わが青春のPCエンジン(37)「桃太郎活劇」

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桃太郎活劇
(ハドソン)
1990年9月21日/アクション/6500円

 

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これまでRPGやボードゲームとして展開していた『桃太郎伝説』の世界観を
サイドビューアクションゲームとして構築したもの。
ゲームをスタートすると「このゲームは誰でもクリアできる!」アピールが激しい(^^;

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「かんたんモード」でプレイすると、穴に落ちてもミスにならず、
ミスしてもお金が減らないので強い武器や防具を買えば簡単だよー
・・ってな事を言われるのだが、
なんだかそこまで言われると「かんたんモード」で遊ぶのは気が引けるのでw
「ふつうモード」でプレイを進める事にする。

 

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操作するキャラクターは桃太郎のみ。
操作はシンプルで移動とジャンプボタン&攻撃ボタンという構成。
ジャンプは長押しすると高く飛べる。
攻撃すると刀を振るが、そのときに波動弾みたいなのがまっすぐ飛ぶ。
しゃがむ移動もできるが、しゃがみ攻撃は出来ない。
余談になるが、桃太郎がしゃがんだときの絵が
クレヨンしんちゃんソックリであるwww

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ゲームが始まってすぐのところに村がある。

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十字ボタンの上を押すと人の話を聞いたり、店の中に入ったりできる。
村には武器屋や防具屋があり、それを購入する事で確実に戦闘がラクになる。
ステージは自由にスクロールを戻す事が出来るし、時間制限も無いので、
敵をひたすら倒してお金を稼げば良い。

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このあたりはアクションRPGのようだ。
(種類はそんなに無いので簡単に最強装備まで揃うけど)

このゲームは「桃太郎伝説」原作者のさくまあきら氏の提案で
「誰でもエンディングまで到達できるアクションゲーム」
というコンセプトで制作されたらしい。
その割には序盤からわりと難しい。
敵に近づくといきなり速い弾を撃ってきたり、
画面外の浮遊台の動きを予測して進まないと間に合わずに谷に落ちたり。
ボス戦は普通に難しく「誰でもエンディング」というのも疑わしく思えてくる。

 

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▲この乗ると回転する雲を乗り継いでいくのツラかった~。

 

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▲奥側の壁面をよじ登りながら、
 落としてくる障害物を避けるクレイジークライマーみたいな場所もある。

 

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▲序盤はボスを倒すと、さる、いぬ、きじが救出される。
 きびだんごを使うと一定時間助けてくれる。

 

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▲ステージ中に「クイズ」や「あっちむいてホイ」を挑んでくる爺さんがいて、
 勝つと「術」を教えてくれる。

 

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▲「丁半ゲーム」や「ボンビーから逃げて福の神に触るゲーム」など、
 ミニゲームも色々と隠されている。

 

「助っ人キャラ」にしても、「術」にしても、
それらを使うには消費アイテムを補充する必要があるので
あまりゲーム中に活用する場面が無い。
ジャンプと通常攻撃だけでほぼ何とかなるので、仕組みとして蛇足気味だ。
また、減った体力を回復するには村で回復アイテムを補充するか
宿屋を利用するかしか無いのだが、
終盤の村には宿屋が無かったりして不便だった。

最終面の「鬼ヶ島」はこれまで倒したボスが順番に登場。

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そうして最後は閻魔大王との対決。

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巨大なボスだが、空を自在に飛べるステージなので、
シューティング感覚でそんなに苦戦せずにクリア!

閻魔大王を倒すと、特にエピローグ的にものも無く、
テレビスタジオみたいなところでゲームに登場した敵キャラクターを紹介。
その流れでスタッフの名前を紹介して終わる。

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なんだか呆気なくて味気ない。
せめてスタッフロールで余韻を味わいたかったね。

 


ゲームデザインのアシスタント
いいづか ひろゆきクン
はくや まさかずクン
はっとり たかひこクン
あきら ひとしクン
くにやけ さんたクン
いざわ ひろしクン
おおい ともおクン

メイン・プログラマー
おくの ひとしクン

サブ・プログラマー
こさか やすひろクン

デザイン
たかおか ふみえサン
かくたに あつしクン
ふじもと かよクン

サウンド
たきもと としあきクン
ほし けいたクン

ディレクター
ふじわら しげきクン

せいさく
HUDSON SOFT

 

 

~編集後記~

前述したように、救済処置やパラメータの底上げはされているものの、
ステージ設計自体はそこまで「初心者向け」というわけではなく、
「あきらめなければいつかクリア出来る」程度の難易度になっている。
また、グラフィックについても桃太郎のドット絵はよく描けているものの、
ステージデザインなどはチープであり、引きになるものでは無い。
「誰でもクリアできる優しいアクションで幅広い人に魅力を感じてもらう」
という狙いがあったとすれば、微妙にマトが外れていたように思う。

上記スタッフ表示には名前が出なかったが、
本作は“監督”という立場で桝田省治さんが制作に関与していたようだ。
一般的に監督というとディレクターと同義の場合が多いが、
本作のディレクターには藤原茂樹さんがクレジットされており、
実際“監督”がどこまでの関わりだったのかは不明である。

 

桝田省治さん
天外魔境II」のディレクターや、
リンダキューブ」「俺の屍を越えていけ」などの作者として有名。

※藤原茂樹さん
ボンバーマンシリーズを牽引した人物。