自作ゲームTシャツ その30

これまで「市販品では出なそうなTシャツ」を作ってきた。
今回で30着目。
ここで俺様は考えた。
絶対にTシャツとして市販されないだろうけど、
思い出に深く刻まれているゲーム
って何だろう?と。
幼き日。
なけなしの小遣いを握りしめてアーケードゲームを遊びに行く。
ただしゲームセンターに行く事は稀である。
ゲームセンターでビデオゲームを遊ぼうと思ったら
1プレイ100円かかる。
また当時のゲームの難易度は容赦無いから、
ほんの数分でその100円は消えて無くなる。
すぐにお小遣いが底をついてしまう。
そこで向かった先は駄菓子屋だった。
駄菓子屋では少し古くなったアーケードゲームが10円~30円ぐらいの価格で遊べた。
画面焼けが激しかったり、ボタンが壊れて反応しにくかったりもあったが、
低価格でアーケードゲームを遊べる環境は楽園だった。
「サーカスサーカス」、「フロッガー」、「ドンキーコング」なんかは
特に駄菓子屋で遊びまくったな。
そんな駄菓子屋での思い出をTシャツにしてみた。

 

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俺様があの頃に夢中で遊んだドンキーコングは、
ドンキーコングでは無かった。
それは「クレイジーコング」というタイトルだった。
ファルコンというメーカーが任天堂の「ドンキーコング」を改造した
いわゆる海賊版ゲームであった。
中身はほとんど同じだが、ドットの配色が違っていたり、
細かい仕様やコングのドット絵が違っていたりする。
例えばステージ4でコングの背後を歩けるのは「クレイジーコング」の仕様。

駄菓子屋に「クレイジーコング」が多かったのは、
たぶん仕入れが安かったんだろうね。
駄菓子屋に正規の高いゲーム筐体を導入する資金があったとは思えないから。
海賊版は違法であるし、褒められた文化ではないが、
そんな分別もついていない幼少の俺様にとっては、
これも魂に焼き付いたゲーム文化の記憶ってわけだ。
Tシャツにする事で供養となろう。

 

余談だが、店舗の外にゲーム筐体が設置されている事の多かった駄菓子屋。
直射日光が当たると画面が反射してまったく見えないので、
筐体にダンボールで画面を囲う細工をしている店が多かった。
ダンボールの中に頭を突っ込むと、中は昼でも暗く、
その中に浮かび上がるゲーム画面がキレイで幻想的だった。
ヘッドマウントディスプレイでのVRコンテンツにワクワクするのは、
あの頃の幼児体験があるからかも知れない。