龍拳
1978年制作
香港
[原題]龍拳
[英題]DRAGON FIST
監督:ロー・ウェイ
製作:スー・リーホワ
製作総指揮:ロー・ウェイ
脚本:ウォン・チュン・ピン
上映時間:90分
日本公開日:1982年5月20日公開
出演:ジャッキー・チェン(タン・・ホーエン役)、ノラ・ミャオ(ムーラン役)、
ジェームズ・ティエン(ファンカン役)、リン・インジュ(チョウピン役)、
カオ・チャン(ウェイ役)、チュン(ヤム・サイクン役)
製作年度のジャッキー年齢:24歳頃
武術大会で優勝した唐山道場のソウだったが、
直後にやってきた「百勝道場」のチュンに因縁をつけられ、
勝負の末に殺されてしまう。
賞牌を奪われ、道場の看板も破壊されてしまう。
3年後、ソウの弟子ホーエンは、
ソウ夫人と娘のムーランとともにチェンの道場を訪れる。
(名前が「百忍道場」に変わっている)
敵討ちを果たせると思っていたホーエンだったが、
チェンは自らの片脚を切断し、罪を詫びた。
病いに倒れたソウ夫人の薬を手に入れるためにホーエンはこの土地に留まり、
ならず者のウェイ一家の用心棒となる。
ウェイ一家は百忍道場を破滅させるためにホーエンを利用する。
ウェイ一家の悪事を暴くためにウェイの手下を捕えるが、
何者かに殺されて発見される。
それを理由にウェイ一家は百忍道場に殴り込みをかけるのだった。
乱闘の中で百忍道場の高弟ファンカンが裏切り、チュンらに襲いかかる。
実はファンカンは裏でウェイ一家と通じていたのだ。
ソウ夫人はホーエンに「唐山道場の名誉を守りなさい」と舌を噛んで絶命。
ホーエンはチュン側についてウェイ一家の生き残り達と戦う。
ホーエンはウェイの弟イーゴウのトンファーに何度も刺されてピンチになるが、
チュンの杖を借りて逆転勝利。
ウェイ一家を壊滅させるのだった。
本作はジャッキーカンフー映画の傑作『ドランクモンキー酔拳』と
同時期に撮影されたもので、
ジャッキーのカンフーアクションはキレキレで見栄えが良い。
『ドランクモンキー酔拳』とその前作『スネーキーモンキー蛇拳』は、
シーゾナル・フィルム社に2本契約でレンタル出向して製作されたもので、
本作はロー・ウェイのプロダクションで製作されたもの。
同じ全盛期のジャッキーが主演の映画でも
ロー・ウェイの影響があるとないとでどこまで作風が変わるのかは、
これらを比較すれば明らかである。
結果としてジャッキーは、
本作を最後にロー・ウェイのプロダクションから離脱する事になる。
本作は撮影後に一時お蔵入りとなっていたが、
皮肉な事に『スネーキーモンキー蛇拳』が高い評価を受けた事で、
『拳精』とともに公開へ漕ぎ着ける事になる。
日本での公開は1980年であった。
ロー・ウェイの撮るシリアス路線のジャッキーも俺様は嫌いじゃないが、
『スネーキーモンキー蛇拳』や『クレイジーモンキー酔拳』を観た後だと、
龍拳なる特徴のハッキリしない型の本作はパンチに欠けているように思えたのである。
日本版では小清水ミツルの歌う「Dragon Fist」が主題歌として挿入されている。
日本公開時の同時上映は真田広之主演「忍者武芸帖 百地三太夫」。