これまで無料でWEB連載していた「キン肉マン」。
8月に紙媒体の週刊プレイボーイで連載が再開された。
そのタイミングでゆでたまご先生がSNSを通じて
スクリーンショットやネタバレをSNSにアップする事に苦言を呈した。
またそれとともに編集部が公式の見解を発表。
悪質な著作権侵害、ネタバレ行為(文章によるものを含みます)に対しては、
発信者情報開示請求をはじめ、刑事告訴、
損害賠償請求などの法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。
スクリーンショットだけならまだしも、
既に公開された漫画の内容に対して文章を書いただけでも
法的手段を講じられる可能性がある。
「○○マン負けた~」と書くだけで刑事事件に発展するかも知れない。
作品単体でここまで厳しい見解を示したのは珍しいのでは無いだろうか?
でも、それはそれで良い。
著作物をどこまで守るかは著作者が決めて良い。
だが俺様が心配なのは
俺様が大好きな「キン肉マン」がこれで
歴史の中に埋もれて消えて行くのではないか?という点だ。
おそらくはゆでたまご先生も編集部も、今のSNSでの情報拡散が、
その作品を“生かす”上で絶大な威力を持っている事を知らない。
今の人はSNSでの書き込みや画像などを介して初めてそれを知り、
好きになり、さらにSNS投稿でファンを広げて行くのだ。
「SNSで語るべからず」では、
昔からのごく一部のファンだけがそれを読む“村社会的作品”になっていく。
確かに「ネタバレ」という負の側面はある。
だがSNSを利用している人のほとんどは
「ネタバレが書き込まれる事を知っていて自衛している」。
それらしい投稿は読み飛ばす、とかね。
それよりも「誰にも語られない作品」になる方がダメージは絶大なのだ。
ゆでたまご先生は「感想ならいいんですよ」とも言っているが、
ネタバレを含まない感想なんてほぼ無いのだ。
また「公表した作品について書いてはならない」という事は、
キン肉マン連載開始から41年の内容を全て語る事が出来ないという事だ。
悪質で無ければ良いのでは?と思われるかも知れない。
いや、悪質がどうか決めるのは著作者サイドだ。
「悪質でないから良い」「昔の内容だったら問題無い」
とファン側にその線引きはできない。
ファンがする事は
「キン肉マンについては一切語らず、ただ公開された漫画を読み、心に仕舞い込む」
というだけである。
任天堂などは真逆の考え方で、
任天堂が著作権を有するゲームからキャプチャーした映像
およびスクリーンショットを利用した動画や静止画等を、
適切な共有サイトに投稿する事を認めている。
これは前述した絶大なメリットがあればこそなんだと思う。
ゲームこそ全員が発売日にプレイするわけじゃない。
ネタバレは日常茶飯事だ。
だがまだプレイしていない人へのネタバレを守る事よりも、
そのゲームが話題にならない危険の方が被害が大きい事を任天堂は知っている。
いまやCMやプロモーションでそれが補える時代ではないのだ。
俺様は今後も「キン肉マン」の単行本を購入し、読み続けるだろう。
だがその内容についてネットに書き込む事は無いだろう。
(公式見解が変化したら別だけども)
作者がそうして欲しいと望む以上、ファンならそれに従うべきという考え方だ。
だがそれをする事が好きな作品の発展に繋がらない事を知っている上で
実行しなければならないのは何よりツライ。