不謹慎狩り

熊本地震以降、「不謹慎狩り」などという言葉が踊っている。
SNSの発言や有名人の寄付活動など、
派手なことや目立つことを見つけると
「被災地の人がこんな目にあっているのにそんな発言するなんて不謹慎だ」
「売名行為だ!」「こんなときに笑った写真を載せるな!」
などと“不謹慎”の名のもとに批判する行為だ。
 
こんな事を思い出した。
俺様がとある映画関係のショップで見かけた出来事。
店内には映画のポスターが所狭しと展示されている。
その中に女性の胸があらわになったポスターもあった。
店の中に入ってきた小太りの中年。レジにいたオバちゃんに詰め寄っている。
「誰もが目につくところにこんなポスターを張るのはマズいんじゃないですか?」
「子供が見たらどうするんです?不謹慎じゃないですか?」と。
(ちなみにポスターは店内に入らないと見えないところにある)
そのオバちゃんは「そうよねー、そうよねー」と困った様子。
すると店の奥から店主が出てきて。
「買うの?何か買うの?」と捲し立てた。
その男性は「買いません」と答える。
「じゃあ客じゃないから、出てって。」と彼を追い返した。
踵を返してすごすごと去っていく男性。
 
「自分の正義に反するものはケチをつけて当然」という人っているんだよね。
小学校の頃にもいた。全然関係無いのに「先生に言いつけてやる!」とかいうヤツ。
でも大抵はその行為自体は空気を乱す行為で、異端となる。
世の中は白と黒だけで構成されていない。グレーがあって成り立っている。
ほとんどの人はそのバランスを感覚で理解しているが、
そこが備わっていない人も珍しくない世の中になっている。
ネットが普及してそういう人が見えやすくなっただけだけど。
まとめると「不謹慎狩り」には上記の店主のように「部外者は出てって」が正解。