MSXとはMSXの事である 第31回「ルーンマスター」


ルーンマスター
(コンパイル)
1989年12月10日/MSX2(ディスク)/ボード/3880円

 


本作は単体で発売されていたゲームではない。
コンパイルが出していたディスクマガジン「ディスクステーション」の別巻、
ディスクステーション スペシャル5 クリスマス号」に収録されていた
オリジナルゲームである。
本作「ルーンマスター」と
魔導物語 -EPISODEⅡ CARBUNCLE-」がメインコンテンツで、
それ以外は自社や他社製品の体験版やデモプログラムの構成になっている。
魔導物語」は「EPISODEⅡ」となっているが、これが初露出の1作目になっている。

 

「ルーンマスター」は
RPG的なファンタジー世界をモチーフにしたすごろくゲームだ。
1人から4人まで一緒に遊ぶ事ができる。
まず最初にプレイ人数、プレイヤーの名前、職業を決める。
プレイヤーのいないキャラクターはコンピュータが担当する。

名前は50音が揃っておらず、決めづらい。(^^;
だったらせめてアルファベットにすれば良かったのに・・。

職業は「せんし」「まじゅつし」「とうぞく」「そうりょ」から選ぶ。
今回は「せんし」を選んでみた。


マップにはすごろくのようにマスが進行ルートとして続いている。
順番に6面ダイスを振って、出た数だけ進む。


街の上を通過すると入る事ができる。


街にある施設は
「INN」その場で回復
「ARMS」武器購入
「SHLD」防具購入
「MAGIC」魔法アイテム購入
「ITEM」消費アイテム購入
といった5つ。
それぞれ所持金を消費して購入する。
このゲームはRPG風ではあるが、キャラクターの成長要素は無い。
キャラクターを強くするには街で強い武器や防具を買うしかない。
簡単に言えば、お金を効率的に貯めて、
なるべく強い装備を揃えるゲームと言えそうだ。
装備品は職業によって購入できるものとできないものがある。
(職業による違いはこの点ぐらいしかわからなかった)
装備品を購入したら、その場で装備される。

 


何もないマスでもモンスターに遭遇する事がある。
突然戦闘になる事もあれば、ダイスで決める事もある。


戦闘もダイスで行う。
攻撃のターンで振ったダイスの目から相手に与えるダメージが計算される。
武器によって何回振れるかも変化する。
相手の攻撃は、相手の振った目の数から防具の効果が減算される。
戦闘中に出来ることは「たたかう」か「アイテムを使う」のみ。
魔法アイテムを使う場合はMPを消費する。


コースの分岐はあるが、自分では選べず。
ここもダイスの目で決まる。

 

ストーリー展開的なイベントはほとんど無く、
たまに起こるイベントもメッセージが英語なのが残念。
また、プレイヤーの意思が反映されるのは街での買い物ぐらいで、
それ以外はほとんどダイスの目次第の運ゲーである。

 


塔みたいなところにいるこいつが最終ボス。
こいつを倒せたら勝利。

CONGRATULATIONS!
I'M KETER...
ORIGINAL RUNEMAS
YOUR COURAGE HAS EARNED YOU THE RUNE RING...


IT Mてぃぉぅ OU A TRUE RUNEMASTER...

PRODUCER
MOO

DIRECTOR
KEROLIAN

PROGRAM
KEMSX

CHARACTOR DESIGN
OKERA NO P-SUKE

GRAPHIC
ANEGO

SOUND
J・T・S
EDDY
OZONO
ATARASHI
SYDN

SOUND EFFECT
MATS

SOUND PROGRAM
JEMINI

SPECIAL THANKS
TANIDA
POCHI


「ファンタジーの世界をすごろくのように旅できる」
という構成がキャッチーだったが、
前述したようにほぼ運任せ(ダイスの出目任せ)であり、
シンプル過ぎるゆえに面白味が欠ける。
単体ゲームではなく、
ディスク1枚の容量に詰め込まなければならない事情もあったのだろう。

1人でプレイしていると、順番がまわってくるまでに長い。
何も無いマスならすぐ終わるが、
戦闘になると何度もダイスを振る事になるので、
ターンによっては数分待つ事になる。
また、マップもやたら広くて、
今回のプレイではスタートからゴールまで3時間を要した。
複数人でワイワイ遊んだとしても、3時間はダレるだろう。

複数のプログラムが収録された低価格ソフトだからこその
プロトタイプ的なゲームと言えるのかも知れない。

さて、本作の魅力の一つにイベントやモンスターのグラフィックがある。
これが味のあるものになっており、
タンパクなゲーム展開を多少なりともフォローしていたように思える。
最後にそんなモンスターグラフィックを少しだけコレクション。