わが青春のPCエンジン(21)「魔界八犬伝SHADA」


魔界八犬伝SHADA
(データイースト)
1989年4月1日/アクションRPG/5800円


何者かが“玉梓(たまずき)”を復活させようとしている…。
遠い昔、怨みと憎しみをふりまきながら、
人々を恐怖のどん底に落としいれた怨霊“玉梓”。
しかし、里見の伏姫の正義の心を受け継ぐ八人の犬士たちが、
不思議な霊に満ちた“宝玉(シャダ)”の力によって
その“玉梓”を封じ込め、世界には平和が戻ったのだった。
ところが、その封印が何者かによって盗まれてしまったのだ。
このままでは国は滅び、この世は魔界になってしまう…。
邪悪な陰謀を打ち破り、世界に平和を取り戻すために、
一人の若者が立ち上がった。彼の名は“しん”。
彼は八犬士の血を引く、知恵と勇気にあふれた若者だ。
八つの“宝玉”と仲間を求めて“しん”は旅立つ、
村を、国を、この世を救うために…。
 
八犬士の血を引く勇敢な若者“しん”。
あなたは彼になりかわり、“玉梓(たまずき)”を復活させ、
この世を混乱のうちに支配しようと企むものを倒すために旅立つのです。
行く先々の村を訪ね歩き、村の人たちの話しに耳を傾けたり、
戦いに備えて武器や防具などを買い揃えたりしなければなりません。
また、旅の途中で出くわす魔物たちと戦いながら、
経験を積み重ねていくことも大切なことです。
 
“しん”(あなた)は知恵と勇気にあふれた若者です。
魔物たちを恐れることなく、また、あちこちに秘められた、
いくつもの謎を解き明かしながら、
それぞれが八犬士の生まれかわりといわれる仲間と
助け合いながら旅を進めてください。
そして、一刻も早く、邪悪な心を持つ闇の魔王を捜し出し、
見事、この世に平和を取り戻してください。
 
“魔界八犬伝SHADA”は、“南総里見八犬伝”の流れをくむ物語です。
そして、そこに登場する八人の犬士たちも、
あの伝説の八犬士の生まれ変わり(転生)なのです。

 
データイーストから発売されたトップビューの和風アクションRPGである。
PCエンジンのアクションRPGとしては、
ダンジョンエクスプローラー」「死霊戦線」に次ぐ3本目だ。
データイーストとしては「ウィニングショット」に次ぐ
PCエンジン2タイトル目となる。
 
ゲームをスタートして村を出るとすぐにピンとくる。
「あ、このゲームはイースだな」とw

いわゆるイースインスパイア系ゲーム。
世界観こそ和風なれど、もう地形グラフィックから漂ってくるイース臭。
そして本ゲームのアクションも“半キャラずらし”がキーとなっている。
「とあるアイテムを装備しないと見えない扉」や「ワープ鏡の部屋」など
マップの仕掛けもイースに寄せていたりする。

 
経験値稼ぎについては大いに不満がある。
RPGの基本構造としては
「敵が強くて苦労している場合は、弱い敵を倒し続けてキャラクターを強くする」
という弱者救済の仕組みが成立しているのが一般的である。
だが本作は敵を倒してレベルアップすると、
すぐにその敵は倒しても経験値が入らなくなる。
つまりレベルを上げるためには先に進むしかなく、
前述した仕組みが成り立っていない。
お金を貯めてもそのときに購入できる選択肢は少ない。
さらにそのときの最強防具を装備していると、
敵からの攻撃を受け付けなくなる場面も
しばしば見られる割り切りっぷりである。
そしてレベル11で早々と上限に達する。
つまり本作はRPG風のアクションアドベンチャーなのだ。
それはそれで良いけど、
そうなると展開がよっぽど面白くないと作業してるだけに感じてくるだろう。
(単に製作期間が短すぎてちゃんとしたRPGに出来なかったのかも知れないw)
 
メモリセーブ機能があるので電源を入れている間はどこでもセーブ可能。
これ使わないと死んだときにゲーム開始時点に戻されるので
こまめなセーブは基本である。
パスワードで再開も出来るが、
面倒なのでたっぷり時間のある日に一気にクリアしてしまおう。
(謎解きに詰まらなければそれほど長くかかるゲームじゃない)

BGMが割りと軽快でgood。
 
巨大なガマガエルとか、多関節ムカデとか、
ボス戦はインパクト勝負か?
シンプルに攻略できちゃうけど。

 
魔界八犬伝とタイトルにあるから、
てっきり8人の仲間が集まるのかと思いきや、
最後まで孤軍奮闘する主人公。(^^;
イースのドギっぽく最後に一瞬だけ出てきて旅の仲間面するw

・・あ、そうか。
このゲームの八犬士って“イースの神官”なんだw

全体的にイースほどの作り込みは感じられず、一つ一つが浅い。
だがイース経験があればストレスフリーで楽しめる小規模佳作。
「『戦国イース』みたいなゲームがもしもあったら・・」
と夢想しながら遊ぶと味わい深い。


戦いは終わった・・・
夜明けとともに魔物たちは消え
人々に再び平和が訪れた。
封印を戻すと犬士たちはそれぞれの村へと帰っていく・・・
“あばよっ!”、“またあおうぜっ!”・・・・・
“しん”はともに戦った仲間達をいつまでも見送っていた・・・
ふと空を見上げると、かすかに星が輝いている・・
その星はまるで彼を見守るかのように
優しく瞬いていた・・・・・
そして“しん”は再び村へ向かって歩き始めた・・・・・
そしてここに新たなる八犬士の伝説が生まれた・・・
  
DIRECTOR
   M・IWAO
  
GRAPHICS
   M・RAI
   T・ITO
   M・IWAO
  
PROGRAMS
   T・IGAWA
   T・SUZUKI
   GUMON
   K・KAMIMURA
  
SOUNDS
   S・SAKAI
   M・IWASAKI
   T・MIURA
   S・HAMADA
   Y・SUZUKI
   Y・TAKAHAMA
  
SPECIAL THANKS
   Y・KAWAI
   Y・NAKAMURA
   T・IDOGAWA
  
PRESENTED BY
   DATA EAST CORP.