ご飯粒を残すということ

子供の頃。
茶碗にごはん粒を残したまま食事を終えると、
「お百姓さんに失礼だから残さず食べなさい!」
「一粒でも残したら目が潰れるよ!」
なんていう教育をされてきた人も多いと思う。
その成果により、大人になって周囲に同様の事をされてキレる人もいる。
この教育自体はエコなので悪くはないが、
なぜこのマナーはごはん粒だけに適用されるのか?

もし「ごはん粒は残すべきではない」という考えならば、
刺身のツマも全部食べるべきだし、
醤油皿に残った醤油も飲み干すべきだ。
大根も大豆も残したらそれを作ったお百姓さんに失礼だ。
しじみの味噌汁だって身を全部食べるべきだし、
魚の頭や尻尾、骨に至るまで何らかの調理をして食べるべき。
それを獲ってきた漁師さんに失礼だから。
全ての食材で食べれるところは全て食べる。
「食べれるのに捨てる」事をしない事が全ての生産者に失礼の無い行為。
もし「ごはん粒はダメだけど、この食材は捨てても仕方ない」
などという差別があるならば、
「捨てても仕方無い」事を無くすにはどうすれば良いかを考えるのが
真のエコでは無いだろうか?

 

ごはんがつきにくい茶碗 十草(青) 中平