完璧なるエンターテイメントを追求した映画だけが全てではない。
完璧であるがゆえに退屈になる事だってある。
そんな映画と真逆に位置する存在「バカ映画」。
演出がバカバカしい映画、
金の掛け方がバカバカしい映画、
設定がバカバカしい映画、
制作者達が自らのおバカなセンスに気づいていない映画、
存在そのものがバカバカしい映画。
駄作映画、失敗映画の一言では片付けられない“面白さ”の本質は何か？
俺様はそんな愛すべきバカ映画を研究し、
その本質を解明すべく日々、バカ映画を視聴してきた。
そんな研究の記録を連載で記していきたいと思う。
今回の題材はこちら。
片腕ドラゴン
獨臂拳王
香港(東和)
ジャンル：カンフー
上映時間：93分
1974年2月8日日本公開
監督：ジミー・ウォング
製作：レイモンド・チョウ
脚本：ジミー・ウォング
武術指導：チェン・シーウェイ
出演：ジミー・ウォング(片腕ドラゴン役)
バカカンフー映画界のスーパースターである
ジミー・ウォングさんの人気シリーズだ！
ジミーさんの住む町は２つの武道場があり、それぞれが町を仕切っていた。
一方の悪い道場のヤツらは手鉤党と呼ばれ、
手鉤を使って暴れ回るギャングと化していた。
見て見ぬフリの出来ないジミーさん。手鉤党の一味をぶっ飛ばしちゃう。
反撃に来た手鉤党のヤツらも返り討ちにあわせて一件落着。
かと思ったら、結構シツコイ手鉤党。
ジミーさん達の道場を叩き潰す為に世界から武道の達人を集める。
タイからはムエタイの兄弟！
韓国からはテコンドーの名手！
日本からは柔道四段の高橋！
沖縄から沖縄流（空手？）の達人とその一番弟子＆二番弟子！
インドからはヨガ拳法の使い手！
チベットからはラマ僧！
どんな人脈持ってんだよっ！！
こんな物凄い面々が集まっては、ジミーさん勝てるわけない。
ジミーさん、健闘虚しく片腕を沖縄流チョップで切り落とされる。ああ…ジミーさん。
その後、道場も潰されて町は手鉤党が支配するようになる。
一方、片腕を失ったジミーさんは、秘孔使いの父娘に助けられていた。
そこで幻の秘薬を使って残りの片腕を超人的な武器に変える。
こうしてジミーさんは残った左腕で復讐を果たすのだ！
それにしてもこの映画、世界中から集められたメンバーが凄い。
ムエタイ兄弟はケンカの前に儀式のダンスを踊る。（タイ人をバカにしてないか？）
ラマ僧はなんか体を膨らませて全ての攻撃を弾く妖しい秘術を使うし。
ハイライトはヨガ拳法との戦いだ。
ヨガ拳法とは一体どんな戦いをするのか！？
固唾を飲んでその戦いを見守っていると、ヨガの人、
いきなり逆立ち歩きをして高笑い！
何がしたいんだこの人！！
だが、我らがジミーさんも負けてはいない。
片腕しか無いのに逆立ちをした！
しかも人差し指で！（負けず嫌いだなあ…）
そのままヨガ使いに体当たりしていくジミーさん。
妖怪かよっ！！
この映画の魅力は、
普通のカンフー映画に見られる人間離れしたカンフーアクションではなく、
奇想天外なジミーさんマジックにあると言えよう。
だってジミーさん、
カンフー習ったこと無いんだもの。
（カンフースターなのに）
警戒レベル：
