神田にある「ベンガルカレーファクトリー」に行ってきた。
最初に言っておこう。
この日食べたのはカレーではない(^^;
カレーファクトリーなのに?
カレー番長への道なのに?
とにかく店へ入ろう。
ここは日本人店主が営むバングラディッシュ家庭料理の店。
中は4席ばかりのカウンターオンリー。
20時過ぎに訪れたのだが、先客は常連の男性とバングラディッシュ人の男性が2人。
運良く席に着く事が出来た。
「メニューは2種類しか無いですけどよろしいですか?」
見ると「ビーフハリーム(名前うる覚え)」と「ビーフパヤスープ」
という2種がボードに書かれている。
「カレーっぽいのはどっちですかね?」
「う~ん、カレーっぽいのはビーフハリームですが、
ビーフパヤは作りたてなのでオススメですよ。」
とのこと。
さらに店主は「今日のパヤは今までで一番のデキだ」と言っているw
そこまで言われたら従うしかないじゃない(^^;
店主いわく。
オリジナルの辛味(旨味)は時間の経過とともに薄まっていってしまうそう。
そうなると辛味を足すわけだけど、するとオリジナルの味と変わっていく。
隣に座る常連の男性がひっきり無しに「今日のパヤは辛いなぁ~」と言っている。
さらに奥のバングラディッシュ人男性も鼻水ズルズルしながら食べている。
店主が「バングラディッシュ人がここまで辛がるんだから辛いんだろうなぁw」と。
俺様はそんなに激辛得意じゃないけど無事帰れるか?(^^;
やがてカレー・・じゃなくてスープがやってくる。
おお!
スープの海に浮かぶ切り株のような肉塊。
これの正体は牛足らしい。
牛足ってめちゃめちゃ臭いんだって。
だから食肉としてはほとんど出荷されてない。
日本人は食べる習慣無いけど、バングラディッシュなんかでは食べるから、
ハラルショップで少量ながら手に入るとのこと。
しかもこの店の牛足は和牛という超レア品。
そんな臭い牛足をどのように食べられるようにしているのかというと、
1日目は塩漬け、2日目は香辛料などを使って3日かけて下処理をする。
そうしてようやく臭みが取れて、旨味だけを楽しめる煮込み肉になるわけだ。
凄い手間がかかってる。
「お金とってる以上は手間かけないと申し訳ないからね」
と店主は言う。良い言葉だ。
情熱大陸みたいだ。
さて食べよう。
まずはスープにロティを浸して食べる。
ロティとは全粒粉を使った無発酵の薄いパン。
ナンよりも薄く、トルティーヤに似た感じだ。
実食。
うわっ辛い!
でもロティがあんまりスープを吸わないから
ちょうど良く辛さがおさえられてる気がする。
「辛さをおさえるにはスープを吸わないようにするのがコツだよ」
・・てことはロティが尽きたらピンチだ・・(^^;;
しかしこれ辛いけど美味い!
ただ辛いだけじゃなく美味い辛味だ。
やめられないとまらない。
しばらくスープを楽しんだので続いて牛足肉。
切り株骨のまわりにこびりついた肉をナイフでこそぎ落とす。
ゼラチン質の肉を口の中へ。
激しく美味い!!
牛の脂が口の中でジュワワワーッと広がる。
これは上質の煮込みだ。
手間をかければこれだけ美味くなる部位が一般には流通してないなんて・・。
食べ進めるとナイフでもこそぎ落とすのは難しくなるので、
最後は手づかみでフライドチキンのように直接歯をたてる。
骨の中にある骨髄みたいなやつは3本の爪楊枝でほじくって食べる。
あー、骨髄まわりの肉よりほろ苦くてまた違った美味さ。
後半はロティ1枚追加。(300円で1枚追加できる)
店主は「スープで使い切るにはだいたい5枚必要だね」と言う。
うーん、ライスをぶち込んで食べたいな。(^^;
追加のロティも無くなったので恐る恐るスプーンですする事に。
うわわっ!3倍辛い!!
ムセたら終了になりそうだったのだが慎重に食べ進めて何とか乗り切った。
エライぞ俺様。
食後は驚くほどさわやかな清涼感。
汗と一緒に体内の悪いものが出ていった感じ。
上質のカレーを食べた後に似ている。
「これ、カレーじゃないんですよね?」
「スープだよ、これをカレーとは呼べないよ。」
俺様はカレーと呼んでもいいと思うなぁ~(^^;;
店主との会話とともに未体験の料理に舌鼓を打つ。
劇場型カレー体験であった。(カレーじゃないけどw)
帰るときに店主からオススメのバングラディッシュカレー屋さんを教えてもらう。
こんど必ず行きます!