ジャッキー・チェン烈伝「クレージーモンキー 笑拳」


クレージーモンキー 笑拳
1978年制作
香港
[原題]笑拳怪招
[英題]THE FEARLESS HYENA
監督:ジャッキー・チェン
製作:    スー・リーホワ
脚本:ジャッキー・チェン
上映時間:99分
日本公開日:1980年4月19日公開
出演:ジャッキー・チェン(シン・ロン役)、ジェームス・ティエン(チェン役)、
棺桶屋の男(ディーン・セキ役)、
チェン・ウェイロー(8本足の麒麟役)、
リー・クン(石富役)

製作年度のジャッキー年齢:26歳頃

 

舞台は清朝末期の広東。
清国の使いである暗殺者ルウは、
3人の部下を従えて清の意に従わぬ武術家を探して暗殺していた。
主人公シンロン(ジャッキー)の祖父は流派「行意門」の開祖で、ルウに追われる身。
病を患いながら孫のシンロンと一緒に山奥に隠れ住んでいた。
練習嫌いで不真面目なシンロンは、
金に目が眩んでインチキ道場の用心棒を引き受けてしまう。
ここでシンロンは変装して二人の道場破りを相手にするが、
刀使いの相手に棍で対抗するジャッキーのアクションが凄い。
三人目の道場破りにはなぜか女装して相手をするシンロンw
こうして道場破りとの対決を繰り返すシンロン。
だがそれが目立つ事で祖父の居場所がルウにバレてしまう。
ルウに祖父を殺されたシンロンは復讐しようとするが、
祖父の旧友である8本足の麒麟に止められる。
かくして8本足の麒麟の弟子となり、復讐を果たす力を身につけるべく修行を始める。
一度、街で偶然見つけたルウに我を忘れて勝負を挑むが大敗を喫する。
その後さらに修行を積み、行意門の最終奥義を習得する。
それは人間の感情である「喜」「怒」「哀」「楽」をもとにした型であった。
ルウの3人の弟子は8本足の麒麟を見つけ出し、彼を襲撃。
そこに駆けつけたシンロンは1vs3で立ち向かう。
3人の使う大刀とのバトルを見事勝利したシンロンはついにルウとのタイマン勝負に。
ルウとの戦いでシンロンは「笑拳」を解禁。
笑ったり泣いたりしながら戦う姿は面白い。
「怒」以外はほとんど攻撃してないけど(^◇^;)
ルウは指で相手の急所を掴む技を得意としているが、
シンロンはルウが掴むたびに筋肉を伸縮してフンって弾き返すんだw
小学生の頃、これ良く真似したなw
最後は天地逆さになったシンロンの股間
何度も手刀を叩き落として勝利するのだった。
エピローグで8本足の麒麟を箱車に乗せて押し運ぶシンロン。
このとき流れるのが『子連れ狼』の主題歌「ててご橋」w

 

本作はジャッキーの初監督作品であったが、その経緯は少々複雑だ。
もともと「レッド・ドラゴン」から10本契約を結んでいたジャッキー。
ロー・ウェイのプロダクションで撮った作品は「龍拳」までで9本。
最後の1本として「鬼手十八飜」という作品に取り掛かる事になり韓国ロケへ。
だがこのときすでにジャッキーはロー・ウェイとの関係に限界を感じていた。
ロー・ウェイのジャッキーへの過小評価、作品性の違い。
またロー・ウェイから離れて撮影した
「スネーキーモンキー蛇拳」や「ドランクモンキー酔拳」が大ヒットした事から、
疑念は確信に変わっていた。
かくしてジャッキーは撮影をボイコット。
そこへロー・ウェイ夫人が説得に訪れる。
何をどう説得したのかわからないが、「鬼手十八飜」は製作中止となり、
かわりにロケに集まっていたスタッフやキャストで本作が作られる事になる。
そして製作もロー・ウェイプロではなく、
ジャッキーが立ち上げた個人プロダクション「グッドイヤー・ムービー」名義となる。
このあとジャッキーはゴールデンハーベスト社へ移籍する事になるが、
これが泥沼のトラブルを巻き起こす事になるのである。