「キャプテン翼」で最も読者の胸に残り続けているキャラクターは、
間違いなくゴールキーパーの森崎くんこと、森崎有三だろう。
それは彼の宿命づけられたかませ犬気質に起因する。
キャプテン翼と言えば大空翼を主人公として、
彼の率いるチームが活躍する物語である。
そんな彼らを苦しめるライバルチーム達。
ライバルチームの個性が強いほど翼らの活躍も引き立つ。
そしてライバルチームの強豪キーパー達。
そんなキーパーを掻い潜りシュートを決めるから翼らはヒーロー足りえる。
だが逆にライバルチーム達の必殺シュートを
翼側のキーパーがスーパー能力でセーブし続けたらどうだろう。
オフェンスの活躍は霞んでしまう。
だから、翼側はディフェンスに弱く、オフェンスに強くなければならない。
つまりだ。
主人公側のキーパーである森崎くんはかませ犬でなければならないのだ。
事実、スーパーゴールキーパーである若林や若島津は、
ジャンプシステムに則って翼側の仲間として合流するものの、
たびたび(ケガなどにより)戦線離脱。
かませ犬役を森崎に何度も戻している。
ここで考えて見てくれ。
ほとんどの日本国民は森崎くんなのではないだろうか?
その与えられたポジション以上の活躍は認められず、
あらかじめ決められた負けを演じる事を強いられる。
だからこそそんな森崎くんに自己を投影し、哀愁に涙するのである。
日本全国の森崎くん達よ。
次のシュートこそ、体のどこかで防ぐんだ!!
キャプテン翼 全37巻完結 (ジャンプ・コミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 高橋陽一
- 出版社/メーカー: 集英社
- メディア: コミック
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