ジャッキー・チェン烈伝「新少林寺/SHAOLIN」


少林寺/SHAOLIN
2011年制作
香港、中国(ブロードメディア・スタジオ=カルチュア・パブリッシャーズ)
[原題]少林寺
[英題]SHAOLIN
監督:ベニー・チャン
アクション監督:コリー・ユン
製作:アルバート・リー、ベニー・チャン
脚本:チャコール・タン、チェン・カーチョン、チェン・チーグォン
上映時間:131分
日本公開日:2011年11月19日
出演:アンディ・ラウ(侯杰(こうけつ)/浄覚(じょうかく)役)、
ニコラス・ツェー(曹蛮(そうばん)役)、ファン・ビンビン(額夕(がんせき)役)、
ジャッキー・チェン(悟道(ごどう)役)、ウー・ジン(浄能(じょうのう)役)、
ユエ・ハイ(方丈(ほうじょう)役)、ユィ・シャオチュン(浄海(じょうかい)役)、
ション・シンシン(索降図(ソルント)役)、シー・ヤンネン(浄空(じょうくう)役)
製作年度のジャッキー年齢:57歳頃

1911年に勃発した辛亥革命後の中国。
各地で争いが続く中で、将軍・侯杰(こうけつ)は
少林寺に逃げ込んだ敵将を追って乗り込む。
冷酷に将軍を銃殺する侯杰(こうけつ)は、
看板に「武術の始祖恐れるに足らず」と落書きし去っていく。
だがそんな侯杰(こうけつ)も腹心の裏切りにあい、愛娘も失う。
少林寺に逃げ込んだ侯杰(こうけつ)は出家し、心を入れ替えていく・・。

少林寺の名前を冠する映画は無数にあり、
ジェット・リーを生み出した傑作『少林寺』を始めとして、
中国の少林寺とはほとんど無関係な
千葉真一主演の『少林寺拳法』なんていう空手映画もある。
少林寺拳法は四国で生まれた日本の流派だ)
なので本作が『新少林寺』と言っても、
どの流れを汲むのか?といった断言は難しい。
ちなみに『真少林寺』という映画もあるし、
『新・少林寺』というテレビ映画もあったりする。
少林寺映画の系譜を調べたら、それだけで分厚い同人誌が作れるだろうw

それはさておき本作。
監督は『WHO AM I?』『香港国際警察/NEW POLICE STORY』といった
ジャッキー映画を手掛けたベニー・チャン。
ドラマが中心の構成でアクション映画の側面は薄い。
だからなのか、それなりにアクションシーンはあるのだが、
印象に残るアクションはほとんど無かった。
砲撃により寺が破壊されていき、
中心人物が次々と銃弾に倒れていく結末は刹那的。
仏像の掌に収まって息をひきとる主人公は
映画の主題を象徴的に表していた。良シーン。
侯杰(こうけつ)の人間的変化を通して慈悲の心や、
禅の悟りを描いた、ある意味での仏教映画と言えよう。

ジャッキーの役は、少林寺の厨房係で、
娘を亡くして自暴自棄となった侯杰(こうけつ)を介抱する役回り。
「俺は武術はできない!」と言いつつ、
野菜炒めを作る動作や饅頭をこねる動作で一小隊を全滅させちゃうw
暮らしの中に修行ありってわけかよ(爆。
他が大真面目なだけに、このシーンだけ違和感がある。
ジャッキーらしくはあるのでジャッキーファン的にはアリだが。

余談ではあるが、辛亥革命を描いた『1911』も同時期に劇場公開されている。
ジャッキー出演映画の公開時期が被るのはとても珍しい。

 

こちらは『新少林寺』初日公開時に配布していたポストカード。
ジャッキー登場の一場面を全面にプリントしたシンプルなもの。
裏面もシンプル。

 

余談ではあるが、公開初日の上映終了後には舞台挨拶があった。
登場したのはお笑い芸人“次長課長”の二人。
さらに劇中、アンディ・ラウの娘を演じた子役の嶋田瑠那ちゃんも登場。
中国では天才子役と言われている日本と中国のハーフらしい。
日本語はしゃべれないみたいだね。
河本はカンフー映画ギャグ
「お前に食わせるタンメンはねぇ!」の北京語バージョンを彼女に伝授していたw