「THE MATCH 2022」とプロレス興行について

2022年6月19日。
那須川天心 vs 武尊」というドリームカードを実現するために
開催された東京ドーム興行が「THE MATCH 2022」である。
その興行成績とともにプロレス興行との比較が目に入ってきたので
ここに俺様の見解も書き残していこうと思う。

観客動員数は59000人
チケット売り上げは20億円
また、この興行は地上波で放送される事は無く、
ABEMAによるペイパービューの独占放送となった。
ペイパービューを購入したのは50万件
売り上げは25億円
スポンサー料も含めて約50億円の売り上げと言われている。

実はこの観客動員数は過去最多ではない。
過去の東京ドームにおける格闘技&プロレス興行の観客動員数は以下の通り。

K-1 WORLD GRAND PRIX 2002 決勝戦(2002年12月7日)74500人
新日本プロレスアントニオ猪木引退試合(1998年4月4日)70000人
新日本・UWFインター合同興行(1995年10月9日)67800人
PRIDE(2003年11月9日)67451人
全日本プロレス(1999年5月2日)65000人
WWF・全日本・新日本合同興行(1991年3月30日)64618人
プロレスリング・ノア(2005年7月18日)62000人
SWS(1991年12月12日)61500人
UWF「U-COSMOS」(1989年11月29日)60000人

プロレスの場合、観客動員数の主催者発表は割増しているケースも過去多かったので、
上記の数字は必ずしも鵜呑みに出来ないが、
それにしても上記のプロレス興行で50億円の売り上げに達した興行は無いだろう。
(K-1やPRIDEは分からないので除く)

チケット売り上げにしても動員数だけでは比較できない。
料金がまず違う。

以下は2022年の新日本プロレス東京ドーム大会のチケット料金である。

ロイヤルシート(特典付)・・30500円
アリーナA・・20500円
アリーナB・・13500円
1Fスタンド・・9500円
バルコニースタンド・・11500円
2Fスタンド・・6500円
車椅子席(1Fスタンド)・・9500円

一方、以下は「THE MATCH 2022」のチケット料金だ。

VVIP1列席・・3000000円<特典付>
VVIP2列席・・2000000円<特典付>
VVIP3列席・・1000000円<特典付>
VIP席・・300000円<特典付>
SRS席・・100000円
RS席・・50000円
SS席・・30000円
S席・・25000円
A席・・15000円

ケタが違い過ぎる・・(^^;
リングを囲む最前列はだいたい64席ぐらいが一般的だ。
てことはVVIP1列席の売り上げだけで1億9千200万円!
スゴ~。

これらの記録が達成できたのも全ては
那須川天心 vs 武尊」というカードがあればこそである。
この二人はこれまで別々の団体でそれぞれカリスマとして駆け上がってきた。
スター性のみならず、結果で観客を魅了し続けた。
だからこそ二人の戦いとその決着に価値があり、人々にチケットを購入させた。
「THE MATCH」を再び開催するとしても、このカード以上のものを出す事は難しい。
武尊は現役を続けるとしても、那須川天心はもうキック界から去っている。
新たなカリスマの登場を待つしか無い。
それには何年もかかるだろう。

さて、それではプロレス界で
「THE MATCH」と同等の結果が出せる可能性はあるだろうか?
世界中でPPVが売れて、ドーム最前列が300万円でも売れるような興行が。

いま、日本で最も集客力のあるプロレスラー・・
仮にオカダ・カズチカ内藤哲也としようか。
その二人がWWEのトップスターである
ブロック・レスナーロマン・レインズと試合をする。
だとしても、まだ弱いよなぁ・・。
PPVは海外を中心に伸びるかも知れないけど、
300万円の席は売れないよなぁ。

いまやハリウッド一流スターのザ・ロックが試合をしたとしてもまだ足りない。
つまりプロレス界の人材で「那須川天心 vs 武尊」級のカードは難しい事になる。
過去を思い浮かべてみても、
アントニオ猪木 vs ジャイアント馬場
「長州&天龍 vs 藤波&鶴田」
闘魂三銃士 vs 王道四天王」
あたりが全盛期で実現していたらあるいは、とも思う。
だけどあの頃はPPVも無かったからな。
猪木vsアリでも大赤字になったぐらいだから。

そう考えを巡らせていくと、
スペシャルなカードで莫大な売り上げを出すというのは無理がある。
やはり魅力的な連続性のある展開と試合内容の質、
それらを続けて固定ファンを増やし、
一般的な料金でも安定した興行をずっと続けていく・・
というのがプロレスの目指すべきところ。
・・という当たり前のような結論に達してしまった。
その中でスペシャルなカードが実現すれば越したことはない。
あくまでボーナストラックだ。

そういう意味では、プロレスは
1年通しての興行成績で「THE MATCH 2022」とタイになる事を目指せば良い
のでは無いだろうか?
プロレスとはそういう性質のものだと俺様はそう思うのだ。