれは生観戦してないしな。
となるとやはり1990年2月10日に開催された東京ドームにおける
ラリー・ズビスコが思い浮かぶ。
「'90スーパー・ファイトIN闘強導夢」は新日本プロレス2回目のドーム興行で、
波乱の中で開催までこぎつけた奇跡の大会だった。
プロレス回顧録第6回でも触れたが、
メインとしていた「ザ・グレート・ムタvsリック・フレアー」がキャンセルとなり、
坂口征二ジャイアント馬場に交渉して、
全日本プロレスの主力が参加する事になった奇跡。
それによってドーム大会後半はプレミアムカードが並び立つカードとなった。

第7試合 ジャンボ鶴田谷津嘉章vs木村健吾木戸修
第8試合 天龍源一郎タイガーマスクvs長州力ジョージ高野
第9試合 ビッグバン・ベイダーvsスタン・ ハンセン
第10試合 北尾光司vsクラッシャー・バンバン・ビガロ
第11試合 アントニオ猪木坂口征二vs橋本真也蝶野正洋

これら黄金カードによってチケットは飛ぶように売れたわけだが、
ここで前半戦のカードも見てみよう。

第1試合 飯塚孝之vs松田納
第2試合 ペガサス・キッド佐野直喜vs獣神サンダーライガー&野上彰
第3試合 ヒロ斉藤後藤達俊保永昇男vs小林邦昭星野勘太郎馳浩
第4試合 ブラッド・レイガンズvsビクトル・ザンギエフ
第5試合 スティーブ ウィリアムス&サルマン ハシミコフ
第6試合 <AWA認定世界ヘビー級選手権試合>マサ斎藤vsラリー・ズビスコ

勝負を賭けたドーム大会のカードにしては地味だ。
第1試合でヤングライオン対決。続いてジュニア戦、ブロンドアウトローズ、
レッドブル軍団のシングル2連戦と続く。
悪いカードではないが、両国クラスの普段着のカードである。
そして前半を締めくくるのがAWA認定世界ヘビー級選手権を賭けた
マサ斎藤vsラリー・ズビスコである。
マサ斎藤のゴツい体とレスリングに裏打ちされた説得力は
知れ渡るところではあったが、
このときすでに47歳で、第一線の選手という認識ではなかった。
(ちなみに老けてはいるがラリー・ズビスコは当時36歳w)
実はこの試合、最初からマサ斎藤がマッチングされていたわけでは無かった。
ラリー・スビスコのベルトに挑戦する予定だった藤波辰爾が腰痛で欠場
代打による出場であった。
そうなるとこの試合はAWA王者の顔見せ的なカードであり、
マサ斎藤は良い引き立て役に終わるだろうと思っていた。
それだけ注目度は低かったわけだ。

AWAという団体の抱えていた選手は昔ながらのオールドスタイルの選手が多く、
このラリー・ズビスコも典型的なAWAタイプの選手。

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この試合中も特にオリジナリティのある動きを見せるでなく、
出したこれという技はブレーンバスター、シュミット流バックブリーカーぐらい。
グランドでも終始マサ斎藤レスリングが圧倒しているように見えた。
そして監獄固めが決まったときの気合の入ったマサ斎藤の表情!

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このあたりから異変を感じていた。
あれ?マサ斎藤AWAベルトいけんじゃね!?と。
そこから痛めたラリー・ズビスコの膝裏を蹴り上げるマサ斎藤
そしてバックドロップで叩きつける!

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技の合間合間でボディランゲージを織り込んで試合を盛り上げるマサ斎藤
マサ斎藤って、ガチガチのストロングスタイルに思われがちだけど、
このひとがスタイルを確立したのってアメプロだからね。
オールドスタイルのアメプロへの対応はピカイチだ。
そしてラリー・ズビスコのパンチを耐えるパフォーマンスからの
張り手倍返しで盛り上がるドーム!
最後はドロップキックをかわしてからのバックドロップ、
直後のスモールパッケージでピン!
まさかのマサ斎藤AWAベルト戴冠にドームは大熱狂!
47歳にして大きな仕事を成し遂げたマサ斎藤
とてつもなく頼もしく見えた一戦であった。

余談だけどマサ斎藤の入場テーマ「THE FIGHT」がめっちゃカッコイイ曲なんだよ。
この曲は1987年に公開された映画「オーバー・ザ・トップ」に使われた曲で、
映画でもスタローンが試合に向かう良いシーンで使われている。
ちなみにこの映画で脚光を浴びてプロレス入りするスコット・ノートンは、
マサ斎藤が新日本にブッキングしてレスラーとして成功していく。
そしてマサ斎藤引退試合の相手を務めたのだった。

ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(98)

さて、これまでネオジオで発売されたタイトルを時系列に97本まで紹介してきた。
ひとまずここまでを一区切りとしたいと思う。
というのも、ここから以降のネオジオゲームは、
俺様自身が未プレイのものや、
レビューできるほど遊んでいないものが増えてくるので、
時系列で漏らさず紹介していく事が困難なためだ。
そこで残りの歴史をダイジェストでザッと追っていこうと思う。

 

2D格闘ゲーム市場では先駆者のカプコンをも凌ぐ勢いを見せたSNK。
1998年9月23日に発売されたザ・キング・オブ・ファイターズ'98」でも
その勢いは健在だった。
だが、ネオジオを普及させる目的だったネオジオCD、
3D時代に乗り遅れまいとしたハイパーネオジオ64と、
ハード戦略はいずれも思い通りには行かなかった。
だがSNKはさらなる攻めの一手を持っていた。
1998年10月28日に
「I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる」
のキャッチコピーで
ネオジオポケットという携帯ゲーム機を発売してきたのだ。
BOYを捨てるのBOYとは「ゲームボーイ」の事を指すのは明らかで、
すでにスペック的に苦しくなってきたゲームボーイを押し退けて、
携帯ゲーム市場を取りに行ったのである。

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ところがこのネオジオポケットも順調な船出とはいかなかった。
ネオジオポケット発売の1周間前にゲームボーイカラーが発売。
ところがネオジオポケットモノクロ8階調
これで本当に勝負できるのか?と最初から不安を掻き立てた。
しかもSNKは上位機種のネオジオポケットカラーを年内に発売する事を
ネオジオポケット発売前に発表。(実際にリリースされたのは翌年3月)
そんな状況で売れるわけない(^^;
ネオジオポケット買う気満々だった俺様でさえ、カラー発売まで待ったぐらいだ。

安く売るために読み込み時間に耐えられないハードになった「ネオジオCD」、
2D格闘ゲーム最強ハードなのに
3Dゲームしか出さなかった「ハイパーネオジオ64」、
そしてこのネオジオポケット
SNKってなんでこんなに
ハードの売り方下手だったん?(^^;;

 

翌年、ネオジオでリリースされたタイトルは、
1999年1月28日「幕末浪漫第二幕 月華の剣士月に咲く華、散りゆく花」(SNK)
1999年5月27日「メタルスラッグX」(SNK)
1999年9月23日「ザ・キング・オブ・ファイターズ'99」(SNK)
の3本。
ハイパーネオジオ64、ネオジオポケットへと開発リソースを割いた事と、
前年まででネオジオからサードパーティが急速に撤退したためと思われる。
なお、ハイパーネオジオ64向けには
5月21日にリリースされた「武力 ~BURIKI ONE~」が最後となっている。
ちなみにこの年にはアーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」が廃刊
ゲームセンターがビデオゲームの花形だった時代の終焉を感じさせる年であった。

 

翌年の2000年もリリースされたのは3本。
2000年2月25日「餓狼 MARK OF THE WOLVES」(SNK)
2000年6月1日「メタルスラッグ3」(SNK)
2000年12月21日「ザ・キング・オブ・ファイターズ2000」(SNK)
餓狼伝説は「餓狼 MARK OF THE WOLVES」でシリーズに幕を閉じた。
この年、ネオジオCD、ハイパーネオジオ64、ネオジオポケット
そしてアミューズメント施設「ネオジオワールド」の大赤字など、
度重なる失策によって既にバベルの塔は崩壊していた。
パチスロメーカーであるアルゼから資本注入を受けて子会社となるが、
それでも立ち直るには傷が深すぎた。

 

翌年にネオジオでリリースされたのは
2001年10月25日「戦国伝承2001」の一本のみ。
このゲームが発売された5日後、
2001年10月30日、SNKは経営破綻により倒産となる。
負債総額380億円。国内ゲームメーカーの倒産劇としては最大級と言われている。

 

ネオジオポケットは倒産前の2001年9月13日に
SNK VS. CAPCOM カードファイターズ2 EXPAND EDITION」(カプコン/SNK)
が最後のゲームソフトとして発売されている。
それまでに発売されたタイトルは計82本。
振り返ってみると、サードパーティからビッグタイトルが出るわけでもなく、
SNKがこれまで得意として来なかった
デフォルメチックなゲームが量産されるマイノリティなゲーム機だった。

 

SNKの残した権利は競売にかけられ、プレイモア社が落札
2002年以降もネオジオへのタイトルリリースは続き、
2002年3月14日「ザ・キング・オブ・ファイターズ2001」
2002年6月13日「メタルスラッグ4」
2002年9月26日「レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ」
2003年5月29日「新・豪血寺一族 闘婚 -Matrimelee-」
2003年11月13日「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS
2003年12月11日「サムライスピリッツ零」
2004年2月19日「メタルスラッグ5」
2004年3月11日「ザ・キング・オブ・ファイターズ2003」
2004年7月15日「サムライスピリッツスペシャル」
といったものがリリースされている。
プレイモア社はその後社名を「SNKプレイモア」「SNK」と変えている。
倒産したSNKとの法的関係は無い。

 

格闘ゲームブームの初期から14年もの間、
“家庭で遊べるアーケードゲーム”という環境を提供し続けたネオジオ
そしてそれらのゲームで使われるROM容量の増加とともに夢は膨らみ続けていった。
果たしてネオジオは100メガショックという夢を見る事が出来たのか?
その答えはあの時代にネオジオで熱意を燃やした
ゲーマー一人一人の胸の中にあるのかも知れない‥。

 -未完-

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~編集後記~

ネオジオタイトルを時系列で紹介していく
ネオジオは100メガショックの夢を見るか?」だったが、
これはもともと「ネオジオ番外地」という名前で
ホームページに載せていたものを大幅加筆して掲載したものだ。
コロナ禍でイベントも行われず、チョイ呑みに行く機会も減少。
記事にする題材はゲームレビューに偏りがちな昨今だが、
ゲームをプレイする時間が無いときの穴埋めとして
過去記事の再編集を思い立ったのが今年の始め。
ところがいざ過去記事を読み直してみると、
加筆というより“書き直し”レベルになってしまい、
穴埋めのつもりがとても時間のかかる作業になってしまった(^^;
そして連載していくうちに
「これは時系列に読み進めた方がネオジオの歴史が明確になって面白いのでは?」
と思うようになり、あえて他の記事をほとんど挟まずに、
集中連載という形でここまで進めてきたのである。

これ以降、まだ紹介できるソフトはあるので連載は続くが、
時系列ではなく、まだレビューしていないタイトルを順不同で
「更新できるときにする」スタイルに切り替えようと思う。

 

ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(97)「リアルバウト餓狼伝説2」

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リアルバウト餓狼伝説
(SNK)
1998.4.29発売/32000円/格闘
闘いが俺を強くする。

 

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餓狼伝説シリーズ7作目。
本作は前作リアルバウト餓狼伝説スペシャル」のリニューアル作品である。
ストーリー的には「リアルバウト餓狼伝説スペシャル」と同じなので
リアルバウト餓狼伝説2」というタイトルはややこしい。

 

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選択キャラクターは前作の19人はそのままに、
新規キャラクターの李香緋(リー・シャンフェイ)リック・ストラウドの2名が追加。
ぶっちゃけ、この2名が追加されたのが本作最大の特徴である。
ギースも普通に選択できるので総勢22名だ。
最終ボスはギースかクラウザーのどちらかになる。
隠しボスとしてルフレッドという飛行服を着た謎の少年がCPU専用で登場する。
勝っても特に少年について触れられないが、
実はこのキャラは
PS版「リアルバウト餓狼伝説スペシャル DOMINATED MIND」の主人公らしい。
(購入していないので俺様の中では謎のままの少年だw)

 

システム的には前作で復活した「ライン移動」が再び「スウェーシステム」に戻った。
ゲームバランスが徹底的にチューンされており、
キャラクターバランスもインフレ気味のこの頃の格闘ゲームの中で秀逸。
コンティニュー時には、
おまけサービス(相手の体力が減るなど)の配慮もされていて、
俺様のような格闘弱者でも好感が持てるゲームだった。

 

 

【選択キャラクター一覧】

f:id:g16:20210709091753p:plain李香緋[Li Xiangfei]
新規キャラクター。
中華料理店でバイトする中国系アメリカ人の少女。
太極拳蟷螂拳八極拳少林寺拳法心意六合拳といった中国拳法の技を使う。
実在の技がなめらかなアニメーションで再現されており、
中国拳法マニアの俺様はこのキャラを操作していてとても楽しかった。
ところでこのキャラのボイスは金月真美さん。
2ヶ月前にリリースされた
「ブレイジングスター」のシステムボイスも金月真美さんだが、
もしかして李香緋ボイスのついでに「ブレイジングスター」も収録したのだろうか?w

f:id:g16:20210709091906p:plainリック・ストラウド
新規キャラクター。
ネイティブアメリカンのボクサー。
躍動感のあるアニメーションが気持ち良かった。
ただ多くのボクサーキャラがそうであるように、
以後、格闘ゲームに再登場する事は無かった・・。

f:id:g16:20210709091920p:plainテリー・ボガード

f:id:g16:20210709091931p:plain山崎竜二

f:id:g16:20210709091940p:plainビリー・カーン

f:id:g16:20210709091951p:plainボブ・ウィルソン

f:id:g16:20210709092007p:plainアンディ・ボガード

f:id:g16:20210709092020p:plainジョー・ヒガシ

f:id:g16:20210709092031p:plain望月 双角

f:id:g16:20210709092040p:plainギース・ハワード

f:id:g16:20210709092050p:plainチン・シンザン

f:id:g16:20210709092102p:plain不知火舞

f:id:g16:20210709092115p:plainキム・カッファン

f:id:g16:20210709092129p:plainホンフゥ

f:id:g16:20210709092145p:plainヴォルフガング・クラウザー

f:id:g16:20210709092159p:plainタン・フー・ルー

f:id:g16:20210709092210p:plainダック・キング
リアルバウトシリーズでは3作ともメインキャラとしてダック・キングを使っていた。

f:id:g16:20210709092229p:plainブルー・マリー

f:id:g16:20210709092244p:plain秦 崇秀

f:id:g16:20210709092257p:plainローレンス・ブラッド

f:id:g16:20210709092314p:plain秦 崇雷

f:id:g16:20210709092336p:plainフランコ・バッシュ

ネオジオは100メガショックの夢を見るか?(96)「メタルスラッグ2」

f:id:g16:20210708084831p:plain

メタルスラッグ
(SNK)
1998.4.2発売/29800円/アクションシューティング
想像以上に劇的だ!!

 

f:id:g16:20210708084912p:plain

アイレムの元スタッフが結集して作られた会社ナスカによって
1996年に生み出された前作「メタルスラッグ」。
それによりナスカのドット技術と表現力が爆発的にアピールされた。
その後、ナスカはSNKに吸収合併している。
本作はSNK名義でリリースされた続編である。
以降、シリーズがどこまでオリジナルスタッフで作られたのか分からなくなるが、
本作のスタッフロールを見る限りでは、
1作目の主要メンバーは継続して残っているようだ。

 

f:id:g16:20210708085051p:plain

システムは前作の構成を踏襲しつつ、
キャラが4人から選択できるようになっていたり、
乗れる乗り物が増えたりとパワーアップ。
前作のタンクだけでなく、
戦闘機や歩行マシーン(未来少年コナン?)にも乗れるのは嬉しい。

本作の魅力はやはりドット技術による演出の数々。
相変わらず細かいところまでこだわった演出は素晴らしい。
本作は前作のミリタリー路線からエンターテイメント路線にシフトしている。
それにより、こだわる視点がちょっと変わったように思える。
ミクロ視点でこだわっていたものがマクロ視点になったって言うのかな。
とにかくハデで面白いものならなんでもやってしまえ!と言ったところもある。
ミイラが出てきたり、宇宙人が出てきたり、
ラストのボスは『インディペンデンス・デイ』のパロディだったり。

振り切って思いっきりハデハデにした事によって、処理落ちが激しいゲームになった。
本作から1年後の1999年5月27日に処理落ちなどが改善された他、
武器や敵の追加など様々な調整が加わった
本作のアレンジ版メタルスラッグX」がリリースされた。
今の時代なら無料パッチでバージョンアップってところだが、
当時、ROMを購入したファンは両方買ったら59600円。
ヒェ~。

 


PLANNING
MEEHER

DESIGN
AKIO
SUSUMU
CANNON
TOMO
KUICHIN
KOZO
KON.KITAKICHINE
J.YOSHI I
OZI
FUKUNISHI
NAKAMATA
HIKARU
MEGUMI IMANISHI

PROGRAM
ANDY
HAMACHAN
NAKATSUKA
ZEN
SEEKER
PIERRE
KOHKI(^O^)/
HIROKUN

SOUND
HIYA!

PRODUCE
T.NISHIYAMA