アート・オブ・ファイティング
龍虎の拳外伝
(SNK)
1996.4.26発売/32000円/格闘
誰も知らないもうひとつの”龍虎”。
タイトルについている「アート・オブ・ファイティング」とは
龍虎の拳の海外タイトルである。
自ら「誰も知らない」と宣言するキャッチコピーを採用した漢らしいゲームだ。
確かにこの頃、格闘ゲームファンは
「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズを定番タイトルとして認知しており、
システムもキャラクターも地味な本作は、
あまり見向きされなかった印象を持っている。
この頃から格闘ゲームは緻密な攻防を楽しむシステムから、
ハデハデな必殺技がガンガン炸裂するコンボゲームへと時代が流れていく。
本作はそんな流れと真逆の設計がされており、
本作は必殺技よりも通常技に重点を置かれていた。
セガの「バーチャファイター」のように、
目押しで通常技が変化していく方式を採用した。
だがその分、残りの気力メーターをどのように配分して必殺技を使うか?
といった要素が希薄になったようにも思われる。
ただ、全体の作りは前作「龍虎の拳2」よりも丁寧で、好感が持てる。
(先行入力が効き過ぎて意図しない場面で技が出てしまうのは難だが)
本作はアメリカのスタジオで制作された
モーションキャプチャーデータからドットを作成しており、動きはかなりリアルだが、
キャラクターの挙動は従来の2D格闘ゲーム的な解釈でプログラムされているため
どこかチグハグな印象を受ける。
また、必殺技なども実際のアクターが演技しているため、
人間に出来うる動きに制限された事で、とてつもなく地味である。
キャラクターの誕生日になると強くなるという
(あまり嬉しくない)謎の要素を搭載(^^;
1年に1回しか発動しない要素なんて無いのも一緒だよ!(爆)
せめて「相性の良い曜日に強くなる」とかならまだ・・。
本作は2D格闘ゲーム王道路線の「ザ・キング・オブ・ファイターズ」と差別化し、
シリーズの生き残りを真逆の路線に求めたという意味では、
「餓狼伝説3」と同じ臭いがするタイトルとなっている。
キャラクターは「リョウ」と「ロバート」以外は総入れ替え。
選択できるのは8人と極端に少なく、このあたりも「餓狼伝説3」に類似している。
(新キャラに人気が出なかった事も含めて(爆))
COM専用キャラは中ボスのシンクレア、と最終ボスのワイラー。
“2Dドット絵でバーチャファイターのゲーム性に仕立てる”という試みで
シリーズの生き残りを模索した本作であったが、
結果として龍虎の拳シリーズはこれにて打ち止めとなる。
まあでも、本作を再び格闘ゲームの本流にしようと思ってたなら、
わざわざ“外伝”なんて体裁にはしないよな~と思ったり。
【選択キャラクター一覧】
ロバート・ガルシア
本作ではロバートがストーリー的な主人公になっている。
ロディ・バーツ
トンファー使い。
王覚山(ワン・コーサン)
心意六合拳を使う小太りの台湾人。
デカいリュックを背負って戦う。
手足が短いのでモーションも映えない。
レニィ・クレストン
鞭を使う金髪ねぇちゃん。
とても日本人に受けそうもない女子キャラ。
カーマン・コール
スーツ姿で戦うダンディ。
不破 刃(ふは・じん)
忍者なのに上半身裸でゴリマッチョw
~追記~
エンディングにて。
空手有段者であるはずのユリ・サカザキ、走り方がヒドイ(^^;;
(操作キャラじゃないからって新人にでも描かせたのかな?)