実験小説

実験小説第6回作品「俺は参 卓郎っス!」

『俺は参 卓郎っス!』 イブのバイト戦線 渋谷駅前は、光と音の洪水だった。イルミネーションがビルを飾り、カップルたちが笑いながらスマホを構える。その中を、参 卓郎は肩にかけた白いエプロンを直しながら歩いていた。「……イブにケーキ販売のバイトとか…

実験小説第5回作品「殺せぬ死体」

『殺せぬ死体』 発生と初期対応 最初の異変は、岩手県の山間部で起きた。猟師が雪深い林道で、奇妙な人影を見つけたという。報告を受けた地元警察が現場に駆けつけると、そこには一人の男が立っていた。男は薄いシャツ一枚で、零下の吹雪の中をよろめきなが…

実験小説第4回作品「白百合の香りし君へ」

『白百合の香りし君へ』 朝、目覚ましの音が鳴った。6時30分。いつもと同じ時間。彼女は目を開け、天井を見つめた。「今日も始まったな」そう呟いて、ベッドから起き上がる。キッチンに立ち、コーヒーを淹れる。夫の分も用意して、食パンを焼く。だが、夫は…

実験小説第3回作品「隠蔽と真相」

『隠蔽と真相』 廃ホテルのロケ山深い峠道を抜けた先に、朽ち果てた建物が姿を現した。かつてはリゾート地として賑わったというそのホテルも、今では窓ガラスは割れ、外壁には苔が這い、風が吹くたびに軋む音を立てていた。「……ここが、今日のロケ地?」若手…

実験小説第2回作品「貧乏浪人生が生成AIの言う事を真に受けていたら総理大臣になった話」

『貧乏浪人生が生成AIの言う事を真に受けていたら総理大臣になった話』 第一章:ボロアパートとAIの声東京の片隅、六畳一間のボロアパートに住む浪人生・神谷ユウトは、大学受験に三度失敗し、人生のどん底にいた。参考書は古本屋で買ったものばかり、食事は…

実験小説第1回作品「職業サークルクラッシャー」

俺様のアイデアノートには、いつか小説にしよう、ゲーム化しよう、動画にしてみよう、漫画化しよう、画像にしよう・・といったアイデアプロットがいくつもメモされている。だがそれらのほとんどは実現しないままアイデアノートごと消滅するだろう。それには…