完璧なるエンターテイメントを追求した映画だけが全てではない。
完璧であるがゆえに退屈になる事だってある。
そんな映画と真逆に位置する存在「バカ映画」。
演出がバカバカしい映画、
金の掛け方がバカバカしい映画、
設定がバカバカしい映画、
制作者達が自らのおバカなセンスに気づいていない映画、
存在そのものがバカバカしい映画。
駄作映画、失敗映画の一言では片付けられない“面白さ”の本質は何か?
俺様はそんな愛すべきバカ映画を研究し、
その本質を解明すべく日々、バカ映画を視聴してきた。
そんな研究の記録を連載で記していきたいと思う。
今回の題材はこちら。
スリープウォーカーズ
アメリカ
ジャンル:吸血鬼ホラー
上映時間:89分
1993年4月24日日本公開
監督:ミック・ギャリス
脚本:スティーヴン・キング
出演:ブライアン・クラウズ
処女の精気を食糧とするヴァンパイア、スリープウォーカー。
その母子がインディアナ州トラビスの町に越してきた。
息子チャールズは、高校で同級生タニアの気を引き、デートにこぎつける。
もちろん精気を吸うためだ。
だが、タニアの抵抗により失敗。
カメラで殴られ、コルク抜きで目をくり貫かれ…。
「ひっかかったなー!」とか「ベロベロバー!」とか言って
立ち上がって不死身の怪物を装ってみるも、
血がドクドク出てくるオチャメなチャールズ。
何とか追い詰めるも、殺した警官の猫に襲われて敗走。
(スリープウォーカーの天敵は猫なのだ)
家に帰って母親に「僕はもう死ぬ…」と弱音を吐く。
母親は「息子に酷いことをしたな!」とタニアの家に猛烈抗議。
タニアを連れて家に帰り、息子に精気を吸うように命じる。
チャールズは瀕死状態の中で
何とかママの言いつけを守ろうとタニアから精気を吸おうとする。
が、やはり瀕死の身。
タニアの攻撃でもう一方の目も潰されてK.O.。
戦意喪失のチャールズに
「死ねぇ~~っ!」と言いながら
覆いかぶさってボコ殴りするタニア。
(たぶんココ笑うとこ)
母親は家のまわりに集まった猫達に襲われて燃え尽きる。
何だか怪物に襲われる人間の恐怖を描いてるんだか、
マイノリティの悲運を描いてるんだかわからなくなってきた…。(^^;
しかし、処女の精気を吸わなきゃいけないし、
すぐ人間にバレるし、天敵(猫)は自然と家のまわりに集まってくるし…
スリープウォーカーは
よく今まで生き残ってこれたよな~w
何よりタニアがまったく処女に思えないんですが…。
それにしても豪華なカメオ出演者達。
(ジョン・ランディス、ジョー・ダンテ、クライヴ・バーカー、
トビー・フーパー、スティーヴン・キングというホラーの巨匠達が集結)
おそらくこの映画、本気でアレコレ内容を語るような作品ではなく、
スティーブン・キング(原作&脚本)を囲って
ホラー業界人達がお祭り的に残したイベント志向の強い作品なのではないだろうか?
警戒レベル: