ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団
ジャンル:アクション
上映時間:80分
1979年富士
監督:東條昭平
出演:コ・ガオディンディ(少年コチャン役)
1979年3月17日公開
まずこのポスターをよく見て欲しい。
「ワイドスクリーンを圧倒する空前の顔合わせ、これがウルトラの兄弟だ!」
あれ?ウルトラ6兄弟が7人いるぞ?
これを見た当時の子ども達は“間違い探し”を見るような目で
このポスターを眺めていた。
オープニングナレーションより。
「ウルトラ兄弟達は想像を絶する超能力で
地球の安全と平和を脅かす悪と戦い続けて来た。
そして1万年以上大昔の地球の平和は、
タイ国のラマヤーナが守り続けて来た。」
え?いまタイ国って言った?
そのあとラマヤーナの息吹の中からハヌマーンが誕生してオープニングへ。
いきなり登場した孫悟空の化け物みたいな見慣れないハヌマーンが、
ウルトラ兄弟と共闘するシーンが佐々木いさおさんの主題歌にのせて流れるのだが、
ウルトラ兄弟が怪獣の両手を押さえつけてるところを
ハヌマーンが剣で何度も頭部を斬りつけるという
悪夢のような光景だ(^◇^;)
さて、本編。
雨乞いをするタイの子供達。
タイ国は日照りが問題となっており、科学者達も人工雲の研究を進めていた。
雨乞い少年達は仏像泥棒を発見して追いかける。
少年の一人コチャンは、泥棒に射殺されてしまう。
そこ光景を見ていたウルトラの母は、コチャンにハヌマーンの魂を宿そうとする。
空からウルトラの母の手だけが伸びてコチャンの遺体を掴むw
怖いよウルトラの母w
地球に舞い戻ったハヌマーンは、仏像泥棒を追い詰めて、
踏みつけたり握り潰したりして殺すのだった(^◇^;)
オーバーキルw
一方、人工雲の研究所は、異常を検知していたのに人工雲ロケットの発射を強行。
ロケットは発射できずに次々と爆発。
割れた地中から次々と怪獣が這い出て来た!
怪獣は全部で5体。
ゴモラ、ドロボン、タイラント、アストロモンス、ダストパン。
おそらく円谷プロが提供しやすいものを選んだのだろう。
ダストパンなんかウルトラ怪獣でもないし。
(ダストパンは「ミラーマン」の怪獣w)
暴れる怪獣を退治すべくハヌマーン登場。
だが多勢に無勢でボコられるハヌマーン。
そこへウルトラ兄弟が飛来。
互いに手を取り合って怪獣を撃退。
最後に残ったゴモラをみんなでボコるのだが、
動物虐待っぽく見えるのは気のせいか?(^◇^;)
勝利したあと、
ハヌマーンの猿ダンスをウルトラ兄弟達が棒立ちでただ眺めるという
謎の時間がw
本作はご推察の通り、タイ向けの映画を逆輸入した形で日本公開したものである。
(1974年製作で日本公開になったのは5年後)
普通のウルトラマン映画だと思っていた日本の子供達は、
ハヌマーンなる初見の怪物が主役の異国の物語を観るハメになり、
幼心にトラウマとして傷を残す事になるのだったw
本作を円谷プロと共同製作したタイのチャイヨープロ。
当時の社長は若い頃、東宝撮影所に留学しており、
そのツテでウルトラマンとのコラボ映画を実現させたわけだが、
そののちに権利関係で泥沼訴訟に発展している(^◇^;)
なお、この映画には続編の
「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」という作品が存在するw
これはチャイヨープロが映画「五人ライダー対キングダーク」の映像を無断で編集し、
新撮シーンまで追加して仕立て上げた無法映画なのであった(^◇^;)