ホームページ回顧

ホームページ文化の回顧録だ。
インターネット初期。Windows95のあたり。
SNSもTwitterなどのウェブサービスも無かった頃。
ネットを使った他者とのコミュニケーション手段は
メールとホームページが主だった。
ホームページとは、
テキストや画像など閲覧される事を目的としたウェブページを指す。
(本来の意味ではそれらをまとめるトップページのみを指していた)

基本はテキストや表などが書かれたページを構成し、
それらへリンクを貼ったトップページを作成する。
自己紹介、日記、趣味のまとめ、外部リンク集・・
といった構成のページが多かったように思う。
画像も貼る事が出来たわけだが、これには工夫が必要だった。
というのも、当時は貧弱な回線である。
大きな画像を貼ると、それ一枚が表示されるまでに読み込み時間がかかった。
なので、画像の大きさは極力小さくし、
画素も粗いものにする必要があったのだ。
いかに最小限の画像で効果的なページを作るかというセンスが問われた。
そこのセンスを履き違えると、やたらとhtmlの機能を散りばめて、
カルトな動きを見せるページが出来上がったりもした。
その様相はまるでビデオドラッグだったw

ホームページ時代もしばらく経過すると、
レンタル掲示板、レンタルチャットルールといったものが
利用できるようになった。
他サイトのそれらに登録し、リンクを貼るだけで、
自分のホームページを読む人と交流を持つ事が出来た。
チャットルームなどでは自分の好きなジャンルについて
有意義な会話が出来たりしたな。
その半面、誹謗中傷で掲示板を埋めるなどといった
悪意の受け皿となる側面も活発化した。
 
さて、いざホームページを作っても人が集まらなければ読まれない。
そこで発達した文化が“相互リンク”である。
「そちらのページにリンクを貼るまで、
そちらでもウチのページのリンクを貼ってください」
というものだ。
これにより訪問者の導線を作り上げる事が出来たし、
訪問者にとっても「自分が好きなジャンルのホームページ」を
見つけやすくなった。
(その後、検索エンジンの進化によって相互リンクの意味合いは薄まっていく)

そんなホームページだが、それでも一般に普及するには障壁があった。
ページを作るにはそれなりに勉強が必要だったのだ。
HTMLを直打ちするにしても、
作成ツールを使うにしてもそれを習熟する必要がある。
そんな中で登場したのがブログサービスだ。
ホームページのような書き込みを誰でも出来るような簡易な入力にした上、
同サービスを利用する者同士が
(相互リンクせずとも)リンク関係を築ける仕組みも備わっていた。
ブログ人口が増えるに従って、ホームページを作っているサイトも減少。
検索エンジンでももはや個人のホームページは検索されづらい時代になった。
 
そしてより簡易な入力でコミュニケーションが成り立つ
TwitterInstagramなどのSNSへとウェブの中心が移り変わっていく。
ホームページ時代。
あれはあれで様々な個性が世に飛び出した愉快な時代であった。