日本全国の森崎に告ぐ

キャプテン翼」で最も読者の胸に残り続けているキャラクターは、
間違いなくゴールキーパーの森崎くんこと、森崎有三だろう。
それは彼の宿命づけられたかませ犬気質に起因する。
キャプテン翼と言えば大空翼を主人公として、
彼の率いるチームが活躍する物語である。
そんな彼らを苦しめるライバルチーム達。
ライバルチームの個性が強いほど翼らの活躍も引き立つ。
そしてライバルチームの強豪キーパー達。
そんなキーパーを掻い潜りシュートを決めるから翼らはヒーロー足りえる。
だが逆にライバルチーム達の必殺シュートを
翼側のキーパーがスーパー能力でセーブし続けたらどうだろう。
オフェンスの活躍は霞んでしまう。
だから、翼側はディフェンスに弱く、オフェンスに強くなければならない。
つまりだ。
主人公側のキーパーである森崎くんはかませ犬でなければならないのだ。
事実、スーパーゴールキーパーである若林や若島津は、
ジャンプシステムに則って翼側の仲間として合流するものの、
たびたび(ケガなどにより)戦線離脱。
かませ犬役を森崎に何度も戻している。
 
ここで考えて見てくれ。
ほとんどの日本国民は森崎くんなのではないだろうか?
その与えられたポジション以上の活躍は認められず、
あらかじめ決められた負けを演じる事を強いられる。
だからこそそんな森崎くんに自己を投影し、哀愁に涙するのである。
 
日本全国の森崎くん達よ。
次のシュートこそ、体のどこかで防ぐんだ!!