
パーセプションタイプミステリーゲーム
バーニングポイント
エニックス
1989年2月23日
8600円
PC-8801mkⅡSR以降
サウンドボードⅡ対応
ディスク5枚組
人生というのは、いつまでも続く勉強だよ。
卒業もできないし、学位もとれない。
だから、せいぜい努力して、退学にならないようにすることだ。
ロス・マクドナルド「ウイチャリー家の女」より

GOOD MORNING!!
THIS IS FM SANTA CHRIS 3AM!
こんばんよう!朝には早い午前3時。
さっそく留守録テレホンコールでオープニングだっ!
さて今日はどんな人達のメッセージが聞けるかな?

テレホンコール!!
はぁい!わたしリンダよっ!
ポール、今度の土曜日デートしようね!
じゃあねっ!
ジョン・・・
帰ってきてくれ・・・
やはり僕には君が必要だ・・・
連絡を待っている・・・
くたばれ!
ヘレン!! ひっく。
まっ………たく
近頃の若いもんはつまらんッ!
年寄りに席もゆずらん!
…昔のサンタ・クリスは人も街も美しかった…
以上、今日のテレホンコールでした!
さて、今の愛すべき仲間達がみんなハッピーでありますよう祈りつつ、
今日最初のクリエスト!
ブルーバロッツの“バーニングポイント”!
いってみよう!

MAIN PROGRAM・・・
MAKOTO SATO

SCENARIO・・・
KENJI ENDO
MAYA TAKAMI
GRAPHIC・・・
NORIYUKI YOKOKI
KENJI OKAMOTO

MUSIC・・・
K.SAWA
MASASHI HIJIKATA
PRODUCER DIRECTOR・・・
TAKASHI YONEDA(ENIX)


8ビットパソコンゲームも円熟期を迎えた頃。
エニックスのアドベンチャーゲームは群を抜いた完成度を誇っていた。
「ジーザス」「ウイニングマンスペシャル」「アンジェラス」。
そして本作「バーニングポイント」が登場。
また本作のあとに「ミスティブルー」「ジーザス2」と続いた。
俺様はこの頃のエニックス産アドベンチャーゲームが大好きだったが、
その後、ドラゴンクエストシリーズの大躍進により、
エニックスはこの頃の作風を封印してしまった。
(復刻の話すらない)
そんな中でも知名度の低い本作の魅力を埋もれさせないために
「バーニングポイント」の記事をまとめる事にした。
プロローグ
駆け出しの探偵

この街の名前はサンタ・クリス。
ロス・アンジェルスからハイウェイで1時間半くらいの距離にある。
人口6万人の港のある小都市で、丘に豪邸が並ぶ住宅街と、
猥雑な感じのダウンタウンとが妙に対比しあっているのが特徴だ。
ぼくは16年ぶりにこの街に帰ってきた。

ぼくの名前はマイク・スティール。職業は私立探偵。
2週間前にライセンスを取ったばかりの新米探偵だ。
年齢26歳。独身。趣味は音楽、水泳。
酒は少々。煙草はやらない。
幼い頃からぼくは人が泣いたり怒ったりしていると
どうしてもその理由を知りたくてたまらなかった。
好奇心は誰よりも強かった。
ガキのころ夢中になって読んだのはロス・マクドナルド。
彼の分身であり、小説の主人公のリュー・アーチャーに憧れ、
彼のような探偵になろうと夢見ていた…
そして、ぼくは探偵になった。

このドラッグストアのある小汚いビルの2階にぼくの事務所を借りた。
実をいうと今日が開店第1日目なんだ。

このワンルームの事務所がぼくの仕事場になる。
早く依頼が来ないかな・・・なんて待ってたって来るわけないよな。
探偵に必要なのは何か?
知力?体力?根気?魅力?

実は今日のために宣伝チラシを用意した。
昨日徹夜で300枚刷ったんだ。
そう。大事なのはまず宣伝だ。依頼がなければ仕事にならない。
この辺りでチラシを置いてくれそうなのは・・・
【1階のドラッグストア】
【向かいのレストラン(デイビスの店)】

まずチラシを置いてもらうためにドラッグストアとレストランに向かう。
このゲームはそれまでのアドベンチャーゲームのようなコマンド選択方式ではなく、
セリフが表示される吹き出しの中に選択肢があるのだ。
今でこそそれほど珍しい形式ではないが、
当時この方式を取っていたのはアドベンチャーブックぐらいであった。
シナリオ的に意味の無いコマンドが無い分、
よりシナリオや世界観に没入できたのである。
(このあたり「THE KING OF CHICAGO」というゲームのインスパイアらしい)

1階のドラッグストラへチラシを置いて貰いに行った。
最初は非協力的だったが・・。

トークで盛り上がり、ちょっとだけ歩み寄りを見せてくれた店主。
彼の名前はロブ。

続いて向かいのレストランのデイビスさんの店へ。
小さい時にかわいがってもらった知り合いだ。

デイビスの店へ行くと毎回ジョークを言って心を安らがせてくれる。
この店にもチラシを置いてもらう事になり事務所に戻る。
第1章 死の蒸発
その老夫婦が訪れたのは、ぼくが担当を始めて6日目の事だった。
一見して上流階級の人間だという事がわかる。
こんな事務所には似合わない感じだ。
驚くなかれ、記念すべき第1号の依頼人は、
有名な私財家のフィストバーグ夫妻だったんだ。

依頼は「孫娘を捜して欲しい」とのこと。
彼女は夫とのマイラシティ旅行中にいなくなってしまったらしい。
孫娘の名はヘレン。去年ルドルフ・フォリーという人と結婚した。
10日ほど前に旅行先で泊まったホテルが火災。
二人は避難しようとするがはぐれてしまう。
遺体発見の知らせを受けるが、その死体はヘレンとは思えないという。

ヘレンの写真を預かる。
死体の鑑定結果が出るまでの1週間、ヘレンの行方を探す仕事だ。
彼女の行方は?生きているのか、死んでいるのか。
ホテル火災でひとつ残った死体は一体誰なのか?
act1 モルグの女


まずヘレンの婚約者だったルドルフに聞き込みをする。
事件当日、3流ホテルを選んだヘレンと口論になっていたようだ。


次にマイラシティ警察署にやってきた。
カワイイ婦警さんがいるw

刑事に事件の事を聞くが、ろくな新情報が無い。

続いて死体公示所へ。
不明の焼死体について色々と聞いてみる。
死体は微量の薬物を飲んでいたらしい。

市立図書館で情報を調べる事にする。
<マイラ・シティでホテル火災・4人死亡>
9月3日未明、マイラ・シティ市内のチャンピオン・ホテルで火災が発生、
真夜中の出火のため発見が遅れ、4人の死者を出す惨事となった。
警察の調べによると出火した301号室は当日泊まり客はなく、
漏電などの方向から出火原因を捜索中。
ヘレンが事件の夜に飲んでいた風邪薬は「ルーラ」という名前だった。
検死官にルーラを渡して調査を頼んだ。
第2章 彼女は消失した
act1 もう1人の行方不明者

翌日、死体公示所に行ってみると、
焼死体の人物はコカインの常習者である事がわかった。

ヘレンのいなくなったチャンピオンホテル火災現場に来てみた。
特に何も見つからない。

マイラシティ警察署に行くと・・

突然、女性にタックルされる。
コールガールだそうだ。
そうか・・
コールガールならば行方不明になっても名前が上がらないのではないか・・。

新しい新聞記事を読む。
<ホテル火災の被害者、オーナーを告訴>
9月3日未明、
マイラ・シティ市内のチャンピオン・ホテルで起きた火災は4人の死者を出したが、
犠牲者の1人サラ・ウェストンさん(38)の遺族が
ホテル側の夜間防火管理体制に問題があったとして、
オーナーのオーロフ・ガリクソン氏を告訴した。
オーナー側は善意ある対処を表明し、裁判は早々に決着のつく模様である。

ホテルのオーナーであるガリクソンのオフィスへやってきた。


ガリクソンからホテルが契約していた
コールガール組織クラブ・レアージュを教えてもらう。
ボスの名はキム・マンジーニだそうだ。

それにしてもガリクソンさんは意外と良い人だったw

マイラシティの中心地にある通称<ハートアタック・ストリート>にやってきた。
ここのBGMがノリノリで素晴らしい。

クラブ・レアージュを発見するが、ドアを開けてくれない。

再び繁華街へ戻ると悲鳴が聞こえた。
女性が暴漢二人に襲われている!
意を決して助けに入るが簡単にノックアウトされてしまう・・。


逆に女性に助けられるスティール。

助けた女性はキム・マンジーニだった。
クラブ・レアージュに入れてもらう事が出来た。
そこでルーシー・パーカーという女性が
事件当日にチャンピオン・ホテルへ仕事に行った事を知る。
ルーシーのアパートに電話してみると、
婚約者が電話に出た。
彼に焼死体の事を伝えると、すぐに死体公示所に向かうという。
act2 ホテル火災の謎

焼死体がヘレンでは無い可能性があるなら、
ヘレンとルドルフについてもう少し調べる必要がありそうだ。

チャンピオンホテルの元従業員がいるというスタリオンホテルにやってきた。

401号室の部屋係をやっていたというスージーさんを呼んでもらった。
ヘレンは事件当日の昼にグレーのスーツの男と大喧嘩していたらしい。

グレーのスーツの男を知っているというバー係のレナルドを呼んでもらった。
グレーのスーツの男はバーでヘレンの名を叫びながら暴れていたらしい。
act3 過去からの追撃者

ヘレンが卒業したセントクレランド女子大にやってきた。
学生にヘレンについて聞いた。
ヘレンはラルフ・ウォールマン教授との不倫スキャンダルがあったらしい。

ラルフ・ウォールマン教授が出入りしているという
酒場「クレイジーホース」にやってきた。
まだ開店前らしい。

開店時間に再び訪れたら、ウォールマン教授が飲んでいた。
だが酔っ払っていて話にならない。
act4 ホテル火災の謎

チャンピオンホテル火災現場にふたたびやって来た。

火元となった301号室だ。

画面に枠が表示されてその場所を調べるシーン。
カーソル方式よりもパターンが限定されているので虱潰しがしやすい。
光っている場所があり、そこで緑色のガラスを発見した。
事務所で調べると、高熱で溶けてはいるが、かすかなDUの文字が読めた。
捜査の結果、バーボンのダック・ジャニエルズの破片だという事がわかった。

セントクレランド女子大に来てみたが、もう彼女らはいない・・。
調査の結果、ルドルフの証言に矛盾がある事がわかってきた。
ルドルフへ尋問をするためルドルフの家へ向かう。
ルドルフの家に着いたときには、すっかり夜がふけていた。

おや、ルドルフ、こんな時間にどこに行くんだろう?
うーん・・・気になる・・・尾行してみよう!

初めての尾行だ・・・わくわくするなあ・・・
ん?市街地にはいっていくぞ。

ごちゃごちゃしているから、見失わないように気をつけなきゃ。
やった!赤信号にひっかかるぞ。

げっ!つっきった!信号無視だ!
えーい、ぼくも突っ込んでしまえ!

うわあーっ!

ば、ばかやろう!
気をつけろい!
死にてえのか!

し、しまった!見失った!

へっへっへっ。どういうわけか追い付いてしまったぞ。
意外に尾行の才能があるんだなあ。ぼくって。

ここは・・・どこだろう?アパートのようだが。
中から女性の声が聞こえて来る。
ルドルフには浮気相手がいるのか?
やはりルドルフの容疑は間違いなさそうだ。
ルドルフが帰ってゆくようだ。夜が明けたらすぐに尋問しよう。

ルドルフに尋問。
SOFTで行くか、HARDでいくか?w
尋問の結果、ルドルフはシロだった。
残るはウォールマンか・・・

クレイジーホースでウォールマンを尋ねるが彼は酔い潰れてしまう。

外へと運び出すスティール。
するとウォールマンの懐からレシートが落ちた。
「9月3日 195ドル ・・・オンホテル スリーマイル Tel.002-1815」
act5 嫉妬の炎

ウォールマンは自白した。
彼はダック・ジャニエルズにハンカチを詰め、
ライターで火をつけ火炎ビンにして、ヘレンの部屋に投げ込んだ。
ところが彼女の泊まっていた4階には届かず、3階の部屋に入ってしまった・・・
ウォールマンは警察へ出頭した。
そして依頼期限の1週間が過ぎてしまった。
第3章 狙撃

フィストバーグ邸へとやってきた。

応接室で待っていると銃声が!

中庭だ!フィストバーグ氏が倒れている!
だがフィストバーグ氏に弾は当たっていなかった。
中庭で銃弾を拾う。

サンタリス署のホワイト警部がパトカーでやってきた。

裏口付近の廊下でメイド達が騒いでいる。
フィストバーグ氏を狙撃して車で立ち去ったのはヘレンだったという・・。

フィストバーグ氏は捜査を打ち切るように言うが・・。
そのとき死体の鑑定結果が出たという連絡を受ける。
死体はやはりルーシー・パーカーだった。

帰ろうとするスティールを呼び止めたのはフィストバーグ婦人だった。
ヘレンはいなくなる1月前に差出人不明の手紙が届いていたという。
改めて婦人から捜査の依頼を受ける。

ルドルフの家で手紙を探す事に。
図書館から借りた本の「C」のページに封筒が挟まっていた。
差出人が書いていない。消印は・・・コンプラトン市、クラムリー・ヒル。
そして問題の手紙も発見。
「私はあなたの生まれるずっと前から、
あなたのお父様のアランとたいへん親しかった者です。
15年前、あなたの御両親が不幸な事故に巻き込まれた時、
あなたはさぞ苦しい思いをしたでしょう。
でも、これだけは言っておきたいのです。
現在遠くであなたのことを見守っている人が二人います。
ひとりは私です。そして、もう1人。
その方はとても優しい目であなたの事を見守っています。
しかしその方が誰かは、打ち明ける事が出来ません。
ある人に対してとても迷惑をかけてしまいます。
わたしがあなたに伝えたかったのは、あなたを見守っている人がいるという事です。
突然不明瞭な文章を送る事をお許し下さい。
わたし達のためにも、あなたはこれからも強く生きて行って下さい。
p.s.
もし機会があれば、あなたと会ってお話がしたい。
ほんの数分間でもいいのです。
そして、わたしの夢をあなたに話す事ができたら・・・」
第4章 謎の消失点
act1 黄色いビートル
図書館で電話帳を借りる。
ついでに9月18日付けの新聞も読んでいこう。
<大学教授、嫉妬の放火>
9月3日にマイラシティで起きたチャンピオンホテル火災は、
漏電事故とみられていたが、
昨夜になって放火と判明、犯人が逮捕された。
この男はセントクレランド女子大学教授、ラルフ・ウォールマン(53)で、
調べに対して別れた恋人に復縁をせまったが断られ、
カッとなってホテルに放火したと述べている。
電話帳をもとに自動車修理工場に電話しまくる。
act2 差出人を捜せ 1

フィストバーグ造船会社の社長室で社長のスパイラルと会う。
彼はアランと生前親しかったという。
その後、ビートルと手紙の差出人について調べていると、
S・ウェストンという人物の名前が浮かび上がった。
act3 差出人を捜せ 2
チャンピオンホテルの従業員のスージー・ウェストンが
手紙の差出人であり、ビートルの持ち主である可能性が浮かぶ。
act4 ゲット・バック!

スージー・ウェストンの自宅へやってきた。

スージーは色々ととぼけている様子。
だが部屋にアランの子供時代の写真を見つけ、尋問を決めた。

再度スージーの自宅へ訪れたとき、ヘレン・フォーリーと遭遇する!
家に帰るように説得するが突然殴られて視界が暗くなる。

意識が戻るとスージーに介抱されていた。
ヘレンはもういない。
スージーを問い詰めると、ヘレンはやはりアランの母親であり、
手紙の差出人、そしてビートルの持ち主である事がわかった。
そしてフィストバーグ氏を狙撃したのもスージーだという。
ヘレンは何か恐ろしい事を思い出し、それを調べているらしい。

婦人に真相を報告した帰り、メイドから声をかけられる。
ここでは言えない話があるという。

デイビスの店でメイドのシェリルと落ち合う。
ヘレンは15年前にも一度火事にあっているという。
そのショックで別荘で起こった火事の記憶が失くなったとか。
ヘレンはその記憶を取り戻すためカウンセリングに通っているらしい。
第5章 フィストバーグ家の秘密
act1 過去と現在

カーモディの診療所へやってきた。

カーモディは特にヘレンの行方は知らないようだ。
図書館で別荘火災事件の記事を読む。
<深夜の別荘火災、2人が焼死>
9月19日未明、ビーチストリートのフィストバーグ家の別荘で火事があり、
フィストバーグ造船会社副社長のアラン・フィストバーグ氏(35)、
妻のシャローンさん(33)が焼死するという事件が起きた。
その日はフィストバーグ氏ら一家3人が別荘に泊まっていたが、
娘のヘレンちゃん(7)だけは燃えさかる炎から奇跡的に救助された。
出火原因は未確認だが、出火場所とアラン氏の遺体発見が
ともにキッチンであることから
アラン氏がキッチンで調理中に過って火を出したとみられる。
なお、ヘレンちゃんを助けた勇敢な消防隊員は近く表彰される予定である。

デイビスの店で15年前の別荘火災でヘレンを救助した消防士に話を聞く事になった。
火災当日、フィストバーグ氏も現場にいたらしい。彼が通報者だったとのこと。
カーモディからヘレンの泊まっているという
リバーサイド・モーテルの電話番号を入手。
電話してみるも、ヘレンは宿泊していないようだった。
act2 過去からの告発
フィストバーグ造船会社は別荘火災のその後にカスミングループに買収されていた。
そしてアランの妻シャローンはカスミングループの令嬢だった。
スパイラルの紹介でカスミン・グループ社長のカスミンと会える事になった。


24年前にフィストバーグ造船会社が危機的状況だったときに
カスミン・グループが出資した事が関係の始まりだった。
それによりシャローンとアランが出会い、結婚するに至った。

デイビスの店にいくとシャロンがいた。
シャロンはスティールに渡したいものがあるという。

シャロンはフィストバーグ家の「開かずの間」アランの書斎に入れてくれた。
積まれた本の中から日記、ピアノの中からカセットテープを発見した。

帰り際にフィストバーグに見つかって怒られるw

事務所でテープを聴いてみると、
悲鳴のあとに「ヒヲモッテセイセヨ」という言葉が録音されていた。
そのあとに雷鳴の音も。
(ここサンプリング音源でしゃべる!)
続いてアランの日記を読んでみる。
6月1日
妻の不貞には愛想が尽きた。今夜もまた酒場で男を拾っているのだろう。
彼女は、フィストバーグ、カスミンの両家を憎んでいるのだろう。
もとから愛情のない結婚だ。そのことを考えるとわたしの心は痛む。
7月6日
ロバート・カスミンには気をつけなければならない。
彼はフィストバーグ造船会社を乗っ取るつもりだ。
先日開かれた船のオーナーを集めてのパーティーの席でも、
カスミンは幅を効かせている。
彼とともに、昔だったら当然門前払いになる連中も顔を出していた。
マフィアのような人物、武器の密輸業者と噂されている海運業者などだ。
彼らがカスミンと親しげに会話しているのを見ると、不安にならざるを得ない。
9月5日
やはり不安は的中した。
カスミン・グループはマフィアやテロリストに協力し、
麻薬や武器の密輸を行なっていたのだ。
そのカスミンはいまやわたし達の会社をも吸収しようとしている。
その狙いはわかっている。
フィストバーグ社のオーナー達を通じての政財界へのコネクションだ。
息子の盛会入りもその第一歩なのだろう。
わたしは奴の悪事を告発する。
マフィアや有力者を次々と吸収し悪事を重ねる一方、
福祉団体に巨額の寄付をする偽善者の仮面をはぐのだ。
9月11日
ついに奴の化けの皮が剥がせる。
カスミンの密輸取引の帳簿が近日中に手に入る予定だ。
これさえ手に入れれば世間にカスミンの悪事を公表できるだろう。
だが、奴らはわたしの事を薄々感づいているらしい。
昨夜も替えたばかりのタイヤが原因不明のパンクを起こした。
これでもう2回目だ。
家族の事が心配だ。どこか他の場所に移した方がいいかも知れない。
act3 疑惑の火災

ヘレンの伯父にあたるデニス・カスミンに会う事が出来た。
「火をもって制せよ」は15年前にデニスが出馬した際のスローガンだった。
15年前に調査を進めて事務所に戻るとFAXが送られてきた。
「君の現在の調査は君のためにならない。いますぐ手を引きたまえ」

脅迫を受けたその日、デイビスの店で酒を飲み酔うスティール。

帰り道の路地裏・・

ターミネーターみたいな殺し屋がスティールを襲う!
まさかゲームオーバーか!?

だが間一髪、ロブに救われる。
act4 発火点
図書館で「デニス・カスミンの立候補」記事が載っている新聞を読む。
<炎の男、市議選に立候補>
9月20日、市長の汚職でリコールされた、
州議会選挙の補欠選挙は立候補受け付けが締め切られ、
本格的な選挙戦がスタートした。
今回のリコール運動の立て役者である市民グループのリーダー、
デニス・カスミンは所信表明演説でこう述べた。
「炎の男を州議会に!汚れきった議会は火をもって制せられるべきである!」
脅迫状の筆跡はウィリアム・カーモディのものとそっくりだった。
彼を尋問する事に決めた。
そしてやはり脅迫状を送ったのはカーモディだった。
尋問を続けていると突然ヘレンが登場して銃を突きつけてきた。

そこで驚くべき真相が判明する。
カーモディの正体は死んだはずのヘレンの父、アラン・フィストバーグだったのだ!

アランに15年前の事を聞く。

「その夜ぼくが書斎で日課のピアノの練習をしていたときのことだ。

突然シャローンの悲鳴が聞こえた。
同時に階段をかけあがってくる足音とともに、
覆面をした2人の男が押し入って来たんだ。

その2人は、ぼくに襲いかかってきた。激しい乱闘になった。
ぼくは一人を殴り倒したが・・・

不覚にも背後からもう1人の男に殴られて、気を失ってしまった。
それから、どのくらいたっただろう。

ぼくは意識を取り戻した。
回りを見回すと、あの2人は既にいなかった。
ぼくはシャローンの事が気になり、1階に降りた。
そこでぼくが見たのは・・・血まみれで倒れているシャローンだつた。
・・・彼女はすでに虫の息だった。

その時、台所からなにやら物音が聞こえてきた。
行ってみると、男がガソリンを撒き散らして火をつけようとしていたんだ。
激しい怒りがこみあげ、ぼくは男に飛びかかっていった。

格闘しているうちにそいつの服に火が移り、男は火だるまになった。
台所はみるみるうちに炎に包まれ、
それが男の持っていたガソリン缶にも引火して・・・

・・・爆発したんだ。

外へ飛び出すのが一瞬でも遅れたら、ぼくも男と同じ運命を辿っただろう・・・
act5 襲撃犯は誰か?
まずロブの店で小型マイクを購入した。
そして襲撃犯と思われる関係者の声を録音してまわった。
声の主はデニスかスパイラルのどちらかのものである事が分かる。
デニスとスパイラル。
どちらも断定出来ないが、どちらかに絞って進めなければならない!
この選択によってエンディングが分岐するのかな?と思って両方確かめたが、
途中のセリフが少し変わるだけで、エンディングは一種類だった。
第6章 対決

容疑者を問い詰める場所として選んだのは、
関係者が一同に介するフィストバーグ造船会社のパーティ会場だった。

デニス、スパイラル、カスミン氏が揃うテーブルの前に立つスティール。
それにしてもスパイラルの顔デザインが前と違い過ぎる(^^;
彼らに15年前の事を問い詰めるスティール。

そしてアラン・フィストバーグが彼らの前に証人として現れる。
証拠品を提示して15年前の真相を暴く。

別荘襲撃を自白したスパイラル。


エピローグ 探偵の素質
ニュースをお伝えします。
昨夜、ロサンゼルスのマイラシティ・エンパイヤホテルで
開かれたパーティで発砲事件があり、
2人が重軽傷を負う事件がありました。
事件があったのはフィストバーグ造船会社50周年パーティ会場で、
その際同社社長のチャーリー・スパイラル氏(56)と
私立探偵のマイク・スティール(26)との間で口論となり、スパイラル氏が発砲、
スティール氏もそれに応じて発砲に至った模様です。
スパイラル氏は現在意識不明の重体ですが、
警察では意識が戻り次第事情を聞く予定です。
一方スティール氏は・・・・・・

「ママ・・・」
「シャローン、君の仇はとった。
これからぼくは、カスミンの悪事をすべて暴露する。
見ていておくれ。」

「今回は世話になった。わたし達家族のとんだ過去に巻き込んでしまったね。」
「他人の人生を覗いてしまうのは探偵の商売ですから。」
「君にはすまない事をした。君を侮辱した事を許してくれたまえ。
君の真実を追求する力には敬意を表するよ。」
「死んだと思っていた人達が2人も戻って来るなんて・・・
この年になって最良の幸福を味わいましたわ。」

「スティール君、腕の傷は大丈夫かね?」
「ええ、かすっただけです。」
「スティールさん、あなたは凄い人だわ。
夫もスージーも、よろしくと言っていました。」

「スティール君。
僕はこれからカスミングループの不正事実を徹底的に追求するつもりだ。
それには君の才能が必要だ。君が、ずっとそばにいてくれたら百人力なんだ・・・」
「アランさん・・・これから始まるのは、あなたの戦いなのです。
それに“探偵”に出来る事は調査だけです。僕もその“探偵”以外の何者でもありません。」
「・・・・・・わかった。そうだな。君には君の探偵としての仕事があるんだな。
そしてカスミンの不正を暴くのは、僕の仕事なんだ。」
「わかってくださいましたか。」
「ところで、君はこれからどうするんだい?」
「あの狭い事務所で、次の依頼人を待つだけです。
アランさん、もし“探偵”が必要ならいつでもいらして下さい。
『マイク・スティール探偵事務所』は、どんな依頼でも引き受けますよ。

「ありがとう。」



カスミングループの疑惑は、デイリー・サンタクリス紙によって発表され、
大いに世間の注目をひいた。
デニス・カスミンは、そのスキャンダルのせいで州知事選出馬を断念し、
下院議院を辞職した。
ロバート・カスミン氏を警察が事情聴取するのも間近だろうと
マスコミは予想している。
さらに密輸疑惑の真相を究明する委員会が設置され、
その委員長にアラン・フィストバーグが選出された。
原作
(C)遠藤 健司『バーニング ポイント』より
メインプログラム
(C)佐藤 誠
プログラム協力
日高 徹
青山 学
シナリオ
遠藤 健司
高見 摩耶
ゲームデザイン
バーニングポイント製作委員会
キャラクターデザイン
岡本 健志
トータルイメージデザイン
(C)横木 憲幸
デジタイズ
岡本 健志
YONEGON
音楽・効果
(C)K.SAWA
ミュージックテクニカル
土方 雅之
バグハンターズ
狩野 健二郎
菊本 裕智
鎌田 敏明
竹下 吉郎
飯塚 泉
西海岸アドバイス
日下部 麻利
Thanks
清水 紀代子
技術アドバイス
望月 敬三(ENIX)
矢作 貞雄(ENIX)
プロデューサーディレクター
米田 喬(ENIX)
企画・製作
(C)(株)エニックス 1989
THE END
音楽・効果としてクレジットされている「K.S
テクノスジャパンの“くにおくんシリーズ”などでお馴染みの
ミュージックコンポーザー“澤和雄”さんのこと。
本作のBGMも“くにおくんシリーズ”のBGMと似た特徴を感じ

このゲームでは事務所が重要な拠点になっていて、
「現在の状況判断、推理をする」を選択すると、
次に何をすれば良いのか教えてくれたり、
集めた証拠品を検証したり、
情報の集まった人物を「聞き込み」対称や「尋問」対称にしたりする。
つまり進行に詰まったら事務所に戻る事によって
大概は先へ進むきっかけになる。
それによりアドベンチャーゲームの欠点である
「何も展開しないままの退屈なフラグ探しが長時間続く」という事を緩和。
テンポ良いミステリーへの興味の持続に成功した秀作になっている。
久しぶりにプレイしたわけだけど、
次の展開がずっと気になり続ける建付けは見事だった。
また、心地良いBGMやピンポイントで盛り上げる効果音、
ディスクアクセススピードや
ディスク交換のストレス軽減まで考慮された完成度の高さが素晴らしい。
まさに8ビットアドベンチャーゲームの到達点の一つだろう。
「バーニングポイント」は7000本ぐらいの売り上げで、
営業的には「売れなかった」タイトルらしい。
ただそれはゲームの内容に問題があったからではなく、
8ビットパソコンの末期、アドベンチャーゲームというジャンルの 斜陽、
といった外部要因が重なってのものだったと俺様は思う。
だって当時、俺様はこのゲームを発売日に買って、
「アドべンチャーゲームの到達点」を感じていたわけだから。
最後にソフトに付属されたペーパーもご紹介しよう。

このゲームの操作マニュアルはペライチなのだが、
その裏には開発スタッフが似顔絵つきで紹介されている。
こういうのアットホームで良き時代を感じさせるね。


「Daily Santa Chris」という劇中の新聞が再現されている。
記事の内容はゲーム中での事柄が題材になっており、
プレイしながら読む事でシナリオが補完できるようになっている。
新聞にはゲーム中にかける事ができる電話番号も多数書かれているが、
マニュアルプロテクトにはなっていない。
(新聞が無くても必要な情報は全てゲーム内で得られる)

スティールのプロフィールとゲームの舞台となる背景マップ。

依頼契約書。