キン肉マン 正義超人VS戦士超人
東映動画(東映)
ジャンル:アニメ
上映時間:51分
1986年12月20日日本公開
監督:山吉康夫
脚本:山崎晴哉
声の出演:神谷明(キン肉マン役)
人気アニメ「キン肉マン」の劇場映画7作目。
これまで同様に「東映まんがまつり」の枠内で上映された。
同時上映は「ゲゲゲの鬼太郎 激突!!異次元妖怪の大反乱」と
「ドラゴンボール 神龍の伝説」。
原作の「キン肉マン」と言えば、設定の矛盾っぷりが良く話題に上がる。
乱入してきた七人の悪魔超人が次週には別デザインになっていたり、
リングで戦っている超人が観客席にもいたりなw
だが、劇場版アニメの破綻ぶりはそんな原作の比ではない!
この映画の設定は、「夢の超人タッグ編」終了後である。
超人タッグトーナメントと言えば、
決勝でテリーマン&キン肉マンと戦ったネプチューンマンが、
地球に迫り来る無数の完璧超人達に対して、
自爆する事で完璧超人の負けを伝えて帰らせた感動のラストで終わる。
束の間の平和。ファンとの交流イベントを終えたキン肉マン。
そんな中でミートは誘拐され、戦士超人によって体をバラバラにされる。
(7人の悪魔超人のときといい、ミートは不死身なのか?w)
戦士超人のアジトへ案内する役割を担ったのが、
死刑囚となっていたネプチューンマンだった。
ネプチューンマンはタッグトーナメントで、
口の中で爆弾を点火したが死にそびれてしまい、
やさぐれて喧嘩に明け暮れる毎日を送っているうちに
補導されて監獄入りとなっていたのだ。
ネプチューンマンと合流したキン肉マンは、仲間を募るために各国を訪れるが、
仲間達には様々な理由をつけられて断わられる。
ロビンはラグビーの試合があるから、
ブロッケンJrはサッカーでドイツがアルゼンチンに負けたから、
ラーメンマンはインスタントラーメンの新製品を開発するのに忙しいから、
リキシマンは宇宙巡業へ出るから、
バッファローマンはロングホーンがまだ直ってないから、
ウォーズマンは
コサックダンスの世界選手権に出るためww、
ジェロニモは病気でwなどなど、
小物っぷりを発揮する各超人。
ま、実はそれも「仲間を頼り過ぎるキン肉マンに独立心を思い出させるため」
というお芝居だったんだが。
そんなこんなで戦士超人の島で合流した超人たち。
ザコ超人の大群相手に戦う正義超人達だが、
地割れした穴に落ちてしまうリキシマンとジェロニモ。
地割れに水が流れ込み、そこでワニと格闘する二人。
二人を気遣うキン肉マンの肩に手をかけるテリーマン。
「リキシマン達の死を無駄にしない為にも先を急ぐんだ。」
えーーーっ!テリー、マジすかっ!
戦士超人のボスは七重の塔最上階にいる。
各階で待ち構える戦士超人と戦う正義超人たち。
最上階に辿りついたキン肉マンもボスと戦う。
そうこうしているうちに、相討ちのような形で倒れていく仲間たち。
特にラーメンマンは、
(自分の)体中全ての骨を砕いて相手に巻き付くという秘技を公開して(視聴者に失笑を買いながら)壮絶に果てる。
最後はネプチューンマンとのクロスボンバーでボスを倒すキン肉マン。
崩れて行く七重の塔。
ちなみにネプチューンマンは、
完璧超人になる前は戦士超人だったらしい。格落ち。
そして、そこに戦士超人の秘宝を狙っていた怪人達が迫る!
ネプチューンマンは、そんな怪人達を抱えて大空で爆死する。
タッグトーナメントの時とまったく同じ死に方で。
こんなザコキャラを倒す為に死ぬ必要があったのか?
ネプチューンマン悲惨。
最終的にはネプチューンマン以外の超人は生きていたらしい。
全身の骨が砕けたラーメンマンは大丈夫だったのか!?
原作との整合性をつけるため、
生き返らせたネプチューンマンを強引に再び死なせるなど、
回収方法がデタらめ過ぎる本作(^^;
どうせパラレルワールドなんだし、TVアニメも終わっているのだから、
気にせず一話完結の面白いエピソードにすりゃ良かったんじゃねーの?
本作はTVシリーズの「キン肉マン」放送終了後に上映されたものであり、
「本作の人気次第では、春からテレビアニメの放映を再開する可能性がある」
としていたが、続編の「キン肉マン キン肉星王位争奪編」がアニメ化されたのは、
この映画から5年後である。
絶対、この映画のおかげじゃないと思う。(^^;
なお、2021年現在「キン肉マン」の劇場映画は本作が最終作である。
警戒レベル: