俺様が中学の頃。
友達の一人に家があまり裕福でない家庭の子がいて、
兄弟たくさんいるんだけど、
ワンルームのアパートに家族で身を寄せ合って暮らしてた。
そいつの唯一の娯楽は、毎週買っていた少年ジャンプ。
当時のジャンプと言えば黄金時代。
ドラゴンボール、北斗の拳、キン肉マン、聖闘士星矢、キャプテン翼、
きまぐれオレンジロード、ウイングマン、こち亀、ジョジョの奇妙な冒険、
シティハンター、魁!!男塾・・
どのページを開いても今やほとんどの日本人が知っている作品ばかり
という怪物漫画雑誌だった。
彼が言うには、単行本を買うお金が無いから、
今まで買ったジャンプを全部保管しているんだという。
本当かな?と思って実際に見せて貰った事あったんだけど、
押入れを開けるとそこにはギッシリとジャンプが積み上げられていた。
彼は毎日のようにそれを最初の号から繰り返し読み直しているんだと言っていた。
いま考えてみると、ワンルームで収納はそこしか無かっただろうに、
息子の唯一の楽しみだからと
そのスペースにジャンプを積む事を許していた親御さんを思うと
胸が締め付けられる思いである。
中学卒業後、彼がどんな人生を歩んだのかまったくの不明だが、
いま集英社の重役とかになっていたら胸が熱くなるよね。