花咲かじいさんに登場する極悪人

よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん (講談社の創作絵本)

「花咲かじいさん」の話を覚えているだろうか?
隣に住む欲深い老夫婦についてどんな印象を持っているか?
単に欲張りってだけ?
でもよくよく話を思い出すととんでもねぇ極悪人なんだよ。

心優しい老夫婦が拾ってきた犬を育てていると、
その犬が「ここ掘れわんわん」と小判を掘り当てさせる。
それを知った隣の強欲老夫婦が、
「犬を貸してくれ」強引に連れていく。
飼い犬を貸すってだけでも嫌じゃん。
でも心優しいから断らずに貸しちゃうわけよ。
すると強欲老夫婦はその犬に小判を探させるんだけど、
犬の吠えるところを掘るとガラクタしか出てこない。
怒った老夫婦はどうしたと思う?
犬を殺してその穴に埋めるんだよ。
非人道的過ぎる。サイコパスだよ。
人んちの飼い犬を怒りに任せて殺すなんて、欲が強いだけの話じゃないよ。
しかも悪びれる事無く
「あの犬は俺達を怒らせたから殺して埋めたぞ」
と心優しい老夫婦に告げる。ドイヒー。
心優しき老夫婦が犬の埋まっている場所にいくと大きな木が生えていた。
その木を形見だと思い、その木で臼を作った。
その臼で餅をつくと餅がみるみる小判になる。
それを知った強欲老夫婦がまたしても「臼を貸せ」と言う。
よせばいいのに貸しちゃう。
極悪人を甘やかす方にも問題がある気がしてきた。
強欲老夫婦が臼で餅をつくと、餅は牛や馬の糞に変わった。
怒った老夫婦は臼を粉々にして燃やしてしまう。
もうこの老夫婦に「人様からの借り物」という意識はまるでない。
ジャイアンだよ。こいつらジャイアンだよ!
犬の形見を燃やされた心優しい老夫婦はその灰を持ち帰って悲しんだ。
その灰を庭に巻くと、枯れ木に花が咲いた。
それを見かけた大名が心優しい老夫婦に褒美を与えた。
またまたそれを知った強欲老夫婦。
灰を盗んで大名の前で木にふりかけて見せるが、
灰は風に舞って侍の目に入ってしまう。
強欲じいさんは無礼をとがめられて罰を受ける。

いやいや、そのぐらいの罰で済むような奴らじゃないだろう!
人の心が無い悪魔夫婦だから、こいつら!

この「花咲じいさん」という物語は、
「正直に生きたら幸福になれる」なんて生易しい教訓ではない。
「倫理観の欠如した人間は隣に住んでいるくらい身近に存在するぞ!」
という注意喚起なのだ!

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