完璧なるエンターテイメントを追求した映画だけが全てではない。
完璧であるがゆえに退屈になる事だってある。
そんな映画と真逆に位置する存在「バカ映画」。
演出がバカバカしい映画、
金の掛け方がバカバカしい映画、
設定がバカバカしい映画、
制作者達が自らのおバカなセンスに気づいていない映画、
存在そのものがバカバカしい映画。
駄作映画、失敗映画の一言では片付けられない“面白さ”の本質は何か?
俺様はそんな愛すべきバカ映画を研究し、
その本質を解明すべく日々、バカ映画を視聴してきた。
そんな研究の記録を連載で記していきたいと思う。
今回の題材はこちら。
片腕カンフー対空とぶギロチン
獨臂拳王大戦血滴子
香港(松竹)
ジャンル:カンフー
上映時間:85分
1976年11月27日日本公開
監督:ジミー・ウォング
製作:ウォン・チューホン
脚本:ジミー・ウォング
武術指導:ラウ・カーリョン、ラウ・カーウィン
出演:ジミー・ウォング(片腕ドラゴン役)
前作「片腕ドラゴン」で悪者を倒したスーパースターのジミー・ウォング!
ジミーさんは彼を慕う弟子に囲まれて道場を営んでいた。
だが、そんな平和も束の間。
前作で弟子をジミーさんに殺された“空飛ぶギロチン”を操る盲目の老師が動き出す!
弟子のカタキを取るために町へとやってきたギロチン。
さて、ここで“空飛ぶギロチン”についての説明だ。
ギロチンは鎖の先に帽子がついている武器。帽子の周囲には刃がついている。
これを当てるだけでもダメージを与えられるが、
それよりも恐ろしいのは、投げつけたギロチンを相手の頭に被せると、
顔がすっぽりと覆われて、
首から上が引き千切られるように出来ているのだ!
▲このあと首が千切れるよ!
このギロチンによって“ニワトリ”やら
“片腕の食い逃げ男”が犠牲になっている。
弱い者イジメはやめろギロチン!
さてその頃、ジミーさんの町では武道大会が開催されていた。
このマイナーな大会に、
なぜか世界中から様々な武道家が集まってくる。
(“ムエタイ使い”や“ヨガ拳法使い”など)
ジミーさんも参加を誘われるが、
色々と言い訳して辞退。
(前作の教訓が生きてるなw)
この武道大会なんだけど、
まさに実写版「魁!男塾」という感じでかなり面白い!
むしろこの映画の最大の見せ場とも言える。
ジミーさん出てないけど(爆)
ちなみにこの大会に参加した腕を伸ばして戦うヨガ拳法使いは、
あの「ストリートファイターII」に登場する
ダルシムのモデルになったと言われている。
異様な盛り上がりを見せる武道大会だったが、
この大会にジミーさんがいると思ったギロチンが乱入。
片腕の参加者をジミーさんと勘違いして抹殺。
さらに主催者や他の参加者にも危害を加えてドッチラケにする。
しかもついでに武道会場を焼き払う。
▲ひどいよギロチン・・
自分が狙われている事を知ったジミーさんは道場をたたんで隠れようとする。
ギロチン対策を練るためだ。
だが、どさくさに紛れてギロチン側についた
“ムエタイ使い”や“ヨガ拳法使い”に襲われる。
(なぜかみんなから嫌われているジミーさん)
ムエタイ使いとはあらかじめ用意していた熱した鉄板の上でのタイマン勝負。
ハダシで戦っていたムエタイ使いは
火傷で本来の力を出せずに死ぬのだった。
超卑怯ww
さらには追ってきたギロチンに対しても用意周到なジミーさん。
手斧が飛び出す仕掛けの小屋に誘い込み、
相手が盲目なのをイイ事にまんまと罠にハメて殺すのだった。
この映画を通してジミーさんは
「勝負はキレイ事ではない」
という事を教えてくれたに違いない!
警戒レベル: