2021年3月4日にNintendoSwitchで配信開始された
『Shaolin vs Wutang(シャオリン対ウータン)』を購入してみた。
このゲーム自体は2018年にPC版が出ていたのだが、
PCゲームはそれほどチェックしていないので、
今回のSwitch版で初めてその存在を知った。
本作は3Dの格闘ゲームなのだが、
その題材は70~80年代のカンフー映画!
俺様はカンフー映画が大好きなのだが、
そのジャンル自体がニッチなために、
ビデオゲームでの採用はほとんど壊滅的だった。
アイレムの「スパルタンX」以来となると、
カンフー映画の雰囲気を楽しめるゲームは片手で数えるぐらいしか思い出せない。
ファミコンの「ケルナグール」、PSの「射鵰英雄傳」「ロード・オブ・フィスト」、
PS2の「THEカンフー」、PS3の「スリーピングドッグス 香港秘密警察」など。
また格闘ゲームがブームになると、
ブルース・リーやジャッキー・チェンなどがモデルのキャラクターが沢山生まれたが、
それらでカンフー映画の雰囲気を楽しめたかというと素直には頷けない。
「鉄拳」初期のレイ・ウーロンと、「幕末浪漫 月華の剣士」の李烈火くらいかなぁ~。
そんな俺様のようなカンフー映画ファンにとって奇跡のようなゲームが登場した。
それがこの『Shaolin vs Wutang(シャオリン対ウータン)』なのである。
ステージやBGM、効果音など、カンフー映画を再現しているのは当然として、
登場するキャラクターがキテる。
このあたりまではまあカンフーゲームなら出てくるだろう事が予想できるだろう。
ここからニッチなキャラクターが登場してくる。
まずはジェット・リー。
ワンス・アポン・ア・タイム・チャイナシリーズの黄飛鴻スタイルだ。
無影脚は出なかったけど。
このゲームはキャラ名が使う戦闘スタイルの名前になっているんだけど、
このキャラの名前は「武術」であるw
黄飛鴻は様々な武術を体得していたというから、
武術を総合的に使うという意味なんだろうかね。
詠春拳という事は「イップ・マン」のドニー・イェンをモデルにしているのかな。
独特の短いリーチの連打がよく再現されている。
カッコイイ。
次は西洋人3人をご紹介。
唐手道のチャック・ノリス、
キックボクシングのジョン・サクソン。
いずれもブルース・リー映画に登場してインパクトを残した人達だ。
チャック・ノリスの初3D化なんてのは、
ファンにとっては堪らないのではないだろうか?
次に酔八仙のユエン・シャオティエン。
酔拳の枠ではすでにジャッキーがいるのに、わざわざ採用する拘り。
だったらジャッキーの方を別のスタイルにして欲しかったね。
クレイジーモンキー笑拳とかね。
次は長拳のリュー・チャーフィー!
「少林寺三十六房」のスタイルだよね。
ちゃんと三節棍も使います。
そして本作最大の目玉である千葉真一!
千葉真一はカンフー映画のスターというよりも、
ブルース・リー映画以後に日本でカラテ映画を確立した第一人者なんだけど、
それだけ殺人拳シリーズなどが
カンフー映画界に与えたインパクトが凄かったという事だろう。
お馴染みの逆腹式呼吸や、独特のパンチなどが再現されているのは夢のようだ。
まさかサニー・チバが3Dになって動く時が来るとは!
そして一番笑えた存在がこの人。
「闘え!ドラゴン」などで存在感を見せていた
筋肉ムキムキのヤン・スエ!
名脇役ではあるけどさw
この人を採用するなんてめちゃめちゃマニアックだと思わないか?ww
(なぜヤン・スエがレスリングなのかは謎だけどw)
悪役もそれっぽいものが揃っている。
「少林虎鶴拳」の白眉道人とかwww
システムについても少し触れておこう。
格闘ゲームとしてはオーソドックスな真横から見た1ラインの構成。
方向スティックで前後移動、しゃがみ、ジャンプ。
相手と逆方向を入れるとガード。
このゲームの場合、ガードが捌きっぽいモーションになっており、
カンフー映画の戦闘っぽく見えるのが素晴らしい。
パンチボタン、キックボタン、ダッシュボタンと方向スティックを組み合わせて攻撃。
武器ボタンを押すと武器による攻撃を行うが、
武器は大ダメージを与えられるが単発でスキも大きい。
相手の方向+パンチ+武器ボタンで投げ、
B+Aで超必殺技を使う。
超必殺技と言っても通常技とあまり変わらない連続技の範疇だが、
ここで波動拳とか出されたらカンフー映画の雰囲気が台無しなので仕方無い。
そう、本作は“カンフー映画を格闘ゲームで再現すること”
に全振りしているインディゲームなので、
格闘ゲームとしてはイマイチ面白くない(爆)
映画そのままの動きが再現されている事自体は楽しいのだが、
技のバリエーションが少ないので単調な試合になりがち。
モーションもフレームが飛んでいるような大雑把なもので、
緻密な駆け引きを楽しめるシステムには至っていない。
また、アーケードモードをクリアしてもゲーム中のキャプチャー画像と
薬にも毒にもならない一文が表示されるのみ。
カンフー映画再現をステージ間のデモムービーとか
エンディングムービーとかでも発揮してくれたら、
全キャラクリアとか頑張ったんだけど、
そこまで手が回るようなスケールの開発でも無かったんだろうな。
なので一通りのキャラの動きを操作したら満足してしまう。
それでもカンフー映画ファンだったら1080円の元は取れると思うけどな。
このゲームは「功夫VS 空手道」という名前でアーケードゲームにもなっている。
アーケード基板・exA-Arcadiaの第4弾タイトルで、
2018年に稼働されているはずなので、
exA-Arcadiaを導入しているゲーセンならば遭遇できるはずだ。
また、PCではすでに続編「Shaolin vs Wutang 2」がリリースされており、
Switch版の登場があるなら今から楽しみだ。
続編に登場するキャラクターは調べていないが、
「片腕ドラゴン」のジミー・ウォング、「闘え!ドラゴン」の倉田保昭、
「チャンピオン鷹」のユン・ピョウ、
「燃えよ!デブゴン」のサモ・ハン・キンポー・・
あたりは追加して欲しいね。
ジャン・クロード・ヴァンダムとかスティーブン・セガールとかに
手を広げてもいいかもだぞ。